パナソニックは、アメリカ・ロサンゼルスで開催されたCine Gear Expr 2019に出展、現地時間の5月31日にパラマウントスタジオで、「Panasonic Lumix Presents LA Expo Premier Seminar」を開催した。

 その一番の話題は、ルミックスのプロフェッショナル向けモデルとして開発された「LUMIX S1H」だろう。これは現在発売されているS1、S1Rに次ぐ第三弾で、動画記録機能などがさらに進化を遂げているようだ。

 そもそもルミックスの業務用モデルは、ビデオカメラで初めてVFR(バリアブル・フレームレート)撮影を可能にした「Tape VariCam」や世界初のP2ファイルベースのワークフローに対応した「HVX200」など、常に新しい提案を行なってきた。

 家庭用としても2009年のミラーレスデジタル一眼「DMC-GH1」を皮切りに、静止画・動画の両方で高品質な撮影ができる製品をラインナップしてきている。直近では2017年発売の「DC-GH5」で4K/60pの動画撮影機能を搭載、映像制作の現場にまで活躍の場を広げている。

画像: S1Hのイメージ(製品画像は最終ではありません)

S1Hのイメージ(製品画像は最終ではありません)

 その人気を受けて登場したのがDC-S1/S1Rで、こちらはフルサイズのセンサーを搭載、かつLマウントを採用したことでライカやシグマなどの豊富なレンズも使えるようになっている。

 今回発表されたDC-S1Hは、それらで培った信号処理や熱処理に関する業務用のノウハウを投入、さらに機動性を持ったミラーレス一眼を目指したという。

 センサーはフルサイズというが、S1/S1Rのどちらかと同じものなのかといった詳細は明かされていない。ただし、動画特性としては6K/24p(アスペクト比3:2)、または5.9K/30p(アスペクト比16:9)での記録が可能という。さらに4Kシネマモードでは10ビットの色深度をクリアーする。その他にアナモフィック用の4:3撮影機能も備えている。これらすべてのモードで、記録時間無制限の動画記録が可能という。

 階調性、色域はこれまでのハイエンド機同様というから、実使用でも問題はない。14+Stop V-Log/V-Gamutにも対応し、HDR撮影もできる。

 S1Hについては、今回はあくまでも技術発表であり、正式な発売時期や価格等は未定とのことだが、2019年秋頃を目標にしているようだ。

S1シリーズのユーザーにひと足早く朗報が

 なお今回、S1向けにS1Hで搭載されている機能を手に入れられるアップグレードキット「DMW-SFU2」(市場想定価格2万円前後、税別)が発売されることになった。7月18日のリリース予定だ。

 販売店、またはウェブサイトからDMW-SFU2のソフトウェアキーを購入し、ネット経由で順次ファイルをアップデートすることで以下の機能が使えるようになる。

「DMW-SFU2」の主なアップグレード項目
●VARICAMの「V-Log」機能に対応
●14+ストップV-log/V-Gamutに対応
●4K/10ビット/4:2:2動画記録モードを追加
●4K/60p HDMI出力対応
●LUT表示機能

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