ミミソラから、aune audioの有線イヤホン「IR300」が発売中だ(オープン価格 実勢¥21,300前後)。初登場は今年6月に開催されたOTOTENのミミソラブースで、まずは参考展示(当時は「IR3000」と表記)され、夏には発売の予定……だったのだが、最終的に12月発売となり、型番もIR300へと変更された。

画像: aune audioの新作有線イヤホン「IR300」は、パーツの組み合わせで好みの音色を作りだせる面白い製品。浮き出てくるようなボーカルが味わえる

 特徴はまず、ガラスとシリコンを組み合わせた振動板(ダイアフラム)で、仕様は異なるがガラス振動板(こちらは純粋にガラスを振動板にしている)を搭載した有線イヤホン「Que UTG」(SIVGA)が、かなりクリアなサウンドを聴かせてくれたこともあり、IR300はどんな音質なのか? はずっと気になっていたところ。

 そして、ノズルやベントが交換でき、音調を変えることができるというギミックを備えているところにも注目だろう。ここでは、3種類のノズルと2種類のベントを組み合わせた6通りのサウンドをチェックしてみた。ノズルとベントの特徴は下記の通り。

画像: ノズルは回しながら取り外す。ベントは、爪でつまんで引っ張り出す感じ

ノズルは回しながら取り外す。ベントは、爪でつまんで引っ張り出す感じ

「ベント・開」力強く、質感豊かな低音
「ベント・閉」引き締まり、階調まで精密に描く低音

「ブラックノズル」滑らかで心地よい温かみのあるボーカル表現
「シルバーノズル」明るくクリアで、躍動感のある楽器の存在感
「ゴールデンノズル」ニュートラルで汎用性が高く、あらゆる音色に対応できる万能型

 さて、箱を開けると「ベント・開」「ゴールデンノズル」という組み合わせで梱包されていたので、恐らくこれがメーカーの推奨なのだろうと思い、まずはこの組み合わせから試聴を開始した。

●1 「ベント・開」「ゴールデンノズル」
 一聴して気が付いたのはボーカルの再現性。finalの完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップ「TONALITE」の特徴でもあるパーソナライズサウンド「DTAS」をかけたかのような再現性が楽しめた。つまりは、ボーカルがグワァっと目の前に浮かび上がる感覚で(本当に)、通常であれば、良くて目の奥とかおでこの奥に定位するぐらいなのだが、IR300のこの組み合わせでは、目の前、つまりは頭外にボーカルが定位してくれるのだ。なかなかに面白い再現性。サウンドの重心は少し高いが、広い音場感、細かい音まで聴こえてくるクリアさも兼ね備えている。レンジは高域方向に少し伸びる印象。ベントが開いていることもあり、全体的に少し軽めのサウンドとなるが、響きの余韻など、細かい音は充分に再現されるので、売り文句の通り、オールマイティに楽しめそうだ。

●2 「ベント・閉」「ゴールデンノズル」
 この再現が面白かったので、次は「ベント・閉」を組み合わせてみた。ベントの影響はかなり大きいようで、メーカーの説明――「引き締まり、階調まで精密に描く低音」――に近いサウンドになるが、開に比べると細かい音は減っている印象。重心は低くなり安定した再現で聴かせてくれ、ある意味、一般的な有線イヤホン(IEM)という印象。ボーカルの力強さは少し後退し、定位も目の奥あたりとなる。音空間は少し狭いが、さまざまなジャンルの楽曲を楽しめそうだ。

●3 「ベント・開」「シルバーノズル」
 次は、ベントを開に戻し、ノズルをシルバーに変更。材質の説明はないが、見た目はアルミだろうか? サウンドは一変し、説明文の通り、明るい音調になった。重心が少し高いのは試聴1と同じだが、ボーカルは少し弱くなり、演奏(楽器)のボリュームが上がるというか目立つようになるのが違い。高域は少し強調されるようだ。基本、ボーカルありの穏やかな曲で音質チェックをしているのだが、この音色ならロックなど派手なサウンドも似合うだろう。

●4 「ベント・閉」「シルバーノズル」
 やはり、ベントの効果(影響)は大きく、音に厚みが出てきた。ボーカルが少し弱いところは継続しており、そのままで低音がより強く出てくるようになる。ベント・開とは逆で、音場は少し狭くなり、細かい音の再現よりも、力感で押すような感覚となる。中々に面白い。

●5 「ベント・開」「ブラックノズル」
 次は、ベントとノズルの両方を変えて試聴。ベント・開なだけあって、明るく軽やかなサウンドが楽しめるが、どちらかと言えば軽めな音調。ブラックはボーカル寄りの再現が持ち味ということで、売り文句の通りボーカルには艶やかさが出る(のる)ようになり、そこに軽やかさも感じられる再現になる。ボーカルの定位は目の奥あたりで、最低域の部分が少し強調気味になるので、曲によっては耳につくかもしれない。

●6 「ベント・閉」「ブラックノズル」
 最後は、ノズルはそのままでベントを閉に交換。艶やかなボーカルは引き続き楽しめるが、少し弱くなる印象もある。重心は引き締まるものの、細かい音はスポイルされ、音場も比較的狭めとなる。演奏が少し大きくなる。ボーカルの定位は目の奥あたりとなる。

画像: プラグ部分は交換式で、3.5mmと4.4mmバランスの両端子を備える

プラグ部分は交換式で、3.5mmと4.4mmバランスの両端子を備える

 以上6通りのサウンドをチェックしてみたが、記者はデフォルト(?)の「ベント・開」「ゴールデンノズル」の、ボーカルが浮き出てくるような再現性が強く印象に残った次第。購入された方はぜひ、自分なりの組み合わせを見つけて楽しんでほしい。

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