ヘヴィメタルファンを代表してこう言わせてもらいたい。「ヘヴィメタルこそ"イイ音"で聴くべき!」と。

 "イイ音"にはふたつの意味がある。ひとつは昨今話題のハイレゾ音源だ。CDクォリティの44.1kHz/16bitより情報量が多く、高品質な音源のことで、音楽スタジオでエンジニアが聴いているのと同等の品質という意味で「マスタークォリティ」と呼ばれることもある。

 e-onkyo musicなどの専門サイトで配信されているハイレゾ音源をみると、クラシックやJAZZやロック、アニソンなどが中心。ヘヴィメタルはいわゆる大御所バンドこそラインナップされているものの、はっきりいって少ない。

 もうひとつの"イイ音"がハイレゾ対応をうたう、高品質なポータブルオーディオ機器だ。これには、ハイレゾ音源を再生できるポータブルタイプのハイレゾ対応デジタルオーディオプレーヤーやヘッドホン、イヤホンなどがある。これらの最大の特徴がハイレゾ音源に含まれているが、CDには含まれていない、40kHz超の可聴帯域外の高音を出力できること。当然、人の耳に届く可聴帯域の表現力も練られている。ハイレゾ音源のメリットである情報量の多さは、広域のみならず可聴帯域にも及んでいるためで、これらの再現性を高めるべく、各社が開発を競っている。

 これら"イイ音"への欲求が、私も含めてヘヴィメタル好きには低いように思えてならない。前述の通り、ハイレゾ音源が少ないため関心が薄く、その結果聴くための機器にも気を使わず「スマホの付属品でいいや」と考えるような、循環があるように思えるのだ。

 ヘヴィメタルをサウンド的に見ると、重低音の圧力感が重視される傾向にある。バンドとしてのまとまり感を楽しむ意味で、それは正解のひとつだろう。だが、ヘヴィメタルの演奏は基本難しい。聴けば聴くほど、BPM200を超えるような高速ドラミングテクニックや超絶技巧によるギターソロといった演奏の細かい部分に意識が行くのも事実。ハイレゾ音源なら細かい音までしっかり含まれているし、対応機器で再生すれば、ハイレゾはもちろんCD品質のサウンドだって、今まで以上に気持ちよく楽しめるはず。

 それを実証すべく、人気のガールズメタルバンド、Aldious(アルディアス)のドラマー、Marina(マリナ)さんに、オンキヨーとパイオニアから発売されたばかりのハイレゾ対応デジタルオーディオプレーヤーとイヤホンで試聴をしてもらい、ヘヴィメタルをイイ音で聴く楽しさを探ってもらった。彼女は、オンキヨーのカスタムIEM(イン・イヤー・モニター)をライヴとオーディオリスニングで愛用中とのことで、オーディオ機器に対する造詣も深い。そんなMarinaさんから、いったいどんなインプレッションが飛び出すのだろうか。

 

Profile-

Marina(マリナ)

画像1: ヘヴィメタルこそイイ音で聴け!ガールズメタルバンド Aldious の Marina が最新DAP&イヤホンを聴いた

2008年に結成されたガールズヘヴィメタルバンドAldious(アルディアス)のドラマー。イメージカラーはブラックとゴールド。バンドのAldiousは、age嬢を思わせる派手な衣装ながらも、男勝りの激しいパフォーマンスと、クォリティの高い演奏と楽曲が人気を集め、昨今のガールズメタルバンドブームの火付け役となる。活躍の場を広げており、昨年は「SUMMER SONIC 2016」「LOUD PARK 16」といった音楽フェスにも参加した。

▼Aldious
公式サイト https://aldious.net
公式Facebook https://www.facebook.com/Aldious.officialpage

ニューアルバム『Unlimited Diffusion』2017年5月10日発売
【CD】(ALDI-012)
【CD+DVD】(ALDI-013) 限定盤

画像2: ヘヴィメタルこそイイ音で聴け!ガールズメタルバンド Aldious の Marina が最新DAP&イヤホンを聴いた

Aldious TOUR 2017 が4月21日静岡公演よりスタート
6月17日 東京ディファ有明
6月23日 大阪 梅田クラブクアトロ
7月15日 愛知 名古屋クラブクアトロ
その他ツアースケジュール イベント情報などはhttps://aldious.net/

