コンデンサーによるローカットのみで、ヴィンテージJBL製15インチフルレンジユニットD130とホーントゥイーター075を組み合わせ、現行/ヴィンテージのコンデンサーの種別と銘柄による音の違いを探る。コンデンサー種別の考察と使い方のガイドも盛り込む実践試聴企画だ。

──続いて、JBLのクロスオーバーネットワークN2600を使い、075トゥイーターを接続した状態で「ブルーベック」を聴いていただきました。スロープは−12dBで、クロスオーバー周波数は2.5kHzです。

 トゥイーターが威張っていて、音楽として聴きづらい感じになりましたね。

杉井 中域の音に翳りが出て、落ち着いた感じといいますか、ランサー101やオリンパスなどの60年代のJBLの家庭用システムに通じる音味や懐かしさを感じます。075のレベル調整はN2600の内蔵アッテネーターで行ないますが、1~4の印字のある位置まで大幅に高域のレベルが変わり、それ以上はほとんど変わりません。

岡田 純正ネットワークでは、高域のレベル調整がかなり難しいと思います。完成形のフルレンジにトゥイーターを足すのは、難しくもあり、挑戦しがいのあるテーマなんですよ。

画像2: 【実験工房】JBL D130と075で2ウェイシステム構築/ローカット用コンデンサー比較試聴 Part.1

JBL N2600
ディバイディング・ネットワーク

低域D130+高域075による2ウェイ構成の「030システム」で標準使用されているクロスオーバーネットワーク。クロスオーバー周波数は2.5kHz。最初期はN2500という名称だが、その後16Ω/32Ωのインピーダンス切替スイッチを搭載するN2600、切替えスイッチがないN2400の2機種に置き換わった。

──では、N2600ネットワークを外して、いよいよコンデンサー1基で高域をローカットする試聴に移ります。現行品8種、杉井さんと岡田さんにご用意いただいたヴィンテージ品4種をそれぞれ繋ぎ替えて、音の違いを聴いて行こうと思います。

杉井 ユニット間を繋ぐコンデンサーの違いは、真空管アンプで言えばトランス類の違いに近いものがある、と昔から感じています。

岡田 トゥイーター075は、アルテック612Aの天板上にどのように配置しますか。

杉井 まず、ウーファーD130とボイスコイル位置が同じになるよう、銀箱の前面から8.5㎝ほど下げてセットします。そうすれば、位相的に問題がないと思えるポジションです。スロープが−6dBの場合には、低域も高域も正相で繋ぐ方法が一般的なセオリーですが、今回は、D130をフルレンジで使っているため、正相では、クロス付近の音圧が聴感上高くなりすぎました。そのため、ウーファーを逆相接続として、聴感上の位相は075を前後させて一番つながりが良く聴こえる位置に調整しました。また、075のアッテネーターにはマロリー製30ΩLパッドを使います。ネットワークではコンデンサー同様にアッテネーターで音が決まってしまうところがありますから、音が良さそうなマロリーを選びました。事前試聴で、12時辺りのポジションで音のバランスが取れました。

 クロスオーバー周波数はどれくらいですか。

岡田 用意したコンデンサーは基本的に2.2μFですので、スロープ−6dB、16Ωで計算すると、およそ4.5kHzです。純正ネットワークと同様の聴感が得られる条件だと思います。

画像4: 【実験工房】JBL D130と075で2ウェイシステム構築/ローカット用コンデンサー比較試聴 Part.1
画像5: 【実験工房】JBL D130と075で2ウェイシステム構築/ローカット用コンデンサー比較試聴 Part.1
画像6: 【実験工房】JBL D130と075で2ウェイシステム構築/ローカット用コンデンサー比較試聴 Part.1

試聴ディスク

『テイク・ファイヴ』デイヴ・ブルーベック・クァルテット
CD-R(グッディーズ 33CDR-3519)
よりTr.1「テイク・ファイヴ」
文中:「ブルーベック」

『パガニーニ&J.S.バッハ:ヴァイオリン協奏曲』五嶋みどり(vn)、レナード・スラットキン指揮、ロンドン交響楽団
CD(日本フォノグラム PHCP-5011)
よりTr.3
「パガニーニ:ヴァイオリン協奏曲第1番 第3楽章」
文中:「パガニーニ」

『Stereo Sound Reference Record Vol.1 菅野沖彦 選曲・構成』
CD(ステレオサウンド SSPH-3001)
よりTr.4
エリー・アーメリング(S)
「シューベルト:音楽に寄せて D547」
文中:「アーメリング」

・Part.2は、1月30日の正午に公開予定です。

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