エミライは、12月13日(土)〜14日(日)に、ベルサール秋葉原で開催される「ポタフェス 2025冬 秋葉原」の展示に関するプレス向け事前説明会を実施した。そこに展示されたこの冬の注目モデルについて、以下で詳しく紹介したい。
CHORD
●ヘッドホンアンプ内蔵DAC:Mojo 2 4.4mm端子搭載モデル 価格未定


2023年6月に登場したコードの人気ヘッドホンアンプ「Mojo 2」に、4.4mm端子を搭載したモデルが登場した。ユーザーの要望も多かったUSB Type-C端子からの充電機能にも対応するなど(従来モデルのUSB Type-C端子は音源再生のみ)、使い勝手も向上している。
コードは同社のヘッドホンアンプについて、クロストークや駆動力に自信を持っており、バランス接続についてはあまり積極的ではなかったという。しかし4.4mmコネクターのヘッドホンを使っているユーザーからは、リケーブルなどしないでMojo 2を使いたいという要望もあったという。今回はその声に応えてシングルエンド4線方式4.4mm端子を搭載している。4.4mm接続時には専用の音量、DSP、クロスフィード設定に自動的に切り替えられるそうだ。
DACチップや内部回路は従来モデルと同じで、独自のFPGAテクノロジーによるD/A変換処理を行っており、最大でリニアPCM 768kHz/32ビットやDSD256の再生に対応している。
説明会でFIIOのDAPとの組み合わせでMojo 2 4.4mm端子搭載モデルの音を確認させてもらったが、本当に同じ回路なの? と思うくらい女性ボーカルの抜けや低域の力強さに違いがあった。これが4.4mm接続による変化なのかは不明だが、Mojo 2 4.4mm端子搭載モデルは、従来機とも異なる新たな魅力を備えた進化版になっているのは間違いないだろう。
FIIO
●デジタルオーディオプレーヤー:M27 市場予想価格¥374,000前後(チタンモデル、写真左)、市場予想価格¥299,530前後(アルミモデル、写真右)


先立って開催されたヘッドホン祭でも大きな話題を集めた「M27」のチタンモデルとアルミモデルも試聴が可能になっていた。QCS6490プロセッサーやESSのDACチップES9039SPROをデュアルで搭載、BluetoothコーデックのaptX Losslessの受信にも対応したモデルだ。
気になるチタンモデルとアルミモデルは、内部回路はまったく同じで異なるのは筐体だけとのことだったが、やはり高音の再現などで微妙な違いが感じられた。FIIOでもその点は認識しているようで、開発時にはチタンとアルミの音質差が少なくなるような電源回路を搭載するといったことを行われたそうだ。
●イヤホン:JH13 海外でのメーカー想定小売価格29.99USドル(予価、税別)

10mmダイナミックドライバーと2基のBAドライバーを搭載した3ドライバー構成のエントリークラスIEM。10Hz〜40kHzという広い再生周波数帯域を備え、価格を大きく超えるスペックを実現している。
iFi sudio
●ポータブルヘッドホンアンプ:hip dac 3 Black 市場予想価格¥35,200前後(写真右)

hip dac 3の現行モデル(左)とブラック仕上げ(右)
バーブラウンDACチップセットを搭載し、最大384kHz、DSD256、さらにMQAのデコードにも対応したポータブルヘッドホンアンプ「hip dac 3」に、ブラックモデルが追加された。基本的な仕様は従来モデルを踏襲しているが、今回電源部に新しいコンデンサーを採用、さらに強力な駆動力を手に入れて、S/Nの向上とノイズ低減を実現している。
●USB DAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプ:iDSD Valkyrie Black 価格未定

DSD1024リマスタリングとK2HDテクノロジーを搭載したことで注目を集めた、USB DAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプの「iDSD Valkyrie」にBlackモデルが登場した。他の機器と色を揃えたいというユーザーからの声も多く、従来のゴールド仕上げに加えてブラックがラインナップされることになったようだ。
対応信号は最大でリニアPCM 768kHzとDSD512、さらにBluetoothコーデックのaptX Lossless、aptX Adaptive、aptX、LDAC、LHDC/HWA、AAC、SBCでの伝送も可能だ。
●USB DAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプ:xDSD Gryphon Black 価格未定

ポケットサイズのポータブルヘッドホンアンプ「xDSD Gryphon」にもブラック仕上げが発売される。主なスペックは従来モデル同様で、バーブラウン製DACチップを搭載し、最大768kHzのリニアPCMとDSD512の再生、LDACやaptX AdaptiveといったハイレゾグレードのBluetoothコーデックにも対応している。
●USB DAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプ:Snowsky TINY A/B 海外でのメーカー想定小売価格19.99USドル(予価、税別)

TINY B(左)とTINY A(右)
FIIO Snowskyの超小型USB DAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプ「TINY A/B」も試聴が可能だった。このモデルは11月に開催されたヘッドフォン祭でお披露目され、そのコンパクトさと高いスペック(リニアPCM 384kHzとDSD256に対応)が注目を集めた。
3.5mmアンバランス出力と充電用USB Type-C端子を備えるTINY Aと、3.5mmと4.4mmのアンバランス出力を備えたTINY Bをラインナップする。製造上の都合(主にカラー仕上げ)から発売が遅れているとのことだが、早期の登場を待ちたいところだ。
●ポータブルCDプレーヤー:DM15 R2R 海外でのメーカー想定小売価格249.99USドル(予価、税別)


こちらも11月のヘッドフォン祭でお披露目されたポータブルCDプレーヤー。従来モデル「DM13 BT」に自社開発のR2R DACを搭載し、USB DACとして最大で384kHz/32ビットのリニアPCMとDSD256の再生にも対応する。他にBluetoothコーデックのaptX、aptXHD、aptX Adaptiveの再生も可能となっている。
ポータブルモデルということで、3色(ブラック、ブラウン、オレンジ)の専用ケースも準備されている。


