中国のオーディオブランドKineraから、同ブランドでは初となるBluetoothイヤホン「SIF・B」が発売中だ(価格は6,300円前後)。
既報の通りSIF・Bは、今夏発売された1ダイナミックドライバーモデル「SIF」をワイヤレス化したパッケージ。イヤホン部分はSIFそのものであり、今回Bluetoothレシーバーユニット「CDB001」を同梱することで、ワイヤレス化を図っているのが特徴となる(有線ケーブルは付属していない)。
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さてその音色については、イヤホン部分はSIFと同じなので、似た傾向を示すのかと思いきや、かなり異なっているのが面白い。
ベースモデルのSIFは、こちらも既報の通り、低域の量感をより押し出したサウンドが持ち味で、ボーカル帯域もきっちりと描き分けられているので、ロックなど、低音・低域の要素をふんだんに含んだ音源の試聴に向いていると感じたが、SIF・Bでは一転、その特徴となっていた低域の再現性は少しマイルドになり、低域から高域までバランスのとれたサウンドへと変貌していた。高域のヌケも良くなっている。
ボーカルの再現性についても、大まかな印象は似ているものの、SIFほど浮き出してくることはない。ただし、語尾の切れ味が増しているようで、歌い手の気持ちがより強く伝わってくるよう。音場の定位感もより前方に移動しているようで、目の前に音像が立つ雰囲気だ。
Bluetoothの対応コーデックはSBC、AACに加えaptXもサポートしているので、スマホやポータブルプレーヤーともより高音質なフォーマットでの接続が行なえる。Bluetoothのバージョンは4.2だが、電車の車内のような混雑する場所でも、接続の安定性は高く保たれていた。
なお、ケーブルのコネクター近辺には、耳掛けしやすいように“クセ”が付けられているので、SIFのユニバーサルIEM形状と合わせ、装着性は良好だ。ただし、風の強い場所(屋外や地下鉄のホームなど)では、意外と風切り音が気になった。
初めてワイヤレスイヤホンを購入するユーザーには、コスパの観点からもいい選択になると思う。また、現在、SIFを所有しているユーザーには、リケーブルの感覚で単品発売されているCDB001(3100円前後)を買い足すのも、異なる音色が楽しめるという点から見て、楽しめるだろう。