おととし、オーディオ協会より発効されワイヤレス製品に対するハイレゾ認証「ハイレゾオーディオワイヤレス」が、先月11月より完全ワイヤレスイヤホンへも適用されることとなり、さっそくラディウスのワイヤレスイヤホン「HP-R100BT」が、その認証を取得した。
認証要件としては、規定のコーデック(LDAC、LHDC)をサポートしていること、40kHz以上の周波数の再生が可能なスペックを有すること、が定められており、ラディウスのR100BTにおいては、その両方を満たす(LDAC&40kHzまで再生可能)スペックを有していることから、今回の取得に至ったというわけだ。
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ここでは、取得を記念して、改めてHP-R100BTのインプレッションをお届けしたい。
関連記事にあるニュースで紹介したように、R100BTは、左右ハウジングのつながったネックタイプの形状のワイヤレスイヤホンとなる。搭載ドライバーは7mm径のダイナミック型で、この1発で実に40kHzまでの再生を可能としているのである。
サポートするコーデックも豊富で、メーカー専用コーデックを除けば、市場に流通しているほぼすべて(SBC、AAC、aptX、aptX LL、aptX HD、LDAC)をサポートするという充実ぶり(さすがにaptX Adaptiveはサポートしていないが)。
ハウジングには剛性が高く、不要な振動の抑制効果を持ったアルミを使用しており、加えてドライバーから音導管までが一直線に並ぶインライン構造と合わせ、ナチュラルでワイドレンジなサウンドを奏でるようにデザインされているのが特徴だろう。
さっそくLDACコーデック接続によるインプレッションをお届けしたい。一聴しての印象はまさにハイレゾ。音源がCD(クォリティ)でもMP3でも、いちど24bit伝送を経るからなのか、実に細やかで繊細で、ニュアンスに溢れるサウンドが楽しめた。音の粒立ちが細かく響きも豊かで、低域から高域までのバランスもよく、まるで有線タイプのイヤホンで聴いているよう。
ハイレゾコンテンツ(96kHz/24bit)では、その優位性がさらに増し、音の消え際の余韻が拡大し、ボーカルはその息吹まで感じられるようになる。定位感も向上し、頭の中、おでこの奥あたりまで、ボーカルが上がって(迫って)くるように感じた。低域から中域、そして高域と、さまざまな音の成分がピラミッド状に組み上げられ、スムーズにつながって再現されている。
MP3コンテンツを聴いても、これまで(aptX)のようにいかにもレンジが狭い……という印象は薄くなり、伴奏(演奏)はかなり薄味になるものの、ボーカルは生き生きと再現されるし、まるでアップスケーリングして疑似ハイレゾ化しているかのようなサウンドとなっていた。
一応、aptXコーデック接続でも聴いてみたところ、悪くはないが、LDACのあとでは少し辛い印象。響きの具合や音場感はLDAC再生に軍配が上がるものとなった。