ロンドンを拠点とするテック企業・Nothingは本日、都内で発表会「NOTHING SPRING UPDATE」を行ない、スマートフォンの新製品「Phone(3a)」を発表した。本日より予約を開始し、発売は4月15日。ラインナップはメモリーが8GB/128GB仕様で¥54,800(税込)、12GB/256GBは¥59,800(税込)となる。カラーリングは白と黒の2色。また、今回より携帯キャリアでの販売も決まり、楽天モバイルと提携。同社の全国100店舗にて実機の展示・購入も可能となる。さらに、楽天モバイル限定カラーの「ブルー」もラインナップされた。


さて、会の冒頭では昨年Nothing Japanのマネージングディレクター(代表)に就任した黒住吉郎氏が登壇し、2024年の同社の活動を振り返りつつ、新製品の詳細について説明してくれた。以下、簡潔にまとめていきたい。

Nothingは、新しいテクノロジーを使ってワクワクするような製品を提供したい、との思いから2020年に設立され、昨年には、市場での販売も好調な日本において研究・開発部門を設立。同時に上記黒住氏が現職に就任した。そして、デザインコンシャスで、機能、コスパに優れるスマートフォン「Phone(2a)」や完全ワイヤレスイヤホン「Ear」「Ear(a)」「Ear(open)」を矢継ぎ早に導入するなどした結果、サブブランド「CMF」と合わせて、世界での累計販売台数は700万台、同売上げも10億ドルを突破するという急成長を遂げているそうだ。というコメントの最中にも、700万台という数字は年初のころのもので、現時点で800万台を突破するなど、さらに勢いづいているという同社の伸長ぶりを嬉しそうに話していた。さらに、同社のwebサイトも、昨年同月比で4倍の閲覧数を獲得しているという。

さて、そうした勢いを得て今回は、新作スマートフォンを発表。それが上にも記した「Phone(3a)」となる。
今回の特長はカメラ性能の向上と、AIの活用が注目点。デザインについてはNothingらしさを持ちながら、シャープさを備えた新スタイルとなっている。

カメラの基本パーツは前モデルと同様ということだが、今回は3眼式となり、縦持ちした際に、背面の上部にレンズが横に並ぶという独特なデザインにまとめられている。
レンズは左からメイン、広角、望遠という並びになっているそうで、センサーは5000万画素、光学2倍ズームを含め、デジタルで最大30倍のズームが可能。サムスンと共同開発を行なったそうだ。センサー自体はより集光可能なものになっているそうで、AIを組み合わせた映像処理回路「TrueLensエンジン3.0」によって、鮮明さ、低ノイズ、高色彩な映像撮影を可能にしているという。
CPUにはクアルコムの「Snapdragon 7s Gen3」を搭載。これは「~Gen2」に比べて、処理速度、グラフィックス性能、省エネ性能が格段に向上しているそうで、同時にクアルコム製のAI機能を活用することで、上述したカメラ性能(画質)の進化や、日常持ち歩くスマートフォンとしての使い勝手(後述)の向上(バッテリーの長持ちなども含め)を図っている。

機能面で注目は「ESSENTIAL SPACE」。これは、本体右側面、電源ボタンの下に設けられた「ESSENTIAL KEY」と組み合わせで使うもので、例えばwebブラウジングしていて気になった写真や、やることリスト(=ToDoリスト 音声入力可能)、思いついてメモした事柄などを、このキーを使ってクリッピングしておくことで、気になってスクリーンショットを撮ったのに、どこにしまったっけ? というような悩みを減らせるという。言わば、「シャングリラ・フロンティア」の格納空間のようなもの。格納したものは、AI機能が整理したり、要約してくれたりするそうだ。
その他、日本市場に合わせておサイフケータイ対応は継承し、さらにeSIMもサポートした。本体はIP64の防水規格に準拠。
ちなみに、会見中には、クアルコム ジャパンの中山泰方 社長、楽天モバイルの大久保公博氏も登壇し、新スマートフォンとの提携についての、想いや意義を語っていた。

左から中山氏、黒住氏、大久保氏
■Essential Spaceについて(特徴)
Essential Spaceは”第2の記憶”のようなものです。メモ、コンテンツ、インスピレーションやアイデアを、AIの力で自動的に整理して一覧にし、あなたに合った提案、要約、アクションプランを生成してくれます。記録や振り返りの手間を省き、あなたの代わりに保存、整理、記憶してくれます。
Essential Spaceにすぐアクセスするため、Phone (3a)の右側面に、新しくEssential Keyを配置しました。気になるコンテンツを見つけたり、インスピレーションやアイデアが浮かんだら、Essential Keyを押してEssential Spaceに保存できます。長押しでボイスメモを録音、2度押しでEssential Spaceに保存・整理された一覧へアクセスできます。




クアルコムプロセッサーの搭載で、各機能が進化しました、の図