今回はクリエイティブメディアから好評発売中の高音質/低遅延ワイヤレスオーディオセット
「BTW3AVTRWL」(¥13,840、税込)を借用し、色々なコーデックで遊んでみることにした。

 BTW3AVTRWLとは、同社のBluetoothトランスミッター「BT-W3」と、ネックバンド型ワイヤレスイヤホン「Aurvana Trio Wireless」をセットにしたパッケージだ。

画像: 「BTW3AVTRWL」(¥13,840、税込)。左がBluetoothトランスミッターの「BT-W3」で、右がワイヤレスイヤホンの「Aurvana Trio Wireless」。写真の他にBT-W3用のアナログマイク(3.5mmコネクター)も付属する

「BTW3AVTRWL」(¥13,840、税込)。左がBluetoothトランスミッターの「BT-W3」で、右がワイヤレスイヤホンの「Aurvana Trio Wireless」。写真の他にBT-W3用のアナログマイク(3.5mmコネクター)も付属する

 BT-W3はUSB Type-Cコネクターを備えたBluetoothトランスミッターで、aptX LL(Low Latency)/aptX HD/aptX/SBCの4種類のコーデックをサポートする。組み合わせるイヤホンがこれらのコーデックに対応している場合は、好みのコーデックを選ぶこともできる(詳しくは後述)。

 これを再生機器のUSB Type-Cに挿すだけで各デバイスの再生音をBluetoothで伝送可能。PS4やNintendo Switch、PC/Macと組み合わせて様々なサウンドが楽しめることになる。遅延が気になるゲームなら低遅延のaptX LLを、じっくり音楽を聴きたいならaptX HDを選ぶといった具合だ。

 Aurvana Trio Wirelessは、10mmダイナミック型と2基のBAドライバーによるハイブリッド型トリプルドライバーシステムの搭載が特長。この構造により、繊細な高域再現から豊かな中低域、パワフルな低音まで再現できるという。

 また装着性に優れたシリコンイヤーチップ、フォームイヤーチップで外来ノイズを抑え、没入感のある音楽体験、ゲーム体験を実現している。なおAurvana Trio Wirelessは2台までのBluetoothデバイスと接続できるので、スマートフォンとPCにつないでおけば、PCに保存した音楽を聴いている時でも、スマホの電話に応対するといった使い方も可能だ。

画像: BT-W3(左)は本体後ろにスイッチがあるだけのシンプルな構造。Aurvana Trio Wireless(右)はUSB マイクロBで充電する仕組みで、フル充電で約20時間の試聴が可能

BT-W3(左)は本体後ろにスイッチがあるだけのシンプルな構造。Aurvana Trio Wireless(右)はUSB マイクロBで充電する仕組みで、フル充電で約20時間の試聴が可能

 まずBT-W3をMacBook PROのUSB Type-C端子に取り付けて、Aurvana Trio Wirelessとペアリングする。BT-W3の本体ボタンを数秒長押しするとLEDが点滅してペアリング待機状態になるので、次にAurvana Trio Wireless右側に3つ並んだ中央のボタン(○マーク)を同じく長押しすると、すぐにペアリングが完了した。

 この状態で、iTunesでCDリッピング音源を聴いてみる。ちなみにBT-W3はペアリングしたデバイスとどのコーデックでつないでいるかを、本体LEDの色で確認できる(aptX LL=白、aptX HD=黄、aptX=緑、SBC=青)。

 BT-W3の説明書によると、再生中にBT-W3本体のスイッチを押すことでコーデックの切り替えができるとのことなので、さっそく試してみると、4種類すべてを選ぶことができた。

 参考までに再生アプリをAudirvana 3.5に変えてみたが、この場合でも4つのコーデック全部を選べる。使えるコーデックは再生する機械のスペック次第なのだろう。ということで、ここからはAudirvana 3.5でハイレゾ音源も含めて色々な曲を聴いてみた。

画像: MacBook PROのUSB Type-CにBT-W3をつなぐだけで、本体に収納した様々な音楽を楽しめる

MacBook PROのUSB Type-CにBT-W3をつなぐだけで、本体に収納した様々な音楽を楽しめる

 コーデックによる音の違いも確かにあって、SBCは音場が全体的に甘めでもっさりした音に聴こえる。情報が整理され、女性ヴォーカルの高域の伸びや、ドラム、ベース等の低音も余韻が感じられない。ドンシャリとまではいわないが、物足りない印象は禁じ得ない。

