オリオラスジャパンから、NiPOの新製品となる、MagSafe対応のポータブルDACアンプ「A200PRO」が7月24日に発売される。価格はオープンで、想定市場価格は¥90,000前後。本日7月17日より予約を開始する。


新製品のA200PROは、スマートフォンとの組み合わせを想定したMagSafe対応のポータブルDACアンプ。前作「A100」が提案した「スマートフォンを本格再生機へ引き上げる」という思想を継承し、出力性能、電源設計、クロック精度、RF耐干渉性能、操作性、携帯性、拡張性を全面的にブラッシュアップしたという。
スマートフォンでの音楽再生において課題となる電源ノイズ、RF干渉、USB伝送品質のばらつき、ドングル型DACで不足しがちな駆動力に対し、NiPO独自のアーキテクチャで包括的にアプローチ、これをクリアしているという。
最大1620mW+1620mWのバランス出力、AK4497SVQ、改良型CMMTカレントミラーI/V変換、Accusilicon AS318-Lite低位相ノイズクロック、0.87インチ高輝度OLED、3900mAhバッテリー、さらに独立充電ポートを搭載。スマートフォンへ自然に装着できるカード型のコンパクトな筐体に、イヤホンからヘッドホンまで余裕をもって駆動するリニアリティの高い再生能力を凝縮。音質と利便性を高次元で両立させたポータブルDACアンプになる、と謳っている。
さて、NiPOでは、DAP製品を利用する音質重視のユーザーがスマートフォン並の利便性や操作性を求めていること、そしてドングル型DACを利用するユーザーがノイズ、消費電力、駆動力、接続時の安定性に課題を感じていることに着目。マルチタイプのオーディオ製品ではなく、A100で確立した妥協のない高音質を達成しつつ、身近で取り扱いしやすいMagSafe対応DAC AMPというスタイルをさらに発展させ、今回のA200PROの投入に結実。
スマートフォンの背面に固定できる一体型構造に、独立電源、低ノイズクロック、高出力アンプ、電流ミラーI/V変換、RF耐干渉設計を組み込み、スマートフォンを専門的な音楽再生機へと引き上げる、としている。音を過度に変えるための製品ではなく、音源、イヤホン、ヘッドホンが本来持つ情報量と表現力を純粋に引き出すためのオーディオ機器になる、としている。NiPOが大切にするニュートラルさ、自然な再現性、音楽的な密度感を、より力強く、より静かに、より扱いやすい形で実現した、と訴求している。
また、A200PROはスマートフォン背面に装着するDACアンプとして、アンテナから約1mmという極めて近い距離で使用しても、純粋な音楽再生を損なわないことを目指して設計されているという。ストリーミング再生や通話時にスマートフォンから放射されるRF信号はUSBデータケーブルやイヤホンケーブルを介して内部回路へ入り込み、S/N比、背景の静けさ、微細音の見通しに影響を与える可能性があるため、NiPOではスペクトラムアナライザー、ネットワークアナライザー、マイクロ波暗室を用いた検証に加え、経験豊富な専門のRFエンジニアの知見を投入。フィルター素子の追加だけではなく、RF帯域における測定、部品選定、基板レイアウト、実装位置まで追究。しかし、干渉を強く抑えるほど音の滑らかさ、余韻、有効信号の自然さまで損なわれるため、A200PROでは耐干渉性能と背景の静寂性と音楽信号の鮮度を両立するために、20種類以上の磁気ビーズを比較検証し、その中から音質と耐干渉性能のバランスに優れる型番を選定したという。
さらに、ヘッドホン出力部へアイソレーションおよびCLC多重フィルタリング技術を採用し、4G/5Gの複数周波数帯を想定した0.8GHz?5GHzのRF帯域において、最大55dBの減衰性能を実現。利便性と高純度を両立する設計でしか味わえない自然な分解能と滑らかさを提供する、としている。
DACについては、A100で採用されたESS ES9039Q2Mが持つ明瞭さやスピード感とは異なる方向性として、A200PROでは滑らかで自然な質感、音楽的な厚み、余韻の美しさを重視したサウンドへ仕上げているそうだ。高い解像感を保ちながら、ボーカルや弦楽器の質感、空間の奥行、音の消え際、深く伸びる低域をていねいに描写。NiPOが掲げるニュートラルで自然な再現性を、より忠実な音楽表現として味わえるDACとして、AKM製AK4497SVQを採用。CMMTカレントミラーI/V変換、低位相ノイズクロック、独立電源設計と組み合わせることで、AK4497SVQの持つ情報量を損なうことなく、直接的かつ高精度で引き出し、滑らかな再生を実現した、と謳っている。
