励磁型/パーマネント型を交え、ブランドも混成のヴィンテージユニットによる2ウェイをマルチアンプ駆動し、音をまとめ上げる実践試聴。ウーファーはモーショグラフ製とジェンセン製の励磁型。ドライバーは励磁型がWE555とモーショグラフSE7015、パーマネント型がICP、RCA、JBL製。低域用/高域用アンプも幅広く組み合わせ、音作りの新しい可能性を探った。

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【8】
モーショグラフSE7034 低域
JBL2440+JBL2397 高域

画像1: 【Vintage】励磁/パーマネント型 46cmウーファー/ドライバー+ホーン「圧倒の2ウェイ・サウンド」 Part.5

JBL 2440+JBL2397
1971年発売の2440は既存の375のプロシリーズ版と考えてほぼ差し支えないが、マグネット形状、ダイヤフラム品番に若干の相違がある。システムとしては唯一4350に採用されるが、ほとんどの用途はPA、SRなどである。PAの場合は2350、2355などの大型ラジアルホーンが採用されたが、SRあるいはモニター用途には2397が優れているといえる。高密度のパーチクルボードにグレー塗装が施され、2インチ口径のスロートアダプターとして2328(シングル)/2329(ダブル)、さらに1インチ用として2327アダプターも用意された。(杉井)

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画像3: 【Vintage】励磁/パーマネント型 46cmウーファー/ドライバー+ホーン「圧倒の2ウェイ・サウンド」 Part.5

パワーアンプ
アルテック1520T 低域用
IPC AM1027 高域用

JBLドライバー+ホーンの揺るぎない組合せの妙が感じられる

土井 中高域をJBLの2440ドライバーと2397ホーンに換えました。再び励磁型の低域とパーマネント型の中高域の組合せです。アンプはそのままです。モリソン方式ネットワークはクロスオーバー周波数を500Hzとして、低域のボリュウムを2時ぐらいの位置に下げました。

 これは前号でも試した組合せで、その時の組合せからアンプを変更したことになりますね。もう50年ほど前になりますが、日本コロムビア勤務時代の約10年、JBLをモニターシステムとして聴いていました。S7というシステムで、おそらくLE15AとLE85の組合せ。アンプはマランツ#9で、朝から晩までカッティングルームで立ち会っていた頃を思い出しました。忘れない音です。JBLの音というのは絶対にどこで聴いても分かる。ここまで聴いてきて良い音はいくつもありました。だから「良い音」はたくさんあり、人それぞれに、聴く音楽によっても変わってくる。50年前に聴いた音がパッと出てきて、あの頃の音だと思える。オーディオは不思議ですね。

杉井 前号で同じユニットと箱で聴きましたが、アンプが変わり、よりJBLらしい音になったと思います。低域はモーショグラフの18インチ励磁型ウーファー、アンプはアルテックなのに、いかにもJBLという音が出るのは、このドライバーとホーンの組合せが揺るぎないということでしょう。この2ウェイをサッと置いただけで、これだけの音で鳴ってJBLの味も表れてくる。個人的にはオーディオをやっていて良かったなと思えるレベルの音です。

土井 以前、2440ドライバーとD130ウーファーの組合せをアルテックH825に入れて鳴らしたことがあり、そこで私は「これが優勝」と言った記憶があります。JBLなのにJBLにとどまらないトーンがあったからです。この組合せもバランス的には何の不満もありませんが、これはやはり「JBLの音」です。JBLトーンを脱却してさらに普遍的な音を目指せるのではという感触もあります。

低域/高域ともアンプを変更

画像4: 【Vintage】励磁/パーマネント型 46cmウーファー/ドライバー+ホーン「圧倒の2ウェイ・サウンド」 Part.5
画像5: 【Vintage】励磁/パーマネント型 46cmウーファー/ドライバー+ホーン「圧倒の2ウェイ・サウンド」 Part.5

パワーアンプ
ノーザン・エレクトリックR4141A 低域用
ウェスタン・エレクトリック143A 高域用

土井 低域をノーザン・エレクトリックR4141A、高域をWE143Aで鳴らしてみます。モリソン方式ネットワークで低域のレベルを3時の手前の位置まで上げました。

 「マーラー」は、まさにボストン・シンフォニーの音そのものが再現され、素晴らしかったです。「ベイシー」は程よく輝きが抑えられた落ち着きのある鳴り方になりました。「ちあきなおみ」は、ストリングスのしっとりとした再現が良かったですね。これは見事なバランスの再生でした。

杉井 アンプを換えただけで、全然印象が変わりました。ひとつ前が究極のモニターサウンドだとしたら、こちらはもっとリラックスして聴ける組合せ。音に潤いと独特のコクがあり、真空管アンプで鳴らしているという感じがよく出ています。

 「マーラー」は劇場でオーケストラが演奏している雰囲気が味わえ、聴き応え十分でした。「ベイシー」は音自体が穏やかになり、もう少しソリッド感がほしい印象ですね。「ちあきなおみ」は、ノーザンらしい中高域の美しさがよく出ていて、声も透き通り、空にすっと抜けていくような、聴いていて爽快感のある良い音でした。ただ、先程の組合せで感じられた緊張感も良くて、甲乙付け難いですね。

土井 新さんから1520T+AM1027の組合せのとき「懐かしいJBLの音」とお話がありましたが、アンプの変更で、より人間味のある音になったかなと思いました。特に「ちあきなおみ」は聴いていて疲れない、とても良い再生でした。

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