BATMAN v SUPERMAN: DAWN OF JUSTICE
with DOLBY ATMOS/NEW REMASTER
Zack Snyder has regraded the color, restoring the movie to have a variable aspect ratio
presentation that switches between 2.35:1 and 1.43:1 for the IMAX sequences.
Release Dates (Theater):March 23, 2016 (Domestic)
Domestic Total Gross:$330,360,194
(International: $543,277,334)
FILM
いよいよ6月に、UHD BLU-RAY/BLU-RAYリリース、およびデジタル配信が決まった『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』。『ジャスティス・リーグ』は2017年公開作品だが、ご存知のように娘の死を受けてザック・スナイダーが製作を離脱、ワーナーが指名したジョス・ウェドンが後を継いで(再撮影を含めて)完成させたもの。劇場公開版はスナイダーが意図したものとかけ離れた仕上がりであったが、やがて『ザック・スナイダーカット』の存在と詳細が明らかになると、多くのファンや関係者がお披露目を望むようになった。当初ワーナーは公開を否定したが、2020年に公開を決定する。こうして『ザック・スナイダーカット』は、カットや変更されたシーン、加えて再撮影を敢行、120分の尺を242分(!)に再編集して贈るディレクターズ・カットとして登場と相成ったのである。来たる6月リリースを楽しみにしていただきたいものだが、『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』鑑賞の前に、どうしても観ておきたい作品が『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生:リマスター・アルティメット・エディション』(UHD BLU-RAYのみ)である。
『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』は、2013年にザック・スナイダーが監督して高い評価を受けた『マン・オブ・スティール』の続編であり、DCエクステンデッド・ユニバース(DCコミックスのスーパーヒーローたちが共演するシェアード・ユニバース)の2作目となる。北米公開は2016年3月。7月にはUHD BLU-RAYとBLU-RAYがリリースされており、いずれも劇場公開版に加えて、30分に及ぶ未公開シーンを追加編集したアルティメット・エディションを収録していた。だが『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』の製作と並行して、ワーナーがGOサインを出した本作のリマスター作業に取り掛かることになる。リマスターはアルティメット・エディションを土台にしているが、①全編を通じてのリグレーディング、②IMAXショット採用によるリフレーミングが作業内容となり、さらなる追加ショット等の編集は行われていない。
スナイダーは「『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』のパッケージや配信では、あらゆる場面で自分が考えていた映像が再現されていなかった。それは光や影、それらが生み出す色彩だ。そこですべてをリグレードすることにしたんだ。それは『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』のルック・アンド・フィールと整合性を持たす目的もあった。2作品を続けて鑑賞しても違和感を払拭している」と語っており、「さらにIMAXエレメントも作品内に組み込むことにした。これは製作のクリス(クリストファー・ノーラン)の希望でもあったんだが、彼の作品、たとえば『ダンケルク』ような構成にはしたくなかった。つまり、IMAXエレメントをフルフレーム(1.78:1)で再現するのではなく、(『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』と同じように)オリジナルのアスペクト(1.43:1 )で再現することにしたんだ」という。
VIDEO
撮影は『300<スリーハンドレッド>』『ウォッチメン』ほかスナイダー作品や『キングコング:髑髏島の巨神』で知られるラリー・フォン。多彩なフィルム&デジタル・カメラで撮影された作品だが、スーパー35方式/35mmハードマット、35mmパナビジョン・アナモフィック撮影が主軸。IMAXシークエンスはIMAX MSM 9802/65mm撮影(一部使用はパナビジョン・スーパー70方式/パナビジョン・パナフレックス65mmHR)。使用されるIMAXショットはCG/VFXショットに限らず全体の1/6、およそ27分間となる。伝えられるところによると、リマスター作業においてオリジナル4KデジタルインターミディエイトとIMAXエレメントへのアクセスが許可されたとのことで、IMAXエレメントは新たに4K解像度でのスキャニングが行われている。LAのカンパニー3で行われたHDRリグレードは、HDR10のみでオプションはつかない。LUT(ルックアップテーブル)は撮影用のネガ=コダック・ヴィジョン3/500T 5219ではなく、70mm上映用プリントに使用されたコダック・ヴィジョン 2383が採用されている。映像平均転送レートは52.4Mbps(3層100GB)。収録アスペクトは前述した通り2.39:1スコープアスペクト、1.43:1IMAXアスペクトのコンパチブル。
HDRリグレードはHDR10の制御力が高められ、2016年版に比べて満足度の高い改善となっており、作品に新たな生命を与えている。2016年はG指定であったが、アルティメット・エディションはR指定相当であり、より暗鬱なムードを強調した感がある。総じて映像トーンは深い豊かさを有しており、輪郭周辺の途方もないハイライトも鮮烈。随所に登場するピーク輝度は、瞳を射抜くほどパワフル(フラッシュの登場場面は好例)。オレンジとティールのパレットは、いくぶん粗目の粒子感を維持しながら、光彩色彩の幅と濃淡を拡張している。「意図した赤と違う(スナイダー)」という誇張されていた赤の改善も明快。黒レベルはより深く、陰影描画にも凄味がある。
2つのアスペクトの切り替わりを好む好まないは別として、IMAXショットの超絶高精細画像は圧倒的なインパクトを披露する。64分50秒からのナイトメア・シーケンス(SCREEN CAPTURE - 3&4)がもっともわかりやすく、もっとも印象的で明快な違いを示している。アスペクトの切り替わりに関してだが、個人的には不思議なことに大きな違和感を感じなかった。解像感の差異が視認できる弊害はあるにはあるが、大胆な試みは成功したのではなかろうか。
AUDIO
