
グランプリを獲得したイートンのスピーカーHEX-28 + HEX-165、その魅力とは。ここでは栗原祥光氏と脇森宏氏によるレビューを紹介する。

ややクールで知性を感じさせる音色と深い奥行き表現が印象的
適度に音を引き締めながら、ここぞという時に力強くドライブする小さな巨人
文=栗原祥光
コンパクトでマットグレー仕上げのアルミダイキャストボディだけで、品位の高さを想わせるクラスDパワーアンプ。出力は190W×2ch(4Ω)で、640W×1chのブリッジモードにも対応する。パラレル構成のMOS-FETと大容量の平滑コンデンサーからなる強力な電源部が奢られたほか、PWM変調後のローパスフィルターにフィルムコンデンサーと平板巻きOFCコイルを用いるなど、高音質化に対する正統なアプローチに好感を抱く。機能面ではヘッドユニットのスピーカー出力に接続できるハイレベル入力を用意するほか、ハイパス側が15~300Hz、ローパス側が30~300Hzの範囲で調整可能な‐12dB/Octのクロスオーバー回路も搭載する。
ややクールで知性を感じさせる音色と深い奥行き表現が印象的。見通しがよくフレッシュな音を信条とするパワーアンプと聴いた。ウーファーの制動力が高く、適度に音を引き締めながら、ここぞという時に力強くドライブするあたりに、導入効果が確実に得られる満足度の高い小さな巨人であることを想わせた。まず最初にパワーアンプを導入してみたい、という方には勿論のこと、導入しやすい価格でもあるので複数台によるマルチウェイ駆動にも好適だ。ちなみに姉妹品として、同じボディサイズで105W×4ch出力のMA4と少し幅広になるが120W×6ch出力のMA6がラインアップされている。
飾らず、削がず、誇張せず――質実剛健な音が持ち味
派手さはないが、音楽をじっくり味わいたい人に、この音質は好適だろう
文=脇森 宏
イートンは1983年創立のドイツブランド。欧州でも数少ないユニット製造メーカーであり 、自動車メーカー純正および市販の両面で広く透、確乎たる地位を築き上げている。また近年ではスピーカーとアンプに記念碑的モデルともいうべきCOREシリーズを登場させ、同社の高い技術力と巧みな音作りを強く印象づけたのは記憶に新しいところだ。
クラスDへの移行は車載アンプの大きな潮流となっているが、イートンも積極的にデジタルアンプを開発、多彩なシリーズを展開している。今回聴いたMA2は、同ブランドの中核を成すMAシリーズの2ch機。強力な電源部に加え低歪み、高S/Nを追求したパルス変換回路をコンパクトなボディに搭載し190W✕2(4Ω)、640W✕1(BTL接続、4Ω)を発生。内蔵クロスオーバーのオン/オフに関わらず調整が可能なリモートレベルコントローラーが付属、ハイレベル入力への対応やオートパワーオン機能等とともに利便性を高めている。
飾らず、削がず、誇張せず――質実剛健な音がイートンの持ち味だが、本機はその基本トーンを守りながらクラスDならではの余裕あるパワーをベースに、いっそうの伸びやかさとしなやかさ、きめ細かな描写力を獲得。音楽表現力を一段と高めた印象を受ける。派手さはないが、音楽をじっくり味わいたい人に、この音質は好適だろう。純正システムからのステップアップはもちろん、かなりの上級者まで、幅広いユーザーが安心、信頼して使えるアンプに仕上がっている。

イートン ETON
Power Amplifier
MA2
¥88,000 (税込)
SPECIFICATION
●定格出力:190W×2(4Ω)、310W×2(2Ω)、640W×1(4Ω)
●入力感度:450mV~6.0V(ライン)、1〜15V/15〜40V(ハイレベル入力)
●入力インピーダンス:22KΩ(ライン)
●ハイレベル負荷切換機能:10Ω/150Ω/600Ω
●周波数特性:10Hz~30kHz
●歪み率:0.003%以下
●SN比:93dB以上
●ダンピングファクター:213以上
●内蔵フィルター:HP/LP/BP切替式
●カットオフ周波数:HPF・15~300Hz(Butterworth-12dB/oct)、LPF・30~300Hz(Butterworth-12dB/oct)
●リモートレベルコントローラー付属(5.0mケーブル付き)
●外形寸法:W160×H51×D184mm
●重量:1.7Kg




