エミライは、同社が輸入販売を手掛けている、イギリスiFi audioについての説明会を開催した。iFi audioはヘッドホンアンプやUSB DACなどのデスクトップ機器を多く手掛けるブランドで、同社では昨年からiFi audio製品の取り扱いをスタートしている。

エミライ 取締役の島 幸太郎氏
冒頭、エミライ 取締役の島 幸太郎氏は、近年のオーディオの楽しみ方に変化があることを述べた。従来のホームオーディオ、ポータブルオーディオといった “利用場所” による分類から、ユーザーがどのようにして楽しんでいるかという “使われ方” による区分に変わってきているのだ。
実際に屋内、屋外といった場所を問わず、パーソナライズされた環境で音楽を楽しんでいるユーザーが増えており、それに伴ってオーディオ機器にも変化がでてきているという。そこでのオーディオ機器は、新たなサービスとも連携し、日々の生活を豊かにするアイテムに進化していると捉えているそうだ。
これらを踏まえエミライとしては、iFi audioは先進的な技術を積極的に導入しており、オーディオ愛好家的センスに根ざした最新技術の使いこなしをしている点にも注目して取り扱いを始めたというわけだ。

iFi audio Head of Global SalesのMiles Roberts氏
また今回は、iFi audioのHead of Global SalesであるMiles Roberts氏も来日しており、同社の歴史や取り組みについて解説してくれた。
同社は2012年に設立された音響製品に特化したブランドだ。イギリスでハイエンド製品を発売しているAMR(Abbingdon Music Research)を親会社に持ち、近年のWiFiやネットワークの技術革新を踏まえ、パーソナライズとオーディオ機器の融合を実現する製品を送り出すために誕生したという。
まずパーソナルユーザーに向けた製品を扱うiFi audioを2012年に創立、さらにプロフェッショナル向けにiFi studioも2023年に立ち上げている。他にも新たに業務用機器を扱うブランドとしてSilentPowerも2024年からスタートしている。

このうちiFi audioの現在の製品ラインナップは、ストリーマーやアンプなどのホームオーディオ機器(価格は80〜400ユーロ)と、ポータブルオーディオ製品(同60〜1300ユーロ)を準備している。このような製品種類の豊富さも、自分にあったモデルを選べるという意味でユーザーには嬉しいだろう。
それらの製品づくりについてiFi audioでは、「デザイン」「回路設計」「研究開発」「製造工程」といった点を重視している。

まずデザインについては、メインデザイナーであるジュリアン氏が4〜5年をかけてアップデートしており、機能性・美しさ・感動を備えたフォルムを目指しているそうだ。
回路設計では、高音質のために設計の最適化を徹底しているそうで、パーツの選定から基板レイアウトに至るまでこだわり抜いている。
研究開発についても、全体の33%のリソースをR&Dに投入しているとかで、過去10年間も常に最新技術を製品に取り入れてきた実績を誇っている。ハードウェア、ソフトウェアの両方で新しいものに取り組む姿勢を大切にしているのだろう。

最後の製造工程では、標準化された部品を使うのではなく、サプライヤーと提携して信頼性の高いパーツを採用、一切の妥協を排しているという。さらに最高品質の製品を提供するための管理システムも導入済みとのことだ。
さらに同社では新たなブランドとの協業も進めているとかで、これまで以上に魅力的な製品の開発も進めている模様だ。デスクトップ、パーソナルといった近年のオーディオ鑑賞でユーザーを増やしている分野を牽引するiFi audioのこれからの展開に注目だ。