 コーデックをaptXに切り替えると女声の伸びが改善され、同時にウェットなニュアンスも出てきた。トランペットなどの管楽器も気持ちよく響いてくるし、せっかくならこれくらいのクォリティで楽しみたい。

 aptX LLも同様で、楽器の音色も細かく再現されるし、迫力ある演奏が楽しめる。SBCで気になった高域の伸びや低音の余韻もきちんと再現されているし、情報が整理される印象もない。ただ、曲の選択時(チャプター送り)などで時折ノイズが発生することがあった。

 aptX LLからaptX HDに切り替えると、男性ヴォーカルの声に深みが加わる。声の生っぽさ、演奏の迫力が向上して、現場の空気感が再現できるようになっている(特にハイレゾ音源)。再生自体も安定しているので、音楽を楽しむのであれば、やはりaptX HDがお薦めだ。

画像: Amazon Fire HD 8PROのUSB Type-CにBT-W3を挿してみた。こうすることでAmazon MusicやPrime Videoもいい音で再生可能

Amazon Fire HD 8PROのUSB Type-CにBT-W3を挿してみた。こうすることでAmazon MusicやPrime Videoもいい音で再生可能

 じゃあ他のデバイスではどうか? ということで手元にあるUSB Type-Cコネクター付きのタブレットから、アマゾン「Fire HD 8PRO」をチョイス。これなら音楽と映像のストリーミングサービスも簡単に再生できるのでワイヤレス機器との組み合わせにはぴったりのはず。

 ちなみに以前の取材で、Fire HD 8PROはBluetoothコーデックとしてSBCとAACのふたつに対応していることは確認済み。ここにBT-W3を追加したらどうなるかもテーマになる。

 再生デバイスを交換する際にも面倒な設定は必要なく、BT-W3をMacBook PROから外してFire HD 8PROに挿すだけで音楽を楽しめる。BT-W3を再生デバイスから取り外してもAurvana Trio Wirelessのペアリングは維持されているから問題なし、ということだろう。

 Amazon Musicアプリのおすすめプレイリストから「70年代ロック」を選ぶと、ハイレゾ再生時よりは若干薄味だが(Fire HD 8PROはCDクォリティの音源まで再生可能)、声の再現などに不満はない。コーデックはこちらも4つすべてが選択でき、それぞれの印象もMacBook PROと組み合わせた時と同様だ。

画像: 左からaptX-LL、aptX HD、aptX、SBCを選んだ状態。BT-W3の本体スイッチを1回押すことでサイクリックに切り替え可能

左からaptX-LL、aptX HD、aptX、SBCを選んだ状態。BT-W3の本体スイッチを1回押すことでサイクリックに切り替え可能

 せっかくなのでAmazon Prime Videoで映画も再生してみた。ビートルズ音楽をモチーフにした『イエスタディ』では、aptX LLやaotX HDならライブシーンでもリップシンクのずれは気にならない。屋外フェスでの広がりや街中の車の背景音がわずかに誇張気味な気もするが、移動中の映画鑑賞といった使い方ならまったく問題ないだろう。

 BT-W3はUSB Type-C端子さえあればPCでもタブレットが手軽にプレーヤーとして使えるようになるし、Aurvana Trio Wirelessとの組み合わせならコーデックも高音質や低遅延といった特性を活かして選択できる。特にゲームユーザーならaptX LLを使うことで快適なプレイができるはずで、ワイヤレス環境を幅広く楽しみたいというユーザーには間違いなくお薦めだ。(取材・文:泉 哲也)

「Aurvana Trio Wireless」の主なスペック

●ドライバー:10mmダイナミックドライバー+デュアルバランスドアーマチュアドライバー
●周波数帯域:5Hz〜20kHz
●マイク:無指向性MEMs
●インターフェイス:microUSB(充電用)
●連続再生時間:最大約20時間(充電時間約2時間)
●Bluetoothコーデック:aptX HD、aptX Low Latency、aptX、AAC、SBC

「BT-W3」の主なスペック

●ワイヤレス技術:ブルートゥース5.0
●Bluetoothコーデック:aptX HD、aptX Low Latency、aptX、SBC
●通信距離:最大約30m(障害物のない空間)

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