ジャン･ルノワール監督作『トニ』【クライテリオンNEWリリース】

AUGUST 2020 NEW RELEASES - THE CRITERION COLLECTION

クライテリオンから届いた2020年8月のBLU-RAYリリース･アナウンス。8月25日リリース予定となっているのが、『素晴らしき放浪者』『ピクニック』『大いなる幻影』『獣人』『ゲームの規則』『フレンチ･カンカン』ほか数々の名作を世に放った名匠ジャン･ルノワール監督作『トニ』（aka.ジャン･ルノワールのトニ）（1935）です。

※8月リリース他作 - フォルカー･シュレンドルフ&マルガレーテ･フォン･トロッタ監督作『カタリーナ･ブルームの失われた名誉』（1975／8月4日）、ポール･シュレイダー監督作『迷宮のヴェニス』（1990／8月18日）、クリス･ヘジダス&Ｄ･Ａ･ペネベイカー監督作『タウン･ブラッディ･ホール』（1979／8月18日がラインナップ。また8月11日にはアニエス･ヴァルダ監督作39作品を収めた『ザ･コンプリート･フィルム･オブ･アニエス･ヴァルダ』（1952-2019）が登場予定。

1920年代に初頭にマスコミを賑わせた犯罪事件をもとに（原作はジャック･ルベール）、ルノワールがパリを離れてマルセイユの劇作家マルセル･パニョル（製作総指揮）のもとで撮り上げた愛憎劇。さまざまな人種･民族が仕事を求めて流れ込んでくる、マルセイユに程近い南仏の町。ここにある石切り場に出稼ぎにやって来たイタリア移民トニと、彼に恋する下宿屋の娘マリー、トニが思いを寄せるぶどう園主の娘ジョゼファ、そしてジョゼファを横恋慕してトニに対して邪険にあたる現場監督アルベールらの人間模様が描かれていく。イタリアン･ネオレアリズモにも多大な影響を与えた作品であり、85年前にルノワールがこれほどのリアリズム演出をやっていたことに驚かされる。映像にはいささかの誇張もなく、登場人物のすべてに生彩を感じられよう。

主演は『顔のない眼』のシャルル･ブラヴェット。共演に『メアリーデュガンの裁判』（未）のセリア･モンタルヴァン、『娼婦マヤ』のマックス･ダルバン、『獣人』のジェニー･エリア。

撮影はルノワールの甥で『大いなる幻影』や『ゲームの規則』、『バーバレラ』『フレンチ･コネクション2』『007／私を愛したスパイ』などで知られるクロード･ルノワール。音楽はスペイン系ギタリストのポール･ボッツィ（劇中にも登場）。音響エンジニア（録音･編集）は『アンジェール』のアルメニア人技師メルギル･バルディスバニアン。

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