FiiOは、デジタルオーディオプレーヤー（DAP）の新製品として「M11」を、5月～6月を目途に発売すると発表した。価格はオープンで、想定価格は開示されていないが、「価格競争力のあるレンジ」になるよう調整しているという。
FiiOの最新DAP「M11」
M11は、同社DAP“Mシリーズ”の中核となるモデルで、ラインナップとしては「X5 3rd」の後継に位置するという。本体サイズは「X7 MKII」と同等になるそうだ。
M11は、DACチップに旭化成エレクトロニクスの「AK4493EQ」をデュアルで搭載しているのが特徴で、左右チャンネルごとに独立して駆動させることで、ノイズや歪を大幅に抑制。結果、音質向上に結実させたという。
また、本機には主にスマートホン（ミドルクラス）に使われているSoC「Exynos 7872」を搭載することで、スマホライクな高速動作を実現。電源オフ（スリープ）からの起動や、各種動作の反応も格段に向上しており、文字通りスマホライクな使い勝手を身に着けた製品と言えるだろう。
ベースとなるのはAndroid OS（7.0）であり、動作モードはスマホライクなAndroidモードと、FiiOのオリジナルアプリ「FiiO Music」によるピュアミュージックモードの2種類から、好みの操作感で、音楽再生が楽しめるようになっている。
ちなみに、そのFiiO Musicアプリは、OS標準搭載のサンプリングレートコンバーター（SRC）を回避して動作するよう（OSが）カスタマイズされており、音楽再生に特化した、音質向上に特化した仕様にまとめられているのも特筆事項だろう。
対応サンプリングレートは、PCM系は384kHz/32bit、DSD系はDSD256（11.2MHz）までネイティブ再生に対応しており、ミドルクラスのモデルながら、ハイエンドモデルに迫るスペックを持っている。
プラグについてはなんと、3.5㎜ステレオミニ、2.5㎜4極バランス、4.4㎜5極バランスの3種類に対応（搭載）しており、同じ音源をプラグを替えて聞き比べる、といったマニアックな使い方も楽しめる。なお、ヘッドホンアンプは新設計のフルバランス構成とした上で、さらに音質を向上させるために電源やフィルター回路にも改良のメスが入っているという。
ヘッドホン端子は、3.5㎜、2.5㎜、4.4㎜を搭載。端子ごとの聞き比べも楽しめる
アンプ回路には、TIと協業によるカスタム仕様のオペアンプ「OPA926」を搭載。ノイズや歪の低減、あるいはポータブル機器に必要な省電力をさらに進めたチューニングを施した上で使用している。
ワイヤレス関連では、Bluetooth、およびWi-Fiに対応。BT対応コーデックはaptX、aptX HD、LDACに加え、最新のHWA（LHDC）もサポートしている。Wi-Fi対応ということで、AirPlayも楽しめる。
操作面で便利（面白い）と言えるのが、「FiiO LINK」だろう。これは、同社DAPに継続搭載されてきたもので、FiiO MUSICアプリをインストールしたスマートホンと、FiiO製DAPをリンク（紐づけ）すると、スマホ側からDAPを遠隔操作できる、という機能。現在はAndroid OSのみのサポートだが、近日中（詳細未定）にiOS版も配布される予定だという。
画面はIPS仕様の液晶で、サイズは5.15インチ（アスペクト比は18:9）。フロントパネルの画面占有率はおよそ86％で、見た目にもスマホライクな仕様にまとめられている。
マイクロSDカードスロットは、本体右側面に装備。SIMカードのようにピンを挿して開けるタイプ
半透明のシリコンケース
なお、M11は4月27、28日開催の「ヘッドフォン祭」のエミライブースで展示されるほか、4月29日には有楽町のビックカメラで先行試聴会も実施される予定だ（11:00～18:00、1F）。
M11の主な仕様
CPU：Exynos 7872
DAC：AK4493EQ×2
カードスロット：マイクロSDカード×2
ヘッドホン端子：3.5㎜ステレオミニ、2.5㎜4極バランス、4.4㎜5極バランス
内蔵バッテリー：3800mAh
再生時間：約13時間（3.5㎜ステレオミニ再生時）、約9時間（バランス再生時）
推奨インピーダンス:16～150Ω
寸法：W70.5×H130×D15.5㎜
質量：約211g
