映画の製作・配給・上映などを手掛けているアップリンクは、パルコと共同で新しい映画館「アップリンク吉祥寺パルコ(通称 アップリンク吉祥寺)」を、12月14日にオープンする。12月12日には報道陣に向けた内覧会が行なわれた。
アップリンク吉祥寺は、JR吉祥寺駅前にある吉祥寺PARCOの地下2階に開設される、スクリーン数は5、座席総数は300席の、ミニシアターが集まったシネコンだ。5つのスクリーンはそれぞれデザインコンセプトが異なっており、それは内装や椅子、照明にも反映されている。さらに、エントランスからフードコート、劇場をつなぐ回廊(廊下)にもさまざまなデザインが施されており、同社が掲げている「映画を観る体験を特別なものにする」「(劇場を)カルチャーのホットスポットにする」といったコンセプトに沿った装飾が行なわれている。
使用する機材は統一されており、プロジェクターはDLP方式の「NC1000c」、スクリーンはオーエスの「サウンドマット」、アンプはイタリアパワーソフト社製「OTTOCANALI K4シリーズ」、スピーカーは田口音響製作所の平面スピーカー(&サブウーファー)、サーバーは日本初導入というGDCの「SR1000」を使用している。
さらに、フード&ドリンクメニューにもこだわりが反映されており、注目はコーラ好きが高じてクラフトコーラメーカーを興したコーラ小林氏の「伊良コーラ」も楽しめる。
12日の内覧会では、劇場作りに関わった、建築家の北嶋祥浩氏、田口音響研究所の田口和典氏、照明デザイナーの中村亮子氏、伊良コーラ代表のコーラ小林氏(聞き手はアップリンク 浅井隆社長)らが登壇してのトークショーも行なわれた。
各自のコメントを簡潔に紹介すると、「既存の施設をリニューアルすることで、都市のなかに映画館を新しく入れることができることを実感できた」(北嶋氏)、「理想的な波面を作り出せる平面スピーカーによる音響で、感動が倍増するサウンドを実現できた」(田口氏)、「スクリーンごとにコンセプトが異なる回遊型の映画館のデザインは、ニューヨークでも見たことがなく、チャレンジングだった」(中村氏)、「普段は一人で、移動販売車で売って(作って)いるので、劇場内でどう作るのか? が苦労したポイントです」(コーラ小林氏)。漢方職人だった祖父の意思を受け継ぎ、自らさまざまなスパイスなどを調合して(コーラを)作っているそうだ(劇場では、彼が作った原液?を元に、教えを受けたスタッフが作ってくれる)。
なお、劇場サウンドのインプレッション&アップリンク社長 浅井隆氏へのインタビュー記事は、来週公開予定。お楽しみに。
アップリンク吉祥寺パルコ概要
オープン:2018年12月14日(土)
場所:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-5-1 吉祥寺パルコ地下2階
スクリーン数:5
座席数:総数300席
上映作:映画祭で話題の作品、アート系作品、インディーズ作、ファミリー作品など
https://joji.uplink.co.jp/
スクリーン1
座席数:63席
イメージ:POP
スクリーン2
座席数:52席
イメージ:RAINBOW
スクリーン3
座席数:98席
イメージ:RED
スクリーン4
座席数:58席
イメージ:WOOD
スクリーン5
座席数:29席
イメージ:STRIPE