いま映画ファンの注目の的! 池袋にオープンしたグランドシネマサンシャインにさっそく行ってきた。もう今週は開館前からネットではこの話題で持ちきり。メダマはなんといっても関東初となるIMAXレーザー/GTテクノロジーを有する最新のIMAXシアターの誕生だ。しかもスクリーンは“西の王様”、109シネマズ大阪エキスポシティを越えて国内最大となるビッグサイズ。映画ファンの期待値が上がらないわけがない。
グランドオープンは19日(金)。その前日に開催された前夜祭に足を運んできた。作品はクリストファー・ノーラン監督のお馴染み『ダンケルク』。IMAXフルサイズ版(アスペクト比1.43:1)だ。深夜12時から3時間に及ぶ苦闘の末になんとかチケットを手に入れることが出来た。このIMAXフルサイズ版の上映を目当てに全国から109シネマズ大阪エキスポシティに遠征したという熱心なファンも少なくない。ようやく東京都内でも観ることが出来る貴重な機会に巡りあえたわけだ。
IMAXシアターのシアター12についてはもう繰り返しプレスからの発表がなされているのでここでは割愛しよう。109シネマズ大阪エキスポシティのIMAXシアター、シアター11で同クラスのスクリーンは既に体験済みだがやはり幅25.849m×高さ18.91mのサイズはデカい! としか言いようがない。109シネマズ大阪エキスポシティと同様に“壁のようにそそり立っている”。
今回、確保したシートはF列。やや近接。いや、実際に座ってみるとスクリーンからはかなり近い。目をヒラメのようにしても視界はまだスクリーンで覆い尽くされている。これほどスクリーンに近い席も久しぶりだったのでなんだか往年のシネラマ、大阪のOS劇場の記憶が甦ってきた。
IMAXレーザー/GTテクノロジーによる映写は圧巻のひと言だ。大スクリーンの近接鑑賞。絵の粗など何か気になりそうなものなのだがまったくストレスは感じられなかった。70mmのフィルム上映ではこうはいかない。あまりにスクリーンに近いとグレインの挙動や絵の甘さなどがもっと気になっていたと記憶している。
フィルム上映のみならずこれまでのIMAXシアターの2K映像からすると驚異的とも言える高画質映像が眼前に広がるのがデュアル4Kレーザープロジェクションシステム。精細感とコントラストが充分に活かされた緻密な絵を見せてくれる。しかも今回の『ダンケルク』IMAXフルサイズ版ともなると映画の映像以外の情報がいっさい入ってこない。いわゆる“没入”する感覚が味わえるのだ。さすがにこれはホームシアターでは太刀打ちできない。
いっぽうサラウンドについては正直なところまだ課題あり、と感じた。音圧については館内での座席の位置が大きく影響するものだが、さすがにフロントスピーカー群から近い前から6列目では低域がブーミーに聴こえた。音楽にしろサウンドエフェクトにしろやや高めの周波数帯の低域が持ち上げられているような印象で、オーディオビジュアル的に言うと“サブウーファーがボンついている”状態だ。
高域も突き刺さるような鋭い音、というわけではなかったので総じてやや甘さのあるトーンが気にはなった(109シネマズ大阪エキスポシティのシアター11で観た『ボヘミアン・ラプソディ』はキレのある引き締まった低音や繊細なサラウンドで鳥肌が立ったぞ)。ただこれは作品によって、またシステムのエージングや調整がこなれていけば追い追いコンディションはよくなっていくのだろうと思う。まずは観るべし! 聴くべし! 体感すべし! だ。
とにもかくにも待ちに待ったシアターがようやくオープンした。IMAXシアターのシアター12も含め、これまでクールな印象が強かったシネコンのスタイルが“映画館復古”を思わせる暖かみや温もりを感じさせるコンセプトになっているのは個人的にはとてもいいと思った。
チケットの発券は4Fのフロア。シアター12は12Fにある。エレベーターも使えるけれどお薦めはあえてのエスカレーターだ。道すがら壁に延々と映画のポスターが飾ってあり、また他のシアターのエントランスを眺めることも出来る。これが楽しい。今から映画を観るんだぞ! 気分がアガること間違いなしだ。
シアターシステムのさらなる調整やチケットの予約システムの改善、フルサイズのIMAXシアターの旨味を活かした作品の編成など取り組むべきテーマはまだまだあろう。鳴り物入りでオープンしたはいいが映画ファンにとっては箸にも棒にもかからない、ならばこのレポートも実はお届けすることはなかった。期待して間違いなし! と断言してまずはこれを第一報にしたいと思う。