TOHOシネマズ株式会社は、池袋の総合施設 Hareza池袋内に「TOHOシネマズ池袋」を7月3日(金)にオープンする。18日にその関係者向けお披露目が行われた。
といっても新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、大規模なイベントは控え、時間を区切り、人数も限定した説明会となっていた。StereoSound ONLINEでは18日午後に行われた説明会に参加してきたので、新劇場の概要をお知らせしよう。
TOHOシネマズは、新宿、日比谷といったターミナル駅近くに大型シネマコンプレックスを展開している。今回のTOHOシネマズ池袋もそのひとつだが、ここは他とは違う大きな特徴を備えている。それが、“極上の音響“を体験できるサウンド・シアターだ。
同社のフラッグシップシアターであるTOHOシネマズ日比谷に導入され、好評を博している“プレミアムシアター”を2つのスクリーンに導入。さらに迫力ある轟音(ごうおん)を体感できるサウンド・システムも導入し、他の映画館では味わえない極上の音響体験を提供するという。
TOHOシネマズ池袋は10のスクリーンを備えているが、このうち2番シアターには、轟音を全身で体感できるよう、大型サブウーファーが設置されている。しかもスクリーン手間の左右、観客の目に入る位置に2基のサブウーファーが置かれているのだ。
外観を見ると、左右それぞれに裏返しになったウーファー(18インチ)が2基並んでおり、一般的なサブウーファーとは印象が違う。実はこのウーファーユニットはアイソバリック方式で向かい合わせにマウントされており、片チャンネルに合計4基が使われていることになる。これは劇場としても珍しいことだろう。
実際に音を出すデモも行われたが、ダイアフラム(振動板)が動いているのがしっかり見え、視覚的にも低音を浴びている感覚に浸れること間違いなしだ。なお第2スクリーンでは、低音の効果をより体験できるモードと通常のモードの2種類での上映が可能とかで、作品に応じて使い分けていく予定だそうだ。
続いて6番シアターはプレミアムサウンドをコンセプトにした仕上げだ。TOHOシネマズ日比谷のメインシアターと同様に、株式会社イースタンサウンドファクトリーによるカスタムスピーカーを、池袋の空間に合わせて製作、設置している。
スクリーン裏には高解像で音の再現が可能な「カスタム4wayハイコアキシャル」スピーカーを、サラウンド用にはステージスピーカーとの一体感を突き詰めた「3wayコアキシャル」スピーカーを組み合わせることで、高域から低域まで繊細な音響体験を可能にしている。
最後の10番シアターは、商業用の映画館としては日本で初めて、ドルビーアトモスをカスタムスピーカーで実現した空間となる。天井を含めたサラウンドスピーカーには10インチの同軸ユニットを採用。ステージスピーカーは6番シアター同様「カスタム4wayハイコアキシャル」とすることで、プレミアムサウンドはそのままに、音が縦横無尽に動き回る空間再現を実現している。
なお6番シアターと10番シアターについては、ラージスクリーンのTCX、プレミア ボックス シートといったTOHOシネマズ独自の規格も導入されている。
今回の内覧会では、2番、10番シアターでトレーラーの上映デモも開催された。そちらについては久保田明さんも参加してもらっているので、近々詳しいインプレッションをお届けしたいと思う。どうぞお楽しみに。(取材・文:泉 哲也)
「TOHOシネマズ池袋」
●座席数(車椅子席)
1番シアター:78(2)、2番シアター:143(2)、3番シアター:200(2)、
4番シアター:121(2)、5番シアター:121(2)、6番シアター:315(2)、
7番シアター:200(2)、8番シアター:121(2)、
9番シアター:121(2)、10番シアター:315(2)
●住所:東京都豊島区東池袋1-18-1 Hareza Tower内