SNSでの情報収集から音楽・映像ストリーミングといったエンタテインメントまで、現代生活ではネットワーク接続は不可欠な存在となっている。

 それは屋外だけでなく宅内も同様で、家庭内にいかに快適なWiFi環境が構築できるかは重要なテーマだろう。そこでポイントになるのが、無線アクセスポイントであり、家の広さに応じてはメッシュWiFiルーターが必要になるケースも多いはず。

手軽に快適な通信環境を実現。選び分けて活用できるeeroのデバイスたち

画像1: 箱から出して数分で、快適な無線通信環境が手に入る。eeroのメッシュWiFiを導入したら、動画ストリーミングのクォリティもアップした(かも)

eero 6+ 1ユニット¥19,980、2ユニット¥28,980、3ユニット¥42,480
eero Pro 6E 1ユニット¥36,980、2ユニット¥60,480、3ユニット¥82,980
eero Max 7 ¥95,980(予価、10月23日出荷予定)

eeroメッシュwifiシステム共通の機能と特長
●数分でセットアップ:スマートフォンでeeroアプリのガイドに従えば、簡単にセットアップが完了し、使用を開始できる。
●TrueMeshの安定性:eeroのTrueMeshテクノロジーは、ネットワーク上のトラフィックを能動的に管理し、各デバイスを、その都度最適なネットワーク経路に誘導することで、ネットワークの切断を減らしシームレスなwifi環境を実現する。
●簡単にネットワーク管理:eeroアプリで、好きな場所から簡単に自宅のネットワークが管理可能。
●Amazon Echoによる機能拡張:今後登場予定のeeroビルトイン機能を使えば、互換性のあるAmazon Echoデバイス(別売)がwifiエクステンダーとなり、wifi範囲を拡張。
●簡単スマートホーム接続:Zigbee、Matter、Thread対応のスマートホーム製品はeero内蔵スマートホームハブでAlexaとペアリングできる。
●利用中も安心:利用開始後も、ネットワークセキュリティに関する継続的なアップデートが提供される。さらに、有料のサブスクリプションサービス「eero Plus」を契約するとプレミアムサービスの利用も可能。

画像: 取材に使った「eero Pro 6E」の2ユニットタイプ

取材に使った「eero Pro 6E」の2ユニットタイプ

 ご存知の方も多いと思うが、メッシュWiFiとは網目のようにネットワーク機器同士がつながる仕組みのこと。例えばリビングに親機(コントローラー)を置いた場合に、特にマンションのような鉄筋建築では別の階との間で通信障害が発生するケースもある。そんな場合でも子機(エージェント)を設置すれば通信障害の原因となっている場所を迂回して、正常な通信を回復できるというわけだ。

 とはいえ、いざメッシュWiFi環境を構築しようと思っても、どの機材を選べばいいのかなど、悩ましいことは多い。さらに無線ルーターは電源を入れっぱなしで使う製品でもあり、経年劣化などを考えると、親機・子機とも同時期に入れ替えたほうが安心かも、とも思ってしまう。

 そんな方に最適な製品として、Amazon(アマゾン)からeero(イーロ)のメッシュWiFiシステムが発売された。WiFi6対応「eero 6+」、WiFi6E対応「eero Pro 6E」、WiFi7対応「eero Max 7」の3つの機器をラインナップし、その機器間でメッシュWiFiシステムも簡単に構築できるという。

画像: 2台のeero Pro 6EとそれぞれのACアダプター、LANケーブルが同梱されている

2台のeero Pro 6EとそれぞれのACアダプター、LANケーブルが同梱されている

 eero製品の特長は、まずその外観にある。3モデルともホワイト仕上げで、柔らかな曲線を備えたフォルムを採用。これまでのWiFiルーターの多くがブラック仕上げで、アンテナが露出したメカニカルなデザインが多かったことを考えると、ある意味で画期的といえるかもしれない。