加えて、フラッグシップDAP「N2」で培われた技術をベースに、フルディスクリート構成による改良型カレントミラー回路を採用。一般的なI/V変換ではDACの電流出力をオペアンプで電圧へ変換して後段へ伝送するが、その変換過程や回路構成は、音の密度や情報量、微小信号の再現性に影響を及ぼすことがある。DACから出力される電流信号を高精度に扱うI/V変換技術であるNiPO独自のCMMTは、DAC AK4497SVQが出力する最大5mAの電流を直接フルディスクリートのカレントミラー回路で直接受け渡すことで、ピュアな状態で伝送することを目指しているという。自然で色付けの少ない音作りを追求したA200PROは、ノイズ特性とリニアリティを大幅に向上させた改良型カレントモジュールに加えて、回路全体を完全無帰還で構成することで過度な補正に頼ることなく、高い情報量と音の密度、透明感のある音場、芯のある音像、そして自然な余韻を両立。録音に含まれる微細なニュアンスをより忠実に描き出す、としている。
また、音楽再生においてクロックは、デジタル信号の時間軸を整える重要な要素となり、時間軸の揺らぎが少ないほど、音像の輪郭、定位、音場の見通し、微細な余韻はより自然に描き出されるようになる。A200PROに採用した米国Accusilicon社のAS318-Lite Seriesフェムト秒級低位相ノイズ水晶発振器が性能を十分に引き出せるように、電源精度、温度ドリフト、基板上のノイズ、電磁干渉といった動作環境を徹底して見直しを実施。多重アイソレーションとフィルタリングによる電源浄化技術を組み合わせ、電源および周辺回路から水晶発振器へ及ぶ干渉を大幅に低減。クロックが安定して動作できる環境まで含めて設計しているそうだ。
その結果、基板上での位相ノイズ性能は10Hz時に従来の-87.58dBc/Hzから-101.54dBc/Hzへ改善。より静かな背景、解像感の向上、整った音場表現、正確な定位感を実現。音源の品質が高いほど、微細な余韻、空間の奥行、演奏の立ち上がりの自然さとして、その効果を感じやすくなる、と謳っている。
駆動力は、ポータブルのDAC AMPにおいて音楽のスケール感や安定感を左右する重要な要素といえる。交響曲のクライマックス、ドラムの強いアタック、大編成の音圧が一気に高まる場面では、出力の余裕が低域の制動力、音像の安定感、ダイナミクスの伸びに直結する。A200PROでは優れた追従性と低ノイズ性能で評価されるSGM8262を2基採用し、32Ω負荷時に実測で片チャンネル最大1620mWの高出力を実現。低インピーダンスの高感度IEMではノイズを抑えた繊細な描写を、高インピーダンスや低能率のヘッドホンでは力強い駆動力を発揮。音量を取るだけではなく、音の密度感、瞬間的な制御力、微小信号の保持力まで含めて、イヤホンやヘッドホンのポテンシャルを引き出すよう設計されているという。
そして、原音忠実を突き詰めることは、電源への注力も重要となり、A200PROは出力の大きさだけでなく、その出力を支える電源の質にも徹底してこだわっているという。複数の0.8μVクラス超低ノイズ電源を採用し、各回路へクリーンな電源を供給。さらにPanasonicおよびKEMET製の超低ESRミリタリーグレード・タンタルコンデンサーを複数搭載し、電源リップルと内部抵抗を抑制。最大90%の変換効率を備えた昇圧電源設計により、高出力アンプを安定して駆動しながら、長時間再生をサポート。内部抵抗20mΩのバッテリーと組み合わせることで、大電流が必要な場面でも電源の揺らぎを抑え、低域の制動力や瞬間的なダイナミクスを引き出す設計に。S/N比に優れた静かな背景、微細音の明瞭な描写、瞬間的な電流供給による力強い表現を可能としている。
バッテリーについては、手のひらサイズの筐体に3900mAhの高密度リチウムイオン式を搭載。独立した電源を備えることで、スマートフォン側から大きく電力を消費せず、スマホのバッテリー残量を気にせず音楽を楽しむことができる。バランス出力時で最大約12時間の連続再生に対応。さらにオーディオ用USB端子とは別に独立充電ポートを搭載。音楽再生中でも本体を充電できるため、充電待ちのストレスを抑え、屋内外どこでも音楽を楽しめる。
A200PROはMagSafe対応端末へ安定して固定するために、N52グレードのネオジム磁石を採用。回路部品とマグネットは異なる2つの領域に分けて最適に配置することで、磁界・磁場が回路や部品へ与える影響を極限まで抑制することに成功。N52の強力な吸着力により、スマートフォン背面に安定して装着でき、移動中や手持ちでの使用時にも快適なスマホリスニングを実現。
