シャープは本日午前、10月15日〜18日に千葉・幕張メッセで開催されるCEATEC2019の展示内容および、AIoTプラットフォーム戦略に関する説明会を開催した。
冒頭、株式会社SHARP COCORO LIFE 代表取締役会長の長谷川 祥典氏が登壇し、今回の展示内容と今後の展開について紹介してくれた。
長谷川氏によると今回のCEATEC2019の展示は、事業ビジョンとして掲げている「8K+5GとAIoTで世界を変える」に則っているそうだ。同社は、2015年に初めてAIoTの推進を宣言、2016年にはCOCORO+を提案し、以降は自社製品に限らず、他企業とのコラボも展開してきた。
これを踏まえて、2019年には、AIoTビジョンの実現を加速するために、会員サービスの強化と他社機器/サービスとの連携拡大を推し進める。そのために今回はふたつの子会社を設立している。
そのひとつが(株)SHARP COCORO LIFEで、COCORO VISIONやCOCORO KITCHENなどのこれまでのサービスを推進する組織だ。もうひとつの(株)AIoTクラウドは他社のサービスを含めたプラットフォーム提供・連携を目指すとしている。
具体的には「COCOROカスタマーサポート」(製品のアフターサービス)、「COCORO STORE」(スマートライフに役立つソリューションの提供)、「COCORO+サービス」(これまでのCOCORO+サービスの継承)、「COCORO MEMBERS」(ユーザーに役に立つ情報を提供)という4つの柱を設け、両社が役割を分担しながらシャープの目指すスマートライフを実現しようというものだ。
そのスマートライフのイメージについては、株式会社AIoTクラウド 代表取締役社長 赤羽良介氏が解説してくれた。
赤羽氏によると、経済産業省が発表したスマートライフ政策の方向性と、シャープのこれまでの取り組みや、これからの方向性が一致しているのだという。
その方向性とは「データ連携による企業間アライアンスで、生活上のあらゆる情報がつながり、生活の不便を解消するなどのサービスが提供可能に」なるというもの。要は家事や健康、介護といった生活に関わることすべてでユーザーが求める情報が簡単に手に入る世界ということだろうか。
同社ではこのための施策として、「生活データを高次に収集し」、「様々なサービスと相互連携し」、「個別に対応する技術を提供」していくことが必要と考えるそうだ。
シャープ製品は、既に292機種65万台の製品がネットワークにつながれており、これをベースに高次な生活データの収集が可能という。さらに2020年には400機種に拡大する予定で、接続率についてもキャンペーンなどを通してさらに高めていくのだという。
そしてここからは様々なデータが収集可能という。例えばヘルシオでの調理メニューランキングや乾燥機の利用率、そこで使われている洗剤のランキングなどで、これらのデータを活用して様々なユーザー動向の分析ができるわけだ。
つまりシャープはAIoTで重要なデータ収集のインフラを既に確立しているわけで、それを活かしてパートナーとの間で事業企画やソフト開発、クラウドの運用までトータルなサポートを提供していきたいとしている。これが(株)AIoTクラウドの事業戦略ということだろう。
実際の協業も具体化しているそうで、たとえばKDDIやSECOMと一緒に、離れて住む高齢の両親の見守りサービスなどを実現している。具体的には、シャープ製のテレビやエアコンの電源の状態や温度設定などをモニターして、高齢者が普段と変わらない生活を送っていることを確認できる仕組みという。
そしてシャープでは、こういった取り組みを進めて、2020年度までに50社のパートナーを目指していくとしている。今回のCEATEC2019ブースにはそれらに関連した展示も行なわれているので、その詳細は会場でご確認いただきたい。