 

▼Marinaさんが試聴した機器

【ハイレゾ対応スマートフォン】
●GRANBEAT「DP-CMX1」
ブランド:オンキヨー
価格:オープン(市場価格¥91,540前後)
発売中

画像3: ヘヴィメタルこそイイ音で聴け!ガールズメタルバンド Aldious の Marina が最新DAP&イヤホンを聴いた

【ハイレゾ対応DAP】
●private(プライベート)「XDP-30R」(写真右)
ブランド:パイオニア
価格:オープン(想定市場価格¥40,000前後)

●rubato(ルバート)「DP-S1」(写真左)
ブランド:オンキヨー
価格:オープン(想定市場価格¥45,000前後)

画像4: ヘヴィメタルこそイイ音で聴け!ガールズメタルバンド Aldious の Marina が最新DAP&イヤホンを聴いた

【ハイレゾ対応イヤホン】
●「SE-CH5BL」(バランス接続)
ブランド:パイオニア
価格:オープン(想定市場価格¥8,500前後)

画像5: ヘヴィメタルこそイイ音で聴け!ガールズメタルバンド Aldious の Marina が最新DAP&イヤホンを聴いた

●「SE-CH5T」(アンバランス接続)
ブランド:パイオニア
価格:オープン(想定市場価格¥5,000前後)
(レッド/ネイビーブルー/シルバー/ブラック)

画像6: ヘヴィメタルこそイイ音で聴け!ガールズメタルバンド Aldious の Marina が最新DAP&イヤホンを聴いた

 

ハイレゾ対応スマートフォン「GRANBEAT」で、オジー・オズボーン『Ozzmosis』で聴く

画像1: ハイレゾ対応スマートフォン「GRANBEAT」で、オジー・オズボーン『Ozzmosis』で聴く

――まずは、オンキヨーから3月に発売されたばかりのSIMフリースマホ「GRANBEAT」(DP-CMX1)で聴いていただきます。本機は、高音質&ハイレゾ再生に特化したスマホで、オンキヨーが2015年に発売したハイレゾ対応DAP「DP-X1/X1a」をベースに通話機能を内蔵したというモデルです。まずは、耳慣らしに普段使われているオンキヨーのカスタムイン・イヤー・モニター(IEM)でお聴きください。オンキヨーのカスタムIEMは3モデルあり、搭載するバランスドアーマチュアドライバーの個数が異なります。お使いのモデルはどれでしょうか?

Marina 私が使っているのはドライバーを2基搭載した「IE-C2」で、3タイプのデモ機を聴き比べて決めました。ライヴでの使用はもちろんですが、遮音性が高いので実は飛行機での移動時などでも活用しています。ちなみに本体シェルのカラーは左右でブラックとゴールド(に似たブロンズ)。Aldiousでの私のイメージカラーです。

――今回の試聴にあたってe-onkyo musicで配信されているヘヴィメタルのハイレゾ音源を複数用意しました。最初に聴いていただいたのは?

Marina オジー・オズボーン『Ozzmosis』です。ビックリするほどクリアーなサウンドですね。メタルらしいヘヴィさがありながら、それぞれの楽器をしっかりと聴き分けられる。仕事柄、細かい音まで目を光らせたいタイプなので、このプレーヤーの音がしっくり来ます。

画像2: ハイレゾ対応スマートフォン「GRANBEAT」で、オジー・オズボーン『Ozzmosis』で聴く

――お仕事でもプライベートでも様々な音楽を聴いていると思いますが、普段はどのようなオーディオ機器で音楽を聴いていますか?