サウンドデザインは音響効果マン出身で、『X-ファイル 真実を求めて』『マッドマックス 怒りのデス・ロード』『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』のチャック・マイケル。音声平均転送レートは5.4Mbps(24bit)。2016年アルティメット・エディションと同数値となり、5年前に家庭劇場を震撼させたドルビーアトモス・サウンドトラックマスターのリユースとなる。新たなサウンド編集等は行われてはいないが、視覚スペクタクルの拡張によりサウンドデザインの印象が変わると感じる方も居るかもしれない。いずれにせよ、超弩級の聴覚スペクタクルを満喫ことができよう(計測すると10Hz以下の最低音域までを有しているので、再生にはご注意を)。
FINAL THOUGHTS
『ダークナイト』や『ダンケルク』といった作品と異なり、本作では全編をHDRグレードしたことが大きなセールスポイントとなっている。これによってIMAXショットの超高精細感はもちろんのこと、新たな感覚で182分を楽しむことができるからだ。ザック・スナイダーは『DCエクステンデッド・ユニバース』シリーズの第1作『マン・オブ・スティール』のHDRリグレードに意欲を示しているが、現時点でワーナーからの正式アナウンスはナシ。コチラはIMAX撮影はされていないが、製作にクリストファー・ノーランの名前もあり、近い将来に実現しそうな気がする。最後に、一部WEBサイトで日本語字幕&吹替音声収録のクレジットがあるが、北米版には未収録となっているのでご注意を(今後リリースされる欧州版は未確認)。
SPECIAL FEATURES
- Introduction by Director Zack Snyder(0:31)
- This short video introduction gives Snyder the chance to briefly introduce this new version, which turns out to be nothing more than a simple reminder about its restored color and IMAX framing -- no side by side comparisons, either. Hey, it's better than nothing.
- Audio Commentary
- Snyder also contributes a full-length audio commentary here, which appears to be newly recorded as he mentions its 1.43:1 IMAX aspect ratio during the opening sequence. Although more than a few lengthy gaps are present along the way, Snyder covers a decent of ground from start to finish; talking points include his homages to previous Batman works includingThe Dark Knight Returns, shooting the film in 2014-15, the origins of Kryptonite, building the Batcave in Detroit, staging fight scenes, the "Knightmare" seuence, turning a library into Lex Luthor's house, Wonder Woman's contribution, blending practical sets and effects with CGI, reusing a motif fromWatchmen , the storyboarding process, Batman and Superman's monumental showdown, building Batman's mech suit, cinematography, beginning and ending with a funeral, and much more.
SCREEN CAPTURES
DISC SPECS
Title | BATMAN v SUPERMAN: DAWN OF JUSTICE |
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Released | Mar 23, 2021 (from Warner Bros.) |
SRP | $19.99 |
Run Time | 3:02:33.651 (h:m:s.ms) |
Codec | HEVC / H.265 (Resolution: 4K / HDR10) |
Aspect Ratio | 2.39:1 / 1.43:1 |
Audio Formats | English Dolby Atmos (48kHz / 24bit / Dolby TrueHD 7.1 compatible) Spanish Dolby Digital 5.1, French Dolby Digital 5.1, Italian Dolby Digital 5.1, English Dolby Digital 5.1 |
Subtitles | English SDH, French, Spanish, Italian, Portuguese, Arabic, Czech, Danish, Finnish, Korean, Mandarin (Simplified), Mandarin (Traditional), Norwegian, Polish, Swedish |
4K画質評価(IMAX 65mm elements)
解像感 | ★★★★★★★★★★ 10 |
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S/N感 | ★★★★★★★★★★ 10 |
HDR効果 | ★★★★★★★★★★ 10 |
色調 | ★★★★★★★★★★ 10 |
階調 | ★★★★★★★★★★ 10 |
音質評価(2016 U.E./2021 R.U.E. each)
解像感 | ★★★★★★★★★★ 10 |
---|---|
S/N感 | ★★★★★★★★★ 9 |
サラウンド効果 | ★★★★★★★★★★ 10 |
低音の迫力 | ★★★★★★★★★★ 10 |
SCORE
Film | ★★★★★★★★★ 9 |
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Image | ★★★★★★★★★★ 10 |
Sound | ★★★★★★★★★★ 10 |
Overall | ★★★★★★★★★★ 10 |