ZYXから、モノーラルMCカートリッジのトップエンドシリーズ「Ultimate-OMEGA-MONO」、および「Ultimate-4D-MONO」が発表された。4月5日より受注を開始する。価格はUltimate-OMEGA-MONOが¥308,000(税込)、Ultimate-4D-MONOは¥264,000(税込)となる。両モデルとも特注で、0.7ミルスタイラス+カーボンカンチレバーモデルの注文も可能という。特注価格はUltimate-OMEGA-MONOが本体価格+¥55,000、Ultimate-4D-MONOは同+¥33,000となる。
今回発表の2モデルは先述の通りモノーラル仕様であり、近年人気の高まっているアナログ盤、そのモノーラル盤の再生用に、究極を目指して開発を行なった製品という位置づけだ。
製品化にあたっては、ステレオカートリッジで世界的な人気を博した「Ultimate-OMEGA/4D」グレードの技術・材料(マテリアル)――「音場の立体感(3D)に時間軸の整合をプラスした」“4D”、そこにさらに「共振対策と重心バランスの対策を施した」“OMEGA”――が投入されているという。
また、ZYXのモノーラル・フォノカートリッジには、独自の「エア・レスポンス・ダンパー・メカニズム」と名付けられたメカが搭載されており、これはモノーラル盤特有の水平方向のみの動きから信号を発電するよう設計されており、音溝に対する反応性が高く、ノイズ感も少ないことから、透明感ある音を得ることができるとしている。
スタイラス(針)については、モノーラルレコード専用の1ミルスタイラスを採用。これは、モノーラルレコードを再生するために規定されたもので、直径1ミル(=1/1000インチ=0.0254mm)円錐形針となっており、ZYXでは(モノーラル用に)天然角柱ダイヤモンドを使用している。さらに、天然ダイヤモンドの持つ結晶軸の硬い面がレコードと接するように加工を施すことで、スムーズなトレースと極めて低い摩耗度を実現しているということだ。
ちなみに、復刻版のモノーラル盤については、現代のカッティングマシンを使っていることから、1ミルよりも細いスタイラスのほうが相性のよい場合があるため、特注で0.7ミル・コニカルスタイラス仕様の受注にも対応するという。特注のプラス価格は上に記した通りだ。
Ultimate-OMEGA-MONO/Ultimate-4D-MONOの主な仕様
発電方式:ムービングコイル型
出力電圧:1.0mV
再生周波数帯域:10Hz~25kHz
適正針圧:2.5g
内部インピーダンス:10Ω
発電コイル:C/6N・無酸素銅
マグネット:サマリュウムコバルト
ダンパー:ピュアラバー
スタイラス:1ミルコニカル(特注仕様0.7ミルコニカル)
カンチレバー:アルミニウムマグネシウム合金(特注仕様C1000収束カーボンファイバー)
筐体:ポリカーボネイト
質量:7.9g(OMEGA)、5.4g(4D)