 実際、説明会のために来日したeero 共同創業者 兼 CEOのニック・ウィーバー氏は、「eeroの機器は、開かれた環境の中で部屋のどこにでも置いてもらえることを考えました。これまでのWiFi機器はラックの中などにしまわれていましたが、そうして欲しくはなかったのです。私自身も、リビングでの製品の見た目についてよく妻と話しあいますが、やはり光を反射することで家具に馴染むという思いがありました。それもあり、本体仕上げは白を選んでいます」と、デザインについてのこだわりを語っていた。

 さらにeeroの技術的な特長についても、「弊社のWiFi機器は、独自のTrue Meshテクノロジーにより、高速で信頼できる安全な接続性を実現しています。また機器の管理・設定はアプリから可能で、箱から出して数分で快適なWiFi環境を手に入れることができます。インターネットを通じて世界中どこからでも宅内ネットワークの管理が可能です」と紹介してくれた。

画像: eero 共同創業者 兼 CEOのニック・ウィーバー氏。ホームシアターインストーラーとして活動していたこともあるとか

eero 共同創業者 兼 CEOのニック・ウィーバー氏。ホームシアターインストーラーとして活動していたこともあるとか

 実は我が家のWiFi環境も、通信速度や安定性で不満を覚えることが増えていた。WiFiアクセスポイントは5〜6年前のモデルで、2Fのリビングに設置している。この状態で1Fでリモート会議をしていると接続が不安定になることも多いのだ。また寝室の「Echo Show15」を使ってスマートリモコンを操作しようとすると “デバイスが見つかりません” と言われることもしばしば。

 そこでeero Pro 6Eの2ユニットタイプを借用し、どれくらいの変化があるかを検証した。eero Pro 6Eは上記の通り、2.4/5/6GHz帯での通信が可能なモデル。最大WiFi有効範囲が、1ユニットで190平米、2ユニットで380平米とのことで、敷地面積が20坪(66平米)しかない我が家では充分すぎるスペックを備えている。さらに同時接続できるデバイスは約100台(!)とのことだ。

 eero Pro 6Eを取り出し、スマホアプリ「eero wifi system」から設定を行う。アプリにサインインして(Amazon IDを使用)、eero Pro 6Eをモデムにつなぐと、すぐに製品を認識してくれる(最初はBluetooth経由)。ここからメニューに従って置き場所やネットワーク名称、パスワードを設定するだけで、WiFiアクセスポイントとして使えるようになった。確かに箱から出して数分でOKだ。

画像2: 箱から出して数分で、快適な無線通信環境が手に入る。eeroのメッシュWiFiを導入したら、動画ストリーミングのクォリティもアップした(かも)
画像: スマホアプリ「eero wifi system」から簡単に設定も可能

スマホアプリ「eero wifi system」から簡単に設定も可能

 そのままメニューに従って子機用のeero Pro 6Eの設定を行う。こちらも電源を入れるだけでアプリが認識し、スムーズに設定は完了した。子機の置き場所(電波の受信状況が良好か)についても自動で確認してくれるので、メッシュWiFiの効果がでない、なんてことはないだろう。なお箱の中のeero Pro 6Eはふたつとも同じものなので、どちらを親機に使っても問題ない。

 続いてPCやプリンター、Echoデバイスなどの無線機器を新しいネットワークにつなぎなおしていくわけだが、ここでひとつ注意点。最近のWiFi機器は5/6GHz帯域を優先的に使う方向のようで、eeroデバイスもこの帯域で通信するように設定されている。そのため2.4GHzにしか対応していないデバイスが、eero Pro 6Eに接続できなかったのだ。

 でもご心配なく。アプリのトラブルシューティングから一時的に2.4GHzでつながるモードに設定できるので、10分以内にデバイスの接続を行うことで2.4GHz接続のデバイスを使い続けることができた。我が家でも初期の「Echo Dot」などが現役で、それらについては2.4GHzで接続している。

