クリエイティブメディアから発売された、USBタイプのBluetoothオーディオトランスミッター「Creative BT-W3」(以下BT-W3)。これは、Type-C端子を持ったUSBドングルタイプのBluetooth送信機であり、現行「Creative BT-W2」の兄弟モデルとして、先月末に発売されたばかりの新製品だ。
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関連記事のニュースでも記したように、BT-W3はパソコン(Win、Mac)やゲーム機(PS4、Switch)などのType-C端子を搭載したデバイスに直接挿すことで、オーディオトランスミッターとして使える便利な製品となる。
対応コーデックはSBC、aptXをはじめ、aptX HD、aptX LL(Low Latency)もサポートするという充実ぶり。ここでは主に、ノートパソコンと組み合わせた場合のインプレッションを紹介したい。使用したのは、レノボの「X1 Carbon」だ。
筆者の使い方としては、原稿作成中のラジオ聴取(radiko)や、Netflixの(記事作成用の)視聴といったものがメインとなる。もちろん自宅であれば、ラジオ専用機やシアターシステムで再生を行なっている(楽しんでいる)が、テレワークのない世界のため、BT-W3には、日々会社でお世話になっている。
さて、使い方は簡単だ。パソコン(ノート)の場合は、USB Type-CポートにBT-W3を挿すだけ。ドライバーは不要で、プラグ&プレイで使えるようになる。Bluetooth機器(イヤホン、ヘッドホン、Bluetoothスピーカーなど)とのペアリングは、パソコンの「設定」-「デバイス」-「Bluetoothとその他のデバイス」からではなく、W3を直接操作して行なう。後面についているボタンを長押し(5秒)すると、上面のインジケータが点滅するので、その間に接続したいデバイスをペアリングモードにしてやればいい。ペアリングの状態を画面上で確認できないものの、基本的にはすんなりとペアリングしてくれる。あとは、パソコンでコンテンツを再生するだけだ。
まずはradikoを再生。配信されてくる音声は、もとからにしてそれほどハイクォリティなものではないが、「SBC」と「aptX」を切替えてみると、aptXの優位性が如実に分かるほど。ラジオパーソナリティの声には厚みが出てきて、聴き取りやすくなる。音数や定位感も増す印象だ。これだけでも、BT-W3を使う意義は充分にある。
次は、Netflix。パソコンで視聴していることから、音声フォーマットはドルビーデジタルのステレオになっているはずだが、ここでも「aptX」の音質の優位性は揺るがない。しかし、SBC、aptXともに遅延が大きく、口とセリフのずれが気になる。
そこでコーデックを「aptX HD」に変えてみると、不思議な現象が。遅延に限って言えば、aptXよりもaptX HDの方が大きい(遅れる)はずなのだが、テストではaptX HDの方が少ないのだ。ということもあり、以後はaptX HDによるインプレッションをお伝えしたい。
SBCとの比較で言えば、radikoと同じように中域の厚みが増し、セリフが聴き取りやすくなるし、ヘッドホンから形作られる音空間も、高さ方向に広がり、より立体的に感じられるようになる。2chソースにしては(オリジナルは5.1chなのだが)サラウンド感が豊かになる印象だ(上質なバーチャルサラウンド機能をオンにしたよう)。しかも、音数も増えるし、細かい音も聴こえるようになる。簡易視聴用途と思っていたが、かなりのクォリティが楽しめた。
結論として、BT-W3は価格も¥3,980(税別)と比較的リーズナブルだし、広く普及しているaptXやaptX HDコーデックをサポートするワイヤレスタイプのイヤホンやヘッドホンと組み合わせることで、パソコンのBT送信の音質を手軽にアップできる、便利なアイテムと言えるだろう。