Marina ポータブルプレーヤーで聴くのがメインで、アップルの「iPod」やパイオニアのハイレゾ対応DAP「XDP-100R」を使っています。音楽ファイルを個別に管理できるし、大量に保存できるので、スマートフォンとは分けて2台持ちにしています。

――「GRANBEAT」はハイレゾ対応のデジタルオーディオプレーヤーですが、スマートフォンでもある優れものです。microSDカードスロットもあり、内蔵メモリー128GBと合わせて最大で384GBもの容量に楽曲を保存できます。

Marina 見た目は私も使っているXDP-100くらいの大きさなのにスマートフォンなんですね。でもサウンドは、スマートフォンじゃなくて、XDP-100みたい。これだけの音が聴ける製品はないと思います。これ1台あれば電話もメールもできて、本格的な音まで楽しめるのは凄い。いいとこ取りですね。メタルファンなら、ぜひこのような本格的なプレーヤーで聴いてもらいたいですね。楽曲の魅力を再確認できると思います。

――「GRANBEAT」は一般的なイヤホンと同じアンバランス接続の3.5mmステレオミニ端子と、バランス接続の2.5mm4極端子の2種類があります。難しいことは省きますが、バランス接続の方が音の分離がよいといわれていますが、その違いを試してもらいたく、パイオニアブランドから発売されたばかりのハイレゾ対応イヤホンをご用意しました。一つは3.5mmステレオミニ端子でアンバランス接続の「SE-CH5T」、もう一つは2.5mm4極端子でバランス接続の「SE-CH5BL」です。

Marina どちらも明瞭なサウンドで私好みのイイ音ですね! バランス接続の「SE-CH5BL」は、確かに演奏の細かいニュアンスまで聴き分けられます。でも、どちらかと言えばアンバランス接続の「SE-CH5T」の方が、低音が出ていてメタル向きかも。

――今回試してもらったバランス接続って、今日初めて知ったのではないでしょうか? というのも一部のマニアが楽しむ聴き方で、対応機器も高価です。それを、より多くの人に楽しんでもらおうと登場したのが「SE-CH5BL」で、お値段はなんと実売8,500円。アンバランスの「SE-CH5T」はさらに安く実売5,000円です。

Marina ホントですか! ぜんせん安いです。買います(笑)。女子にとって1万円は壁で、それ以上だとそこまでこだわるかどうしようか迷います。逆に、1万円より安ければ試してもいいかもって思えるんです。この値段なら買いですね。さすがに女子でバランス接続対応プレーヤーを持っている人は少ないでしょうが(苦笑)。

画像: ライブでも使用しているカスタムIEMと共にポーズ

ライブでも使用しているカスタムIEMと共にポーズ

画像: オンキヨー&パイオニアイノベーションズ(株)マーケティング部 本谷さんの説明を熱心に聞くMarinaさん。ちなみに本谷さんもメタルマニアとのこと

オンキヨー&パイオニアイノベーションズ(株)マーケティング部 本谷さんの説明を熱心に聞くMarinaさん。ちなみに本谷さんもメタルマニアとのこと

 

パイオニア「private」で、ハイレゾ音源 ヴァン・ヘイレン ライブアルバム/Tokyo Dome IN Concertを聴いた

画像: パイオニア「private」で、ハイレゾ音源 ヴァン・ヘイレン ライブアルバム/Tokyo Dome IN Concertを聴いた

――Marinaさん、鋭いですね。実は、イヤホンに合わせて、手軽に使えるバランス接続に対応したプレーヤーも発売されました。それが、このパイオニア「private」(プライベート/SEP-30R)です。実売価格は¥40,000。ちょっとお高く感じられるかもしれませんが、このスペックのハイレゾ対応DAPとしては、破格です。

Marina スペックとかはよく分からないですが(笑)、女性でも片手で扱えるサイズ感がいいです。今使っているパイオニアの「XDP-100R」はどうしても両手でないと扱えません。これなら、ジャケットのポケットに忍ばせたり、小さなカバンに入れておいたりするのにちょうどいいですね。画面も見やすいしアイコンが分かりやすくて直感的に操作できます。動きもサクサク(笑)。

――では、イヤホンは安い方からアンバランス接続の「SE-CH5T」、バランス接続の「SE-CH5BL」順に聴いていただきます。......今回はどのタイトルを選ばれましたか?

