エミライから、Noble Audio(ノーブルオーディオ)の完全ワイヤレスイヤホン「FALCON2」が発売される。市場予想価格は¥13,900前後(税別)で、10月30日の発売予定。今回はブラックとホワイトの2色展開となる。
FALCON2は、ちょうど一年前に発売された同ブランド初の完全ワイヤレスイヤホン「FALCON」の後継機で、「高品質と使いやすさは、更に進化する」をテーマとして、あらゆる角度でFALCONを上回る、完全ワイヤレスイヤホンの理想を体現した製品という。
心臓部となるSoCにはクアルコムの最新世代チップ「QCC3040」を採用し(初代機はQCC3020)、さらなる高性能と低消費電力を実現した。同時に、左右のイヤホンへそれぞれデータを伝送する「TrueWireless Mirroring」にも対応している。
TrueWireless Mirroring対応モデルは、左右でBluetoothアドレスを共有するため、ペアリングをする時に接続元デバイスには1つの接続先として表示され、一度ペアリングするだけで使用可能。さらに、左右イヤホンのロールスワッピング機能にも対応し、バッテリーの片減りを防止している。なおTrueWireless Mirroringは、AndroidデバイスだけでなくiOSデバイスでも使えるそうだ。
さらにALCON2ではQCC3040の特性を活かして、接続品質の向上も目指した。イヤホンを装着した際に信号強度がもっとも減衰しにくい位置にアンテナ基板を配置し、電波干渉の多い環境でも安定した通信を実現するなど、最新のSoCと制御ソフトウェア、アンテナ設計技術が一体となった第二世代「High Precision Connect Technology 2」で従来の2倍の電波強度を達成し、優れた接続安定性を実現している。
Bluetoothのコーデックは、SBC、AACに加えてaptX Adaptiveにも対応(対応プレーヤーとの組み合わせが必要)。aptX Adaptiveは、高音質と低遅延性をハイレベルに両立させ、高い接続安定性を実現しているのがポイントだ。
まず、通信環境に合わせて、279kbpsから420kbpsの間でビットレートが自動的に調整され、接続安定性を確保する。さらに可変ビットレート方式を採用することで、最高品質時はaptX HD同等の48kHz/24ビット伝送が可能となる。
また、オーディオデータのヘッダー内からフォーマットの種類やダイナミックレンジなどの情報を読み取ることで、コーデック側でどのような処理を行うかも自動判断してくれる。ゲームプレイ時はレイテンシー(低遅延)が優先され、音楽試聴時は音質が優先されるといった具合だ。
ちなみにFALCON2ではQCC3040のファームウェア開発をクアルコムと連携して進めており、今回はカスタム実装でaptX Adaptiveへの対応を可能にしているそうだ。
搭載されたドライバーは、PET振動板の上にカーボンファイバー層を重ねた特殊な二重構造を持つ「Dual-Layered Carbon Driver」(DLCドライバー)で、これは初代のFALCONと同じもの。
今回はQCC3040とのコンビネーションによってDLCドライバーの性能が引き出され、20Hzから24kHzまでの再生に対応している。また、DLCドライバーはそれ自体に高い防水性能があり、今回も防水規格であるIPX7に対応している。
イヤーチップも初代機と同じく、ePro audio製TWS用「Horn-Shaped Tips」を採用。完全ワイヤレスイヤホン用に設計されたイヤーチップで、特許取得の独自ホーン形状構造を採用、その優れた音質は高い評価を獲得している。シリコンとグラフェンの混合素材を使用することで、付け心地のよさだけでなく、耳への優れたフィット性能も実現、FALCON2が耳から脱落してしまうことを防ぐ効果も備えている。
これらのスペック的な進化はもちろんだが、FALCON2では音の仕上げもぬかりはない。初代FALCON同様、“Wizard”の異名を持つジョン・モールトン氏によって新たなチューニングが施されている。
