レノボ・ジャパンは本日都内で発表会を開き、ノートパソコンThinkPadの新シリーズ7モデル・15製品を発表した。本日より順次発売される。ラインナップは下記の通り。
ThinkPad 2025春モデル一覧
ThinkPad X13 Gen 6
ThinkPad X1 Carbon Gen 13 Aura Edition
ThinkPad X1 2 in 1 Gen 10 Aura Edition
ThinkPad T14s 2 in 1 Gen 1
ThinkPad T14s Gen 6
ThinkPad T14 Gen 6
ThinkPad T16 Gen 4

さて、会では、新製品の紹介に先立って同社副社長 塚本氏が、ThinkPadの開発哲学について披露。曰く、ユーザーの生産性を向上させるツールという開発目標に沿って1992年の登場以後、23年にわたってさまざまな製品を展開してきたが、近年の生成AIの普及を鑑み、新製品ではAIの活用を促進するパフォーマンスを備えた製品を投入する、ということだ。もちろん、ビジネス用途でのモバイル性を高めるべく、今回はフラッグシップXシリーズのX13、X1においてようやく(nano除く)、1kgを切る質量を実現。その減量の苦労・ノウハウについて、続いて登壇した企画本部の元嶋氏が説明してくれた。

▲レノボ・ジャパン 塚本 副社長

▲AIの運用にあたって3つの「P」でユーザーの安心感を高める施策を行なう

▲レノボ・ジャパン 元嶋 マネージャー
さて、新製品のメインとなるXシリーズは、13.3インチのX13と14インチのX1(2012年誕生)の2種類があり、今回のトピックは大きく3つ。1つはモバイル性を高める軽量化。これまでのXシリーズの歴代モデル(nano除く)は、判を押したように質量1.13kgとなっていたが、今回かつての零戦のような徹底的な軽量化の末、X13では1lgを切る約933g~、X1では約986g~(OLEDモデル)を実現した。もう一つはAI機能の本格活用へ向けた最新CPUの搭載。インテルCore Ultraプロセッサー(シリーズ2)、またはAMD Ryzen AI300を搭載したCoPilot+PCをラインナップした。そしてもう一つが、柔軟なワイヤレス通信、5G、4G LTE、Lenovo ConnectINが選択できること、となる。

軽量化については、下記の写真のようにPCを構成するほぼすべてのパーツにわたって行なわれており、その合計でX13ではスマートフォン一台分の約190gの軽量化を達成。筐体の素材、ヒンジ形状の変更(2本から1本へ)、バッテリーの軽量化、メインボードの分割や実装方法の変更による減量、キーボードパーツについてもベースプレートをステンレスからアルミへ変更・汎用キーボードを専用キーボードとして再設計するなどなど多岐にわたっている。

一方で軽量化しても剛性・堅牢さは担保されており、衝撃・振動・落下、ねじりなどなど、こちらも数多くの項目をクリアしているという。よくやりがちな、キーボード面の端をつかんだり、画面の端をつまんでの持ち歩きなど、パーツに大きな負荷のかかるような持ち方でも充分な強度を保つように計算されているそうだ。

▲ディスプレイ部の端をつまんで持ち歩いても大丈夫、というデモ(推奨はしていない)


▲X13の新旧基板の比較。上が前モデル、下が新モデル

▲冷却ファンについては大型化と軽量化が同時に行なわれており、大型化による冷却性能の向上も達成されている
なお、今回からユーザーからの要望の多かったバッテリー交換がユーザー自身で行なえる仕様に変更されているそうで、背面のネジ(4本)を外すとカバーが簡単に外せ、バッテリー自体も簡単に取り外せるようになっているそうだ。ネジはバッテリーのガイド部分に固定されていて(外れない)、交換時に落として基板のショートというトラブルも防げるようにしている。色味は写真を見て分かるようにグレーとなり、交換時に異物が混入してしまってもすぐに判別がつくようになっている。
X1も基本はX13同様の軽量化が図られており、こちらも上述のように1kgを切る質量を達成(OLEDディスプレイモデル)。ちなみに天面のカーボンについては、繊維を縦方向に揃え(従来は横方向)、組み込み方法を改良することで、強度と軽量化を同時に実現したそうだ。

▲X13基板の新旧比較。下が新型。基板は分割され、冷却ファンは大きくなっている反面軽量化もされている

▲CESでも展示されていたバッテリー不要の外付けキーボード。上部にあるソーラーパネルで充電可能。室内の明かりでも充分に充電できるそう。担当者曰く、現行のワイヤレスキーボードよりは安価という。ちなみに、ワイヤレスキーボードのGen3も開発中という

▲キーボードのベースプレート。上が前モデル/ステンレス製、下が新モデル・アルミ製。実際に手にすると相当に軽量化されているのが分かる

▲X13 Gen 6の中身


▲X13 Gen6は軽くなりました、の展示。手にするとその軽さは歴然

▲X1の中身。前モデル(左)と新モデル

▲T16(左)とT14