先日来お届けしている、山下達郎さんのライブ配信を大画面といい音で楽しむ方法を探るリポートの第三弾です。
先日、今回の配信を手がけるMUSIC/SLASHの担当者氏にインタビューをさせてもらったのですが(詳細は近日公開予定)、そこで色々と嬉しいことが分かりました。
個人的に一番気になっていたのは、今回の配信がどんなマスターを使っているかということ。配信のフォーマットは映像がH.264の1080pで、音声がAAC-LCの384kbps/2chとは聞いていたけど、そもそものマスターが貧弱では意味がない。
でもそこは心配ご無用。映像は2K/60p、音声もリニアPCMで収録されたものとのこと。それをリアルタイムエンコードして配信する予定だそうです。しかも達郎さん本人も配信の品質を確認してOKを出しているとのことだから、期待は高まります。
さてそんな配信をどう見るかについてMUSIC/SLASHのツイッターでも連日色々な議論が盛り上がっています。嬉しいことに僕の記事もひとつの方法として紹介してくれていました。
なんだけど、そこでのAmazon Fire TV Stick 4Kの設定の記述が少々単純化しすぎていたようで、何人かの知り合いから質問されたので、改めてもう一度整理しておきます。
まず今回の配信を大画面で見る方法としては主に、1.スマホやPCからのミラーリグ(変換ケーブルによる接続含む)と、2.Fire TV Stick 4Kによる再生、のふたつが可能です。
もともとは、コンテンツ保護の観点からこれらの試聴は推奨されていなかったようだけど、視聴者からの要望が多かったので、MUSIC/SLASH側も対応してくれた模様。
ツイッターを見てみると1.の方法を試している人がかなり多いみたいだけど、わが家ではAirPlayは未検証なので割愛します。そもそもAirPlayを使うと伝送時に映像がクイックタイムに再エンコードされたはず(おぼろげな記憶ですが)で、他に方法があるなら……という気がしているから。
ちなみにMacBook PROでMUSIC/SLAHのサイトにアクセスし、USB-C用アダプター(HDCP2.2に対応していること)でHDMIに変換してプロジェクターに映すという方法も試しています。こちらは、映像はまったく問題なかったけど、音がちょっと繊細で低音が寂しく感じられました。
ということでわが家では2.のFire TV Stick 4Kを使って30日のライブ配信を楽しむことにした次第。以下ではその手順を詳しく整理します。ちなみにFire TV Stickには2K用と4K用があるけれど、今回動作確認が取れているのは4K用とのことなので、これから購入予定という方は注意してください。
ちなみにマックの場合、PCでの再生時に音が出なかったら、サウンド出力がきちんと再生機(テレビやプロジェクターなど)になっているかを確認しましょう。
Fire TV Stick 4Kで達郎の配信を見るための手順
(1)Fire TV Stick 4Kをテレビなどにセット
Fire TV Stick 4KをテレビやAVアンプ(AVセンター)などのホームシアター機器に取り付ける。以下はすべて画面上で作業します。
(2)Fire TV Stick 4Kにブラウザアプリをインストールする
今回の配信はインターネットブラウザで見る仕組み。ただしFire TV Stick 4Kを買ってきた状態ではブラウザアプリが入っていないので、自分でインストールする。アマゾンが「Silkブラウザ」というアプリを提供しているので、これを使えばいい。
(3)「Silkブラウザ」を起動してURLを入力する
「Silkブラウザ」を立ち上げて、URLを手動で入力する。リモコンを使ったソフトウェアキードードなので、手間はかかるけどここは頑張りましょう。
この3ステップで体験映像が再生できるはずなので、後は30日の本番を楽しみに待ちましょう。
ちなみにFire TV Stick 4Kは無線LAN環境で使うのが一般的だけど、別売のAmzonイーサネットアダプターを組み合わせると有線接続も可能ということをご存じですか?
今回の達郎さんのライブは15Mbpsという、通常の動画配信よりも高いビットレートで送られているので、通信環境によっては映像が乱れる可能性もゼロではない。せっかくなので、わが家ではこの機会にイーサネットアダプターを導入しました。
使い方はイーサネットアダプターにLANケーブルと電源をつないで、イーサネットアダプターのUSB-マイクロB端子をFire TV Stick 4Kにつなぐだけ。これで安定した有線LAN接続が実現できました。正直どれくらいの違いがあるのかわからないけど、安心してライブを楽しむために試してみてはいかがでしょう。
なおMUSIC/SLASHのQ&Aには、「アーティストの最高のパフォーマンスを最大限お楽しみいただくために、お客様ご自身によって最適な再生環境をご用意いただきますようお願いいたします」と書かれており、ここについてツイッターで“最適な再生環境”って何だ? といった旨の書き込みも見かけました。
何が最適かは人それぞれで難しいところだけど、少なくともスマホやPCで見るのだけは避けるべき。上記の方法でテレビで再生する時も可能であればスピーカーは外付けして欲しいというのが個人的な希望です。
テレビの光デジタル出力やヘッドホン出力をプリメインアンプなどにつないで小型スピーカーで鳴らすだけでもライブの没入感は桁違いになること請け合い。使っていないスピーカーがある方は30日までに準備してみてはいかがでしょう。
ちなみに本日20時から、角松敏生さんの無観客ライブ配信「TOSHIKI KADOMATSU Performance “SUMMER MEDICINE FOR YOU 2020”」がスタートします。こちらもFire TV Stick 4Kで視聴可能で、もちろんチケットも購入済み。これから大画面で楽しむ予定です。
「TOSHIKI KADOMATSU Performance “SUMMER MEDICINE FOR YOU 2020”」
●配信日時:2020年7月25日(土)OPEN 19:30/START 20:00(予定)
※8月2日24時までアーカイブ配信あり
●チケット料金:¥3,500(税込)※イープラスでの購入手続きが必要
●チケット購入受付URL:https://eplus.jp/kadomatsutoshiki0725st/
●チケット購入受付期間:7月11日(土)12:00〜8月2日(日)21:00まで
(取材・文:泉 哲也)