Marina 音の広がりや空間感を確かめてみたくてヴァン・ヘイレンのライヴアルバム『Tokyo Dome IN Concert』にしました。どちらも一音一音がクリアーに聴こえる、私好みのサウンドでしたが、断然ライヴ感を味わえたのはバランス接続のこちら(SE-CH5BL)。音が広がるイメージで臨場感がありました。今度は違いが大きかったですね。普段、イヤホンを聴き比べることはないのですが、こうやって比較試聴すると、こんなにもイヤホンごとに違いがあるんだなと、よく分かります。とはいえ、お手軽価格なのにそれを感じさせないほど高音質で、どちらのモデルも十分メタルを楽しめると思います。もし、友達が安いイヤホンやスマートフォン付属のイヤホンを使っていたら、すぐに買い換えをすすめちゃいます。高音質なイヤホンだと、低音などにもこういうフレーズが入っていたんだな、と気づくことが結構あるんです。それを楽しめないのは損ですから(笑)。

――続いてよく音を知っているカスタムIEM「IE-C2」でも聴いていただきました。

Marina すみません、やはり価格帯の異なる製品を比較するのは何なのですが、カスタムIEMの方が音の分離が更によくて、細かい表現も分かります(苦笑)。というか、先ほど聴いた「GRANBEAT」に似た印象です。

―― やはりMarinaさんは鋭い! このプレーヤーは、「GRANBEAT」に引けをとらない性能で、プロクオリティのカスタムIEMの実力をも、引き出すだけの再生能力が備わっていると言えます。実は、「private」には同時発売の姉妹モデルで、性能はそのままに、部品の品質にこだわったというオンキヨー「rubato」(ルバート/DP-S1)もあります。価格はこちらが若干高く、実売¥45,000です。最後にこのモデルでAldiousのアルバムRadiant Aを聴いてもらいます。こちらはCDからAIFFフォーマットでリッピングした音源です。

画像: ドラマーという立場ながら、バンド全体のサウンドまで言及してくれたMarinaさん。5月発売のNEWアルバムのサウンドも楽しみだ

ドラマーという立場ながら、バンド全体のサウンドまで言及してくれたMarinaさん。5月発売のNEWアルバムのサウンドも楽しみだ

 

高音質なオーディオ機器は、Aldiousの曲をさらにカッコよく聴かせてくれます

Marina すごいです! ちゃんと自分のバスドラの音が聴こえます。こんなに綺麗に聴こえてくれると嬉しいですね。 この作品は演奏が難しくて、ドラマーとしても思い出深いです。私は、タムやシンバルの数が多いドラムセットを使っているので、種類ごとの音の違いや、音の高低差なんかも聴いてもらえたら嬉しいですね。

改めてこういった高音質なオーディオで聴くと、サクッとこういう部分の音の違いにも気づけると思います。高音質のイヤホンやオーディオプレーヤーには、より私たちの音楽をカッコよく伝えてもらっていると思います。今Aldiousの曲を聴きながらカッコいいなって自分で思いましたから(笑)

――最後にメタルファンへ一言お願いします。

Marina 実はアルバムを作るとき、私たちは完成したものを100圴の安いイヤホンから、数万円もするような高いイヤホンまで使って聴き比べをしています。というのも、リスナーの方がどのようなイヤホンをお持ちになっているのか、どのようなオーディオ環境にあるか分からないため、色々な状況を試し、私たちの音楽がどのようにリスナーに伝わるかを知るためです。

 安いイヤホンでは細かい表現が伝わり難く限界があるため、私たちが表現した音をこのようにしっかりと伝えてくれる、高音質なイヤホンやオーディオプレーヤーはありがたいです。今回試聴させてもらった機器みたいに数千円で買える高音質のイヤホンもあります。ぜひメタルファンの皆さんには、ちょっとでもイイ音に関心を持ってもらい、いい環境で聴いてもらえると嬉しいです。今日はありがとうございました。

 

▼試聴音源
OZZY OSBOURNE
Ozzmosis(Bonus Track Version)
ハイレゾ:flac 96kHz/24bit

画像7: ヘヴィメタルこそイイ音で聴け!ガールズメタルバンド Aldious の Marina が最新DAP&イヤホンを聴いた

VAN HALEN
Tokyo Dome In Concert
ハイレゾ:flac 96kHz/24bi

画像8: ヘヴィメタルこそイイ音で聴け!ガールズメタルバンド Aldious の Marina が最新DAP&イヤホンを聴いた

Aldious
Radiant A
CD(JPU Records ALDI-004)

画像9: ヘヴィメタルこそイイ音で聴け!ガールズメタルバンド Aldious の Marina が最新DAP&イヤホンを聴いた

 

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