アコースティック・ダンパーにより空気の流れを調整するという物理的な音響特性の調整に加えて、DSPによる音響特性の再調整を掛けあわせることで、理想的な特性を追求している。音響特性の再調整においては、初代モデル発売後に得られた世界中のユーザーからのフィードバックを踏まえ、入念な調整が施されている。
バッテリー駆動時間は、フル充電で約10時間の連続再生が可能(aptX伝送時、音量70%)。15分の充電で2時間の連続再生が可能な急速充電にも対応している。付属の小型充電ケースはフル充電でイヤホン本体を約4回充電でき、ふたつの組み合わせで累計50時間の連続再生が可能となる。
充電ケースは丸みを帯びたフォルムになり、電池容量が初代機から20%増えている。さらに、充電ケースは無線充電(Qi)に対応しており、別売の無線充電パッドを使えば、ケーブルを接続する煩わしさからも開放される。
なお今回、楽天 エミライダイレクトでの予約者限定特典としてノーブルオーディオの充電パッド「NEST」がプレゼントされる。期間は10月23日から29日23:59まで。
さらに細かい使いこなしとして、専用アプリ「Noble Sound Suite」もFALCON2用にアップデートされる予定という。
イヤホン本体にあるボタンの機能割り当てを設定できるほか、新たに「Master Gain Setting機能」が追加される。この機能により、FALCONの音量をiOSデバイスやAndroidデバイス用とは独立して調整できるようになり、深夜に小音量で音楽を聞きたいといった場合にも、ユーザーの使用条件に適した音量調整が可能となるそうだ。
なお完全ワイヤレスイヤホンだとイヤホンを紛失したらどうしようかと心配になるが、FALCON2ではイヤホンのどちから片方を紛失した場合には、手元に残ったFALCON2を新品と有償交換してくれるし、充電ケースを紛失した場合もケースだけ購入できるので安心だ。
今回FALCON初代機と、FALCON2を聴き比べる機会があった。
先述の通り充電ケースのデザイン等は変わっているが、イヤホン本体の大きさや外観は同じ。その意味ではFALCONをお使いの方なら何ら違和感なくFALCON2に親しめるはずだ。
再生機器とのペアリングも、製品をケースから取り出すだけで認識され、すぐに接続された。FALCONではiPhone側に「FALCON-L」「FALCON-R」と2つのデバイスとして表示されていたが、FALCON2は一台のみ。これはTrueWireless Mirroringが正しく機能している証拠といえる。
さてその音質だが、基本的な音の傾向はFALCONと似ている。女性ヴォーカルも、電子楽器のサウンドやクラシック曲も、どれも耳当たりがよく、長時間聴いていても疲れることはない。最近は通勤時にFALCONを愛用していたので、その意味では馴染みのサウンドだ。
だが再生時のS/Nや情報量、それに伴う音場の広さはFALCON2が一歩上をいっている。一番わかりやすかったのは、ギターやピアノといった楽器の再現で、FALCON2では初代機では気がつかなかった弦の響き、低音の余韻、演奏時にミュージシャンが口ずさんでいるハミングなどもしっかり判別できた
個人的には音量をそれほど上げて聴くことはないのだが、気がついたらiPhoneのボリュウムが普段より2目盛り高くなっていた。FALCON2は音に嫌な圧迫感がないので、ボリュウムを上げてもうるさく感じないということなのだろう。
「FALCON2」の主なスペック
●ドライバー:Φ6mm Dual-layered Carbon Driver
●チップセット:クアルコムQCC3040(TrueWireless Mirroring対応)
●再生周波数帯域:20Hz〜24kHz
●マイク:全指向性/クアルコムCVCノイズキャンセリング対応
●Bluetooth仕様:Version5.2/Class2/マルチペアリング対応
●Bluetooth対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive
●連続再生時間(最大):5.5時間(最大音量時)/10時間(70%音量時)
●充電時間:イヤホン約1時間/充電ケース約1.5時間
●耐水性能:IPX7
●イヤホン重量:約5.5g(片側)、充電ケース51g