20㎝口径WE755Aでは素晴らしい音が聴けた。アルテックとWEの25㎝/30㎝フルレンジを大型フロントホーン・エンクロージュアで鳴らす
土井雄三/ 新 忠篤 / 杉井真人
土井 前号114号のヴィンテージ企画では、ウェスタン・エレクトリック(WE)の20㎝口径ユニット755Aを、アルテックの大型エンクロージュアであるH825にサブバッフルを使用して取り付け、民生用も含めた9モデルのパワーアンプで鳴らしました。
今回はその続編としまして、25㎝口径のアルテック756B、30㎝口径のWE754Aと728Bという3つのユニットをH825に入れて鳴らしたいと思います。実は前回の試聴の際にもこれらのユニットは試聴室に持ち込んでいたのですが、755Aの試聴が実に盛り上がって、前編の755Aと後編の今回との2部構成に分けようとなりました。
新 そうでしたね。実りの多いセッションでした。
土井 今回組み合わせるパワーアンプは、前回の試聴で印象のよかったIPC AM1027、アルテック1520T、WE143Aの3機種に、WE124と142C、ノーザン・エレクトリックR4141Aの3機種を加えた計6機種です。すべて出力管6L6系で、WE143AとR4141Aはパラレルプッシュプル、それ以外はプッシュプル構成です。これらを適宜組み合わせて聴いていきます。出力管は本来350Bのアンプでも6L6を使っています。
トゥイーターとしてアルテック3000Hを用意していますが、まずはプリアンプのアルテック1567Aに搭載されるトーンコントロール機能を使って音質調整を行ない、さらに調整が必要であれば3000Hを組み合わせるというスタンスで試聴したいと思います。
新 トーンコントロールが積極的に使うべき機能だという点は、ぜひ再認識していただきたいですね。
杉井 トーンコントロールで音が悪くなるのではないかという懸念をお持ちの方もなかにはいらっしゃるかもしれませんが、音を作っていく上でひじょうに意味のある機能です。
新 アルテック756Bは過去に本誌の取材で聴いたことがありますが、実は、音は必ずしも強く印象に残っていませんでした。しかし、先ほど試しに聴かせていただいたら、とてもよかった。前回のWE755Aが20㎝口径で、756Bは25㎝口径。5㎝大きくなると印象もずいぶん変わりますね。
土井 756Bは過去にも鳴らしたことがあります。そのときは2.5キュービックフィート(70リットル)の密閉型エンクロージュアに入れて聴いたのですが、音は可もなく不可もなくという感じでした。あっさりと切り上げて次の試聴に移った記憶があります。しかし、今回は期待が持てそうですね。アルテック製ユニットですが、どこかWEを思わせる鳴り方でした。
杉井 30㎝口径のWE754Aと728Bも含めて、どんな音が聴けるか楽しみです。
新 続編ということで、試聴音源に関しても前回と同じく「御諏訪太鼓」「モルゲン」「ちあきなおみ」の3曲を同じ順番で聴きます。
土井 さっそく試聴に入りましょう。




試聴フルレンジユニット
[1]アルテック756B
25cm口径
[2]ウェスタン・エレクトリック754A
30cm口径
[3]ウェスタン・エレクトリック728B
30cm口径
試聴の方法
25cm口径のアルテック756B、30cm口径のWE754とWE728Bを大型バスレフ型エンクロージュアであるアルテックH825に装着し、計6機種のパワーアンプとの組合せで鳴らしてマッチングを探った。各ユニットはサブバッフルを使ってH825にマウント。プリアンプのアルテック1567Aでトーンコントロールを活用するほか、鳴り方によってはトゥイーターのアルテック3000Hをコンデンサーによるローカットで追加し2ウェイ・セッティングとした。

アルテック3000H
●インピーダンス:16Ω●推奨クロスオーバー周波数:3kHz●重量:0.36kg
1967年に登場し80年代初期までカタログにあったロングセラーモデル。ホーン部は3000B、Cとは異なって、3000Aと同等の6セルラー型。試聴では4μFコンデンサーによるローカットで追加した。
左から新 忠篤氏、杉井真人氏、土井雄三氏。

