去る2月と3月、大阪で2つの音響イベントが開催された。1つは3回目の開催となる『テレビ音声マンが教える!配信音声の作り方セミナー』(主催:株式会社結音/於・フェニーチェ堺)で、こちらは表題どおりライブ配信時の音作りを解説するセミナー。
 もう1つは『SPAT Revolution+AlconsAudio フロンタルライン・システム デモ試聴会@大阪』(主催:有限会社ティースペック・ライブデバイス/於・ESPエンタテインメント大阪 ClubGarden)で、こちらは「Flux SPAT Revolution」と「Alcons Audio」のスピーカーを使用したイマーシブ・ライブ・サウンドの試聴体験会だ。ここではその模様をレポートすることにしよう。

テレビ音声マンが教える!配信音声の作り方セミナーvol.3

画像: 大阪・堺市の「フェニーチェ堺」で開催されたセミナー・イベント、『テレビ音声マンが教える!配信音声の作り方セミナーvol.3』

大阪・堺市の「フェニーチェ堺」で開催されたセミナー・イベント、『テレビ音声マンが教える!配信音声の作り方セミナーvol.3』

 各種コンサートやイベントのPA、ライブ配信、音源制作などを手がけている大阪の音響会社「結音(ゆいおん)」。YouTubeやSNSで積極的に発信していることでも知られる同社が昨年からスタートしたのが、『テレビ音声マンが教える!配信音声の作り方』と題したセミナーだ。このセミナーでは、ベテラン・エンジニアの大北素士氏と名うてのミュージシャンをゲストに迎え、ライブ配信時のボーカル/生楽器の音作りを実際にオペレーションしながら分かりやすく解説。会場ではメーカー/代理店各社の協力のもと、PA/配信機器のミニ展示会も開催されるという、関西エリアでライブ配信に取り組んでいる人に大好評のイベントだ(第2回目のレポートは、PROSOUND誌2022年6月号に掲載)。

 第3回目となる今回は、去る2月16日(木)、大阪堺市のホール『フェニーチェ堺』で開催された。当日は大ホールと小ホールの両方を使用し、小ホールでの生演奏(キーボード/ベース/ドラム/パーカッション)の音声と映像をDante AVを使って大ホールへと配信。大ホールに配信された音声は、大北氏が「ヤマハ QL5」でミックスし、受講者は持参のヘッドフォンで確認するというシステムが採用された。大北氏はライブ配信で重要になるマスターコンプやダイナミクスの処理を実演を交えて丁寧に解説。最後は受講者の質問コーナーでセミナーは終了した。

 なお、このセミナーは、「結音」の動画販売サービス『ユイオンデマンド』で、オンデマンド配信されている。『ユイオンデマンド』では第1回目、第2回目のビデオも配信されており、無期限ダウンロードと視聴期間限定のレンタルを選択することが可能。興味のある方は、ぜひ「結音」のWebサイト( https://yuionn.jp/ )をチェックしていただきたい。

画像: 会場ではメーカー/代理店各社の協力のもと、PA/配信機器のミニ展示会も開催された

会場ではメーカー/代理店各社の協力のもと、PA/配信機器のミニ展示会も開催された

画像: 主催の「結音」代表、藤森暖生氏

主催の「結音」代表、藤森暖生氏

SPAT Revolution+AlconsAudio フロンタルライン・システムデモ試聴会@大阪

画像: 大阪・梅田の『ESPエンタテインメント大阪』本館3階にあるホール『ClubGarden』で開催された『SPAT Revolution+AlconsAudio フロンタルライン・システム デモ試聴会@大阪』

大阪・梅田の『ESPエンタテインメント大阪』本館3階にあるホール『ClubGarden』で開催された『SPAT Revolution+AlconsAudio フロンタルライン・システム デモ試聴会@大阪』

 去る3月10日(金)、大阪・梅田の『ESPエンタテインメント大阪』本館3階にあるホール『ClubGarden』において、ライブ・サウンドにおけるイマーシブ・オーディオの体験試聴会が開催された。主催したのはお馴染み橋本敏邦氏の「ティースペック・ライブデバイス」で、なかなか実際に体験することができない“ライブ会場におけるイマーシブ・オーディオ”を試聴できる貴重な機会となった。

 ホールに設置されたスピーカーは、リボン・ドライバーを搭載した「Alcons Audio」社の超小型ラインアレイで、フロンタルライン5でセッティング(舞台前面上部にフライング)。ミキシング・システムは「Flux」社の「SPAT Revolution」で、橋本氏自らオペレーションを担当した。

 試聴ソースとして使用されたのは、録音された音源と生バンドの演奏で、橋本氏は音響システムをイマーシブ化することによって可能になる、“プレーヤーの立ち位置と発音位置の一致/不一致のコントロール”を、時間をかけてデモンストレーション。参加者は客席を自由に歩き回りながら、従来のステレオ・システムでは作り出すことができない音像を存分に体験していた。

 現時点では映画や音楽コンテンツ向けの技術というイメージのあるイマーシブ・オーディオだが、高い音声明瞭度と広大なダイナミック・レンジを備えたPAスピーカーと、オブジェクト・ベースの革新的なミキシング・ツール=「SPAT Revolution」を組み合わせることで、ライブ・サウンドの世界においても有用であることを実証した今回のイベント。特に生バンドの演奏によって、ライブ・サウンドにおけるイマーシブ・オーディオの可能性を感じた来場者は多かったのではないだろうか。

 主催した橋本敏邦氏によれば、今後も機会があれば、ライブ・サウンドにおけるイマーシブ・オーディオのイベントを開催していきたいとのこと。興味のある方は「ティースペック・ライブデバイス」のWebサイトやSNSなどをチェックしていただきたい。

取材協力:株式会社結音、有限会社ティースペック・ライブデバイス、イースペック株式会社、株式会社メディア・インテグレーション

画像: 主催した「ティースペック・ライブデバイス」の橋本敏邦氏

主催した「ティースペック・ライブデバイス」の橋本敏邦氏

画像: フロンタルライン5でセッティングされた「Alcons Audio」社の超小型ラインアレイ

フロンタルライン5でセッティングされた「Alcons Audio」社の超小型ラインアレイ

画像: ミキシング・システムは「Flux」社の「SPAT Revolution」

ミキシング・システムは「Flux」社の「SPAT Revolution」

画像: 「SPAT Revolution」の前段のハウス・ミックスは「Waves LV1」で行われた

「SPAT Revolution」の前段のハウス・ミックスは「Waves LV1」で行われた

株式会社結音 https://yuionn.jp/

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