ソニーホンダモビリティは、2023年1月に北米で開催されたCESで展示、大きな話題となったEV「AFEELA Prototype」をプレス向けイベント「MEET AFEELA」で日本初披露。10月28日(土)から一般公開されるジャパンモビリティショーで展示することなどが発表された。
ソニーホンダモビリティ株式会社の代表取締役社長兼COOの川西氏は、車輌に並んで登壇し、AFEELAが1月のCES発表以来の活動を紹介、さらに今後の取り組みについて語った。
車両の開発は現在も精力的に行われており、AFEELAの発売時期については2026年春に北米で、日本では2026年中を目指しているという。この他、AFEELAの開発にまつわる話として「AFEELA共創プログラム(仮称)」の構想を公にし、今後大いに注目されそうだ。
AFEELA共創プログラム(仮称)とは、世界中のクリエイター、デベロッパーと共に、新たなモビリティ体験を作り上げようというオープンイノベーションを想定したもの。例えば、Media Barと呼ばれる車外に配置されているディスプレイ、車室内のパノラミックスクリーンと呼んでいるダッシュボードのテーマ変更、走行中のeモーターサウンドの音源や、ナビアプリの地図上に独自の付加情報を重畳する機能などAFEELA上で動作するアプリケーションやサービスを自由に開発できる環境を用意するのだという。
AFEELA共創プログラム(仮称)
概要
AFEELAを知性を持ったモビリティとして育て、ユーザーにとって唯一無二の存在、愛着を持てる存在になれるよう、従来のクルマの価値に加えて、新しいモビリティの可能性を追求していく。自社の知見だけに閉じることなく、社外のクリエイターやデベロッパーが、自由にAFEELAの上で動作するアプリケーションやサービスを開発できる環境を提供し、クリエイティビティを表現・共創できる場をデジタル上で用意する。
- 作成/開発アイテム(予定)
- メディアバー(コンテンツ)
- パノラミックスクリーン(テーマ)
- eモーターサウンド
- マップ上の付加情報
- アプリケーション
- ユーザーが一番目にする機会の多いUIを中心とした情報を提供していく。エクステリアのMedia Barや、フロントに配置されたパノラミックスクリーンと呼んでいるダッシュボードのテーマ変更、走行中のeモーターサウンドの音源、ナビアプリの地図上に独自の付加情報を重畳する機能、さらに自由にアプリケーションやサービスを開発できる環境を用意する。アプリケーションの動作環境はAndroid OSを予定。
- 開示情報(予定)
- 車両データや走行データ等を開示
- クラウドAPI*1連携
- よりユニークなサービスを実現するために、AFEELAの車両データや走行データなどのうち 開示できる情報をセキュアに提供。クラウドAPIを用意し、クラウド経由でサーバ間連携等も容易にする。 エンタテインメントから、日々の生活に役立つものまで、ユーザーのライフスタイルに合わせた多様な利用シーン が検討可能。
SHMは人とモビリティの関係を、広く、深く、オープンに探究していきたい。ユーザーがAFEELAに愛着を持っていただけるよう、AFEELAをデジタルガジェットとして自由に表現できるために開発環境のオープン化を進める。この取り組みが、モビリティに変化を起こし、モビリティと社会をつないでいくサービスに進化していくことを期待。SHMは、ユーザーだけでなく、クリエイターやデベロッパーとともに、クリエイティブなコミュニティを発信していく。
*1API: アプリケーション・プログラミング・インターフェース(Application Programming Interface)の略称
カーエンターテインメントの分野も自社だけにとどまらず、広くアイデアを募ろうということのようだ。こうした取り組みはこれまで例のなかったことだけに、AFEELAの最終仕様がどうなるのか目が離せない。
またジャパンモビリティショーでは、ソニーホンダモビリティがブースを出展、AFEELA Prototypeの実車も一般公開されるとのこと。こちらも大勢の来場者が詰めかけそうである。