画像1: Auto Sound Web Grand Prix 2024:クワトロリゴ INGOT 3 パワーアンプ、Bronze Awardスペシャルレビュー

ブロンズアワードを獲得したイタリア、クワトロリゴのINGOT 3(インゴット・スリー)パワーアンプ、その魅力とは。ここでは石田功氏と黛健司氏によるレビューを紹介する。

画像2: Auto Sound Web Grand Prix 2024:クワトロリゴ INGOT 3 パワーアンプ、Bronze Awardスペシャルレビュー

世界限定125ペアのA級動作のモノーラル機2台セット
アンプ自体が音楽をわかっていて一緒にうたっているような雰囲気がある

文=石田 功

 最近、ヘッドユニットの内蔵アンプがハイクオリティになったり、質の高いデジタルアンプが出てきたりして、高級アンプの存在感が薄れてきている感もあるが「やはり良いA級アンプは素晴らしいなぁ」と実感したのが、このクアトロリゴのインゴット3。A級動作のモノーラルアンプが2台のセットで、世界限定125ペアというから入手はなかなか困難かもしれないが、聴く機会があったら是非聴いてもらいたい逸品だ。

 その良さは、音を聴いた瞬間から実感できる。ヴォーカルが立体的に浮かび上がり、リアル感がもの凄く伝わってくるのだ。またストリングスの抑揚感も素晴らしい。繊細なアンサンブルを聴かせる中で、ここはヴァイオリンが前に出てきて欲しいんだよなというところで、きっちり前面に出てきてソロを奏でたりと、欲しい音がしっかりと出てくる感じ。そして低域も深く沈む。アンプ自体が音楽をわかっていて、一緒にうたっているような雰囲気があるのだ。おそらくペアマッチが入念に取られているのだろう。下手なデュアルモノアンプと違って、チャンネル誤差はまったく感じないし音場の立体感を描いてくれる。ちょっと明るめのキャラクターもイタリアのアンプらしいところ。そしてこのアンプ、モノアンプを2台連結してブリッジできるそうで、そのような使い方をする人はいないだろうが、ブリッジ接続したらどんな音がするんだろうと興味をそそる。

モノブロック機ならではの独特の世界を感じさせる驚きの広大な音場再現
ヴォーカルの艶っぽさが絶妙で、ビブラートの震えに身震いしてしまう

文=黛 健司

 カーオーディオのパワーアンプにおいては、2チャンネル、4チャンネル、6チャンネル……と、ひとつの筐体で多チャンネル化を図る手法が主流だが、クワトロリゴ25周年記念モデルとして登場した本機は、1チャンネル1ボディのモノブロック機で、ステレオ再生には2台が必要という、徹底したクォリティ追求思想で開発されている(記念モデルゆえ、世界限定125ペア! のみの生産という)。

 A級動作で定格出力は110W(4Ω)。1Ω負荷で310Wが保証されていることからも、このパワーアンプの実力のほどが伺える。金色に輝くアルマイト加工のシャーシにはレーザー彫刻によりロゴや各種表示が記され、コネクター類は真鍮ブロック削り出しの金メッキ処理と、こだわりの造り。内部をのぞくと、回路基板には「100% MADE INITALY」と誇らしげに表示されているのを発見して嬉しくなる。

 音を聴いてみると、広大な音場感の再現に驚く。これほど音場が深々としているのは、モノブロック機ならではの独特の世界だ。これを聴いた後だと、たとえば、同じクワトロリゴのステレオ機では、音場がスピーカーの中央に固まってしまうような印象さえ受けるから面白い。音楽が躍動する魅力的な世界が眼前に展開し、ヴォーカルの艶っぽさが絶妙で、ビブラートの震えに身震いしてしまう。楽器の音が艶やかで輝きに満ちているのも印象的。骨格のしっかりした音で、安定感は抜群。オーケストラの大音量再生では、悦楽の境地に遊ぶことができた。

画像1: モノブロック機ならではの独特の世界を感じさせる驚きの広大な音場再現 ヴォーカルの艶っぽさが絶妙で、ビブラートの震えに身震いしてしまう

クワトロリゴ QUARTORIGO
Power Amplifier
INGOT 3
¥880,000(ペア/税込)
※世界125ペア限定生産品(国内在庫有)

●定格出力 4Ω:110W×1(4Ω)、190W×1(2Ω)、310W×1(1Ω)、380W×1(4Ω、2台使用ブリッジ接続時)、620W×1(2Ω、2台使用ブリッジ接続時)
●アイドル電流:2A未満
●入力感度:0.28~8.5V
●入力インピーダンス:48kΩ
●周波数特性:7Hz~42kHz
●SN比:90dB超
●外形寸法:W324×H40×D187mm
●重量:2.5kg

画像3: Auto Sound Web Grand Prix 2024:クワトロリゴ INGOT 3 パワーアンプ、Bronze Awardスペシャルレビュー

天面にびっしりとプリントされているアルファベットの中に太字で「25TH ANNIVERSARY LIMITD EDITION」が確認できる。黄金のインゴットは25周年記念特別モデルである。

画像4: Auto Sound Web Grand Prix 2024:クワトロリゴ INGOT 3 パワーアンプ、Bronze Awardスペシャルレビュー

サイドパネルにはA級動作を示す「CLASSE A」の文字とシリアルナンバーが印字されている。試聴取材で利用した個体は118番目。全世界125ペア、250台が生産されている。

画像5: Auto Sound Web Grand Prix 2024:クワトロリゴ INGOT 3 パワーアンプ、Bronze Awardスペシャルレビュー

金色のアルマイトに白い文字がびっしりとプリントされている。よく見ると文章になっているようだ。画像は天面の左上をクローズアップしたところ「MUSIC THE ORIGINAL SOUND……」と読むことができる。

画像2: モノブロック機ならではの独特の世界を感じさせる驚きの広大な音場再現 ヴォーカルの艶っぽさが絶妙で、ビブラートの震えに身震いしてしまう

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