1年前の楽観論を大きく裏切り、コロナ禍の巣ごもり生活が長く続いています。編集部としてもさすがに緊急事態宣言下ではリモートワークが推奨されるわけで、今年に入ってからは自宅で原稿を書くことが増えています(作業内容としてはまったく問題ないので、リモートワーク大歓迎です)。

 さらにリモートワークなら無駄な通勤時間がなくなるわけで、一日1.5時間ほどを有効活用できます(もともと通勤時間が少ない場所を選んで住んでいたけど、それくらい無駄な移動時間があったわけです)。

 こうして生まれたゆとり時間を活用すべく、以前から懸案だったコレクション整理に取りかかりました。特に昔録画して、とりあえず保存しているテープはVHS、ベータ、8mm、ミニDVからW-VHS、D-VHSまで数百本。ラベルも記入していないものもあり、中身の確認が必要です。

画像: 奇跡的に修理できたビクター「HR-W5」。早期に録画テープのアーカイブを進めなくては

奇跡的に修理できたビクター「HR-W5」。早期に録画テープのアーカイブを進めなくては

 ということで再生用に保存していたビデオデッキを引っ張り出してみたのですが、残念ながらどれも電源が入らない! 唯一電源が入ったEDベータ「EDV9000」も、テープを入れたらイジェクトできなくなりました。う〜ん、10年近く放置していたのがいけなかったかなぁ。

 そんな中、ビクターのW-VHS「HR-W5」をメインテナンスに出してみたところ、なんとか電源が入るようになりました。さすがビクター、やるじゃん。ただし、ヘッドのパーツがないので、再生できなくなったら修理は不可能とのこと。

 ということで、エアチェックしたW-VHSやVHSテープを引っ張りだして中身を確認することに。まずはSD記録したW-VHSを見てみると、1997年の『ツール・ド・フランス』が録画されていました。マルコ・パンターニやヤン・ウルリッヒが活躍していた頃で、ダイジェストが毎日放送されていたのです。これも貴重かなと、BD/HDDレコーダーに保存します。

画像: HR-W5の色差コンポーネント出力をAVアンプ、CX-A5200につないでHDMI信号に変換することで、プラズマテレビやプロジェクターで再生できるようになります

HR-W5の色差コンポーネント出力をAVアンプ、CX-A5200につないでHDMI信号に変換することで、プラズマテレビやプロジェクターで再生できるようになります

 既にDVDで発売されている『刑事犬カール』や映画作品は消去することにして、最終的にテープ5本分のアーカイブが終了。続いてVHSを試しますが、こちらは残念ながら再生できず。ヘッドの問題か、内部回路かわからないけれど、ノイズしか出力されません。まぁこれは仕方ないでしょう。

 ということで、次にHD録画したW-VHSの再生を試してみました。最近の方は知らないかもしれませんが、W-VHSとはハイビジョン放送を録画できるテープメディアです。当時のハイビジョンはBS9チャンネル(MUSE方式)で放送されていたので、それをMUSEデコーダーでアナログ色差コンポーネント信号(Y/Pb/Pr)に解凍し、テープに保存するという仕組でした。

 再生時はデッキから色差コンポーネント信号で出力されるので、そのままテレビやプロジェクターにつなげばOK。最近のテレビやプロジェクターには色差コンポーネント入力はついていないけれど、AVアンプでHDMIに変換すれば再生できるはず。

 わが家のヤマハ「CX-A5200」にも色差コンポーネント入力がついているので、ここにHR-W5の出力をつなぎ、CX-A5200のHDMI出力をパイオニア「PDP-5000EX」につないでみます。と、ハイビジョン録画した番組がすんなり再生できました。

画像: PDP-5000EXでHR-W5の映像を確認。若干カメラノイズは目立つけど、貴重なコンテンツが楽しめることにまずは満足です。あとはこれを保存できれば……

PDP-5000EXでHR-W5の映像を確認。若干カメラノイズは目立つけど、貴重なコンテンツが楽しめることにまずは満足です。あとはこれを保存できれば……

 こちらも1997年放送の『玉置浩二 with 竹中直人 in 武道館』ライブや『大自然スペシャル』など、案外貴重な番組が録画してありました。さすがに24年も前のものなので、今の地デジよりも甘い印象でカメラノイズも多いけど、懐かしく見直しています。

 しかしこれらもHR-W5が再生できなくなったら見られないわけで、ダウンコンバートしてもいいから何とか保存できないかと思い始めた次第。色差コンポーネントをコンポジットやS端子に変換するか、HDMI出力を録画できるアイテムがあればいいんだけどなぁ。

 ということで、コレクションを整理するはずが、新たな悩みを抱えてしまったゴールデンウィークなのでした。 (取材・文:泉 哲也)

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