B&O(BANG & OLUFSEN)は本日午後、Beoplayの完全分離型イヤホン「E8 第三世代」(¥38,000、税込)の発表会を開催した。

 E8 第三世代は同ブランドの人気シリーズである完全分離型Bluetoothイヤホン「E8」の最新モデルで、B&O専門店では2月14日から販売をスタートしている。従来モデルに比べてさらにコンパクトになり、かつパワフルなサウンドを実現した新製品となっている。

画像1: B&Oの完全分離型Bluetoothイヤホン「E8 第三世代」は、小さなサイズで自然な低域再現を実現していた。毎日持ち歩きたいかわいいフォルムも魅力

 ヤコブ・ワグナー氏によるデザインと、同社伝統のクラフツマンシップによる精緻な仕上げを踏襲し、繭のようなフォルムの充電ケースにL/Rのイヤホンを収納する方式も同様。カラリングはブラックとグレイミストを準備する。

 スペック面では5.7mmダイナミック型ドライバーを搭載。またBluetoothのコーデックとしてSBC、AACに加えてaptXに対応した点も、音質にこだわる音楽ファンには喜ばれるだろう。本体はフル充電で35時間、充電ケースは本体の充電が4回可能で、さらに20分の充電で約1.5時間の再生も可能となる。

 本日の発表会では、まずミュージシャンの青葉市子さんとエンジニアのZAKさんがアコースティックギターの演奏を披露してくれた。青葉さんのギターの音色と囁くような優しいヴォーカルが会場となったスタジオにふわっと広がり、心地いい音色を楽しむことができた。

 続いて青葉さん、ZAKさんに、ミュージシャンのtofubeatsさんを加えて、音楽とE8 第三世代に関するトークショウが行なわれた。

 まずはミュージシャンやエンジニアにとってライブとCDなどのパッケージソフトで音に違いがあるのかが質問された。

 これに対しZAKさんは、「一概には言えません。CDなどは数テイクを録音して、ヴォーカルやリバーブなども調整できます。一方でライブはそういった処理を経ていません。その意味では両者には違いがあります」と録音時の音作りについて説明してくれた。

画像: 青葉市子さんの演奏も披露された

青葉市子さんの演奏も披露された

 その録音、レコーディングで注意していることを尋ねられると、tofubeatsさんが「ぼくは自宅のパソコンで音楽を作っていますので、レコーディングという作業はしません。ただ、思っている空気感があって、そこにどう近づけるかを探しながら作業をしています」と話した。

 これを聞いたZAKさんは、「空気感を持っているのは、実際のレコーディングも同じです」と共感していたようだ。

 その空気感、イメージするサウンドとはどんなものかと聞かれた青葉さんは「私は、演奏する空間にある素材がどんなものかを考えます。ガラスが多い場合は体をどう使って対応するかとか、空間の高さをどうするかなどを考えます」と、演奏者がそこまで気をつかっていることを明かしてくれた。

 そしてここからイヤホンを使った音楽鑑賞に話が移り、最近はデジタル音源やストリーミングなど再生ソースが変化していることをどう感じているかも質問された。

 ZAKさんは、「配信の普及で、音楽の楽しみ方が時代を感じさせないものになりました。どの時代の曲でも簡単に聴くことができるので、色々なレコーディング手法、テクニックが混在しています。これは新しいことだと思います。また音源については圧縮されているのがこれまでとの違いですね」と話していた。

 tofubeatsさんも、「圧縮についてはバリエーションがありすぎて、曲を作る時の設定をどうするか難しくなりました。ただ一方で、音楽を聴いてくれる人たちの再生環境が均一化されてきたのはありがたいですね。ちょっとくらい低音が入っていても大丈夫になっています。こちらのイメージを届けること自体はやりやすくなりました」と送り手としての感想を話していた。

 青葉さんも、「音楽を聴く出口がたくさんあるのはいいことだと思います。奏でている音の価値が大切にされるようになっていると感じています」と話した。

画像: トークショウの様子。右からtofubeatsさん、ZAKさん、青葉市子さん。左端は司会のB&Oスタッフ

トークショウの様子。右からtofubeatsさん、ZAKさん、青葉市子さん。左端は司会のB&Oスタッフ

 その“音”を再生するE8 第三世代については、原音忠実再生がテーマで、音楽制作者の意図をいかに大切にするかを重視して作られているという。具体的には、数値的なスペックをクリアーした上で、実際の音を聴いてチューニングしているということだ。

 ジェフ‧マーティン氏が、「B&Oの製品では、スペックを褒めて欲しくない。曲やアーティストを褒めて欲しい」と語っていると紹介されると、ZAKさん、tofubeatsさんもこの意見に同感だと語っていた。

 最後に、B&O、E8 第三世代を聴いた印象を聴かれると、青葉さんは「付けやすいし、遮音性が素晴らしい。E8 第三世代では、低音や音の配置が聞こえました。音に囲まれる印象です」と素直な感想を話してくれた。

 tofubeatsさんは前モデルの「E8 2.0」も使っていたそうで、それを踏まえて「全体的な音の方向性は一貫しています。いい意味で、気になるところがない。筐体は小さくなっていますが、低音が豊かになったのが驚きです。低域が綺麗でよくみえる感じです」と話した。

 ZAKさんも「音楽では低域は大切です。E8 第三世代は耳にフィットするので、低域の聞こえ方もよくなるのだと思います」と装着性まで含めた感想を語っていた。

画像2: B&Oの完全分離型Bluetoothイヤホン「E8 第三世代」は、小さなサイズで自然な低域再現を実現していた。毎日持ち歩きたいかわいいフォルムも魅力

 E8 第三世代は自然な低域感を再現することもターゲットにしており、同時に解像度の高いバランスの取れた音を実現したそうだ。また快適性も重視し、本体が小さく、耳の形にフィットするように改良されている。

 「音の質量、重さが大きくなっている。ジャズやクラシックにも向いている音だと思います」とZAKさんが話して、今回のトークショウは終了となった。

 その後、E8 第三世代とiPhoneをBluetoothで接続し、ジャズや女性ヴォーカルを聴いてみた。

 以前同社のE6 Motionも試聴したことがあるが、それに比べて確かに低音がしっかりして腰が据わった印象だ。同時に女声の高域も素直に伸びて、再生される帯域が広がっているように思える。押し出しのある声というよりも、ナチュラルで耳に優しい。ジャズではウッドベースの低域も出て、迫力が増している。弦をつまびく様子もとてもリアルに再現されている。

 今回はiPhoneとの組み合わせだったのでコーデックはAACで伝送されている。しかし先述したようにE8 第三世代はaptXにも対応済みなので、こちらではどんな音を楽しめるのか、気になるところだ。

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