画像: eero Pro 6Eは背面にふたつのLANポートを備える。写真左のポートが2.5G対応なので、契約内容にもよるが、モデムとつなぐ場合はこちらを優先した方がいいだろう

eero Pro 6Eは背面にふたつのLANポートを備える。写真左のポートが2.5G対応なので、契約内容にもよるが、モデムとつなぐ場合はこちらを優先した方がいいだろう

 なお先程eero Pro 6Eの同時接続台数について “約100台(!)” と書いた。正直、個人宅でここまではいらいだろうと思っていたんだけど、アプリで接続台数を確認してみたら、既に我が家でも19台がつながっていた。

 考えてみると、スマホやPC、プリンター以外にもテレビやHDDレコーダー、ストリーミングデバイス、セキュリティカメラなどもワイヤレスでつながっているし、今後もIoT家電は増えていくだろうから、100台程度は必要なのかもしれないと実感した次第だ。

 肝心の通信速度、安定性はどうか? リビングでマックブックAir(WiFi6対応)のインターネット通信速度を確認してみる。以前のWiFiアクセスポイントでは150〜160Mbpsだったのに対し、eero Pro 6Eでは250〜260Mbpsに向上、ダウンロード待ち時間なども短くなって快適だ。WiFi6E対応ではないPCでこれだけの違いがあるのだから、PCを新しくしたらさらなる通信速度の向上も期待できるはずだ。

画像: AVラックに設置したeero Pro 6Eの子機に、Apple TV 4KとFire TV Cubeを有線接続してみた

AVラックに設置したeero Pro 6Eの子機に、Apple TV 4KとFire TV Cubeを有線接続してみた

 続いて動画ストリーミングサービスでの変化も確認してみる。

 これまで4K動画ストリーミング再生用機器は、有線で接続していた。というのも、無線接続ではNetflixやDisney+などの視聴中に時折不安定になることがあったので、モデムからリビングの反対側にあるAVラックまで10mのLANケーブルを引き回していたわけだ。

 今回は、子機のeero Pro 6EをAVラックに置き、背面のLANポートにApple TV 4KとFireTV Cubeを有線接続している。もちろん両機とも無線接続はできるけれど、動画再生時にできるだけ作業の負荷を減らしたほうがいいんじゃないかな、という発想です。

 この状態で4K/ドルビーアトモス作品を再生してみたが、どちらのデバイスでもひじょうにスムーズに再生でき、もちろん読み込みが遅くなるといった不具合もない。これなら安心して動画配信サービスを楽しめる。

画像: USENのサイトで、マックブックAirでの通信速度を測定してみた。無線で250Mbpsを超えており、4K動画なども問題なく楽しめるはず

USENのサイトで、マックブックAirでの通信速度を測定してみた。無線で250Mbpsを超えており、4K動画なども問題なく楽しめるはず

 画質については110インチスクリーンで再生してみたが、有線接続と比べて気になった点はない。逆に明るいシーンのピーク感などはeero Pro 6E経由の方が伸びているんじゃないの、という気もしたほど(かなり微妙ですが)。ケーブルの引き回しやスイッチングハブなしでこのクォリティが手に入るのは嬉しい。

 ちなみに電波の強度、通信安定性も向上しているようで、1Fでリモート会議をしても映像・音声ともに途切れたり、聴きにくくなることもなかったし、スマートリモコンも不具合が発生することはない。

 eeroのシステムは、単体で使っても通信速度の向上、安定性改善が期待できるし、さらに簡単にメッシュWiFiシステムが構築できるという魅力も備えている。オーディオビジュアル用途としても、通信が安定位しているメリットは大きいので、自宅のネットワーク環境に不満がある方はeeroシステムも候補のひとつに加えてみてはいかがだろう。

 我が家も、もはや以前の状態に戻ることはできないし、いっそのことeero Pro 6Eを導入して、PCやスマホもWiFi6E対応にグレードアップしようかな、と困った衝動に駆られている次第なのです。(取材・文:泉 哲也)

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