A200PROは、スマートフォンと重ねて日常的に持ち歩けるサイズ感を目指して設計されており、112gの軽量ボディと約11mmの薄型設計により、スマートフォンの背面に装着しても持ちやすく、移動中や手持ち使用時の負担を低減。前作のA100より軽量化しながら、出力、機能、操作性を強化。スマートフォンと重ねて使う製品として、携帯性と本格的な再生性能のバランスを高めている。ポータブルアンプらしい存在感と、日常的に持ち出せるサイズ感を両立。
スマホとDACアンプを自然に一体化し、外出先でも快適に高音質を体験できるよう、Magsafe非対応のスマートフォンやiPhoneケースでも付属のメタルシールを貼ることによって、本製品の使用を可能に。付属のO型/C型のメタルシートの2種類を用意。スマートフォン背面装着型の本格ポータブルオーディオ環境を、幅広い端末で構築可能。
音質を確保したうえで、できる限り美しく、使いやすく仕上げることにこだわり、USB高速信号の伝送品質と日常使用時の扱いやすさを両立するため、専用設計の両端L字型Type-Cケーブルを新規金型から製作。スマートフォンとA200PROを重ねて使用したストレート端子のように大きく突き出すことを避け、手持ち使用時や持ち運び時の干渉を低減。スマートフォン背面装着型DAC AMPに適した、軽量で自然な取り回しを実現。ケーブル内部にはアイソレーションおよび分層シールド構造を採用。電源ラインとUSB信号伝送ラインをそれぞれ独立してシールドすることで、USB高速信号の安定性を確保しながら、RF信号による干渉を低減している。導体には0.06×7×7構成、合計49本の単結晶銅線を採用。柔軟性、軽さ、信号伝送品質のバランスを高めている。

ディスプレイには、0.87インチの高輝度OLEDを搭載。サンプリングレートやコーデック、Vol値などの再生情報や設定状態をリアルタイムで確認でき、Low/Mid/Highゲイン、7種DACフィルター、ポップ、クラシック、ジャズ、ロック、ダンスのEQモード、ライン出力、同軸デジタル出力、UACモードなどを直感的に操作可能に。液晶の前面には強化ガラスを採用し、日常使用での擦れや軽い衝撃にも配慮した設計としている。
接続端子は、イヤホンやヘッドホンを直接ドライブするだけでなく、ライン出力と同軸デジタル出力にも対応。外出先ではスマートフォン背面に装着してのリスニング、あるいはポータブルアナログアンプと組み合わせて楽しみ、帰宅後はそのままアクティブスピーカーやアンプへ接続して、デスクトップ/ホームオーディオの音源として活用可能。USB入力を持たない据え置き型DACや、長く使い続けてきた名機へ同軸デジタル出力で接続すれば、現代のスマホアプリの再生環境を自然に組み込むことが可能。さらに、真空管アンプへライン出力することでA200PROのニュートラルで自然な再生に、倍音豊かな味わいを加えたリスニングも楽しめるようになる。
UAC2.0とUAC1.0のデュアルプロトコル切替に対応。UAC2.0モードでは、ハイレゾ音源の安定したUSBオーディオ入力を実現。非同期クロック伝送により、接続機器側のクロック精度に依存しにくい再生環境を構築し、クロックジッターの影響を抑えながら、音楽の繊細なダイナミクスや音場のディテールをより正確に描き出すとしている。一方のUAC1.0互換モードでは、ゲーム機や旧機器などUAC2.0で認識しにくい環境でも接続しやすく幅広い再生環境に対応する。
デザインには、カセットテープを思わせるレトロな雰囲気を採用。音楽を聴くことが、いまより少しだけ手間を含んでいた時代。再生機を選び、メディアを入れ、音量を合わせ、イヤホンを接続し、音楽に耳を傾ける。そこには、音楽をただ流すのではなく、ひとつの作品として受け止める時間があった。現代のスマートフォンは、膨大な音楽へ瞬時にアクセスできる便利さをもたらした反面、通知、更新され続けるコンテンツ、SNS、メッセージなど、絶え間ない情報の流れの中で、音楽そのものに深く向き合う時間は少しずつ薄れてしまっている。A200PROのレトロデザインには懐かしさだけではなく、音楽を聴く行為にもう一度意識を戻してほしいという思いが込められている、ということだ。
カラーバリエーションは落ち着いた存在感を持つブラックと、華やかさを感じさせるゴールドの2色を用意。表面には指紋防止コーティングを施しており、汚れが付いても簡単に拭き取れるようになっている。
製品の主な仕様
マグネット型USB DAC
DAC:AK4497SVQ
I/V変換/電圧増幅:改良型CMMT(特許番号ZL2023 2 2553353.1)
入力:USB Type-C
出力:3.5mm/4.4mm
最大出力:最大1620mW(32Ω)
SNR:125dB
PCM:最大32Bit/768kHz
DSD:最大 Native DSD512
DACフィルター:7種
EQ:6種
重量:約112g
厚み:約11mm
最大再生時間:約12時間


