明日(3月28日)から30日までの3日間、東京・原宿の東急プラザ原宿で、「TATAMI SPEAKER」を活用した体験型インスタレーション『呼吸の間』の体験が可能だ。
そもそもTATAMI SPEAKER(TTM-V20)は、熊本・八代産い草・畳表の新しい可能性を志向する「八代産畳表認知向上・需要拡大推進協議会」が開発したもので、八代産の畳にスピーカー(アクチュエーター)を内蔵し、畳そのものから音と振動が発生するボディソニックシステムだ。価格は¥249,800(税抜、送料別)で、2024年7月に一般販売されている。

会場入口には四畳半分の八代産畳が敷かれている。中央が特製の半畳サイズ「TATAMI SPEAKER」
一畳のサイズに口径90mmのスピーカーを4基搭載、付属の小型アンプで駆動する。アンプはBluetooth受信機能も内蔵しているので、スマホ等に保存したお気に入りの音源を再生し、畳に「ごろ寝」をすることで、全身で音と振動に浸ることができる。そこでは、高いクッション性とリラックス効果のある香りを備えた国産い草が、より深い没入感を実現してくれるという。
TATAMI SPEAKERは、イベント会場の休憩スペースやオフィスのリラックススペースといったさまざまな用途で活用可能で、実際にこれまでもオーディオテクニカ主催のイベントでの展示や、老舗銭湯の休憩スペース、オフィスの和室空間に導入された実績もあるという。
ちなみにTATAMI SPEAKERの表面は通常の畳表なので、水などをこぼした際には急いでふいてもらいたいとのこと。一方で荷重には強いそうで、TATAMI SPEAKERの上で大人が体操をしても問題はないとのことだった。

直径90mm、厚さ25mmのアクチュエーターを埋め込んでいる。本来は一畳のサイズに左右対称に4基使っているそうだが、今回は半畳のため3基を直線状に配置したとのこと
そのTATAMI SPEAKERの特製を活かしたイベントが『呼吸の間』だ。会場には特製の半畳サイズTATAMI SPEAKER(スピーカーを3基内蔵)が置かれており、体験者はその上に座って、本イベントのためにデジタルクリエイティブ集団のAID-DCCと協業して約半年の開発期間を経て開発された、「呼吸」をテーマにしたインスタレーションを体験できる。
再生されるオリジナルの音・畳の振動に合わせて体験者が呼吸することで、ストレスや自律神経の乱れなどによって浅くなってしまった呼吸を、理想的な呼吸に導いてくれる。呼吸コンサルタント大貫 崇氏の監修のもと、心地よい振動とともに、正しい呼吸に自然と導かれていく振動と音をデザインしたそうだ。
今回、その効果を体験させてもらった。まず40〜50Hz前後の低音が徐々に音量をあげながら再生されるので、それに合わせて息を吸い、次に80Hzほどの音に合わせて息をゆっくり吐いていく。続いて3秒ほど息を止めた後に、同じ動作を繰り返していく。息を吐く時間が少しずつ長くなっていくのもポイントで、徐々に深い呼吸に導いていく効果があるようだ。

AID-DCCの担当者氏が、インスタレーションのデモをみせてくれた。僕もやってみたけれど、原宿の真ん中で瞑想に浸るのはめったにできない体験でした
僕自身も、体験前は1分間に28回呼吸をしていたが、『呼吸の間』を体験した後は16回まで減少していて、我ながら驚いた次第。大貫氏によると、1分間で20回以上というのは呼吸数としてもかなり多く、本来は10回以下が理想的だそうだ。自分では意識していなかったが、落ち着いて呼吸をすることの大切さを改めて実感した。
『呼吸の間』体験イベントは以下の通り。呼吸を整えるだけでなく、TATAMI SPEAKERという他にないアイテムを一度楽しんでみるのもいいだろう。ちなみにBluetoothだけでなく3.5mm有線ケーブルでの信号入力も可能とのことで、和室シアターで低音(LFE)を体感するアイテムとしても面白そうだ。(取材・文・撮影:泉 哲也)
『呼吸の間』体験イベント
●期間:3月28日(金)14:00〜21:00、29日(土)11:00〜21:00、30日(日)11:00〜21:00
●会場:東急プラザ原宿「ハラカド」3F STEAMSTUDIO
東京都渋谷区神宮前6-31-21 原宿スクエア内
●料金:無料