塚本晋也監督がミニシアターを撮る「街の小さな映画館」の第20回として、秋田・御成座の動画がYouTubeチャンネルにて公開された。
「街の小さな映画館」は、2015年の『野火』初公開時に全国劇場行脚を行い、個性あふれるミニシアターの魅力に触れた塚本監督が、お世話になっている映画館を1館ずつ訪れ、ミニシアターの魅力を伝える動画を撮影する企画だ。コロナ禍をきっかけに「未曾有の事態の中格闘していらっしゃるミニシアター」に「エールを送らせていただきたい」との思いから始まった。劇場とのアポ取りから撮影・編集・YouTubeへのアップまで塚本監督自身が単独で行い、ロゴとイラストも描きおろしている。
秋田県大館市の御成座は千葉から移り住んだ家族の「住居兼映画館」として多くのメディアにも取り上げられているユニークな映画館。もともとは1952年創業、1955年に火災で焼失・再建後、2005年に閉館し9年間放置されていた建物を、映画館とは知らずに内見し賃貸契約したことがきっかけで、地元の期待に応えるかたちで2014年7月に復活させた。
公開された動画では、生活スペースでもあるロビー、シアター内に置かれたDJブース、発掘された往年の名作のポスター、カーボン式映写機など、昭和の佇まいを残すレトロな館内を辿る。インタビューでは代表の切替桂氏と支配人の遠藤健介氏が、映画館を始めることになった経緯、2021年に惜しまれつつ亡くなった看板うさぎの “てっぴー” について、名物の絵看板に隠された楽しい仕掛け、存続にかける思いなどを語っている。
「街の小さな映画館」第20回 御成座
【塚本監督から御成座へのコメント】
ドキュメンタリー番組などで劇場の様子を見て、訪れたいとずっと思っていた。
元々住居を探していてこの映画館に巡り会ったと言う。
ロビーを通って、毎日お子さんが学校に行くと思うと夢物語のようだ。
昔ながらの絵看板にもウキウキさせられる。
古い映画館ながら、音響はいい響きをしていた。昔の映画館ならではの臨場感が味わえる。うさぎのてっぴーちゃんに会えなかったのは残念だったけど。
御成座
●住所:秋田県大館市御成町1-11-22 Tel:0186-59-4974
●座席数: 200席