510 JVCケンウッド
「OTOTEN2024で、ビクターの新製品プロジェクターをしっかり紹介するから、観においでよ」という麻倉怜士さんからのお誘いを受け、OTOTEN初日(22日11時〜)のビクターブースでの視聴会に参加した。
そのブースには、180インチのスチュワート製スクリーンとヤマハAVアンプ&スピーカーによるサラウンドという本格システムが準備されており、ここで新製品プロジェクター「DLA-V900R」「DLA-V800R」の実力を確認できるようになっていた。
ビクターとしては、2021年に発売した「DLA-V90R」「DLA-V80R」以来3年ぶりとなる製品で、どちらも第三世代の4K解像度D-ILAデバイスを搭載、コントラスト比が大きく改善されているのが特長だ。ちなみに発売は6月下旬の予定で、今回はきちんとした環境でDLA-V900R、DLA-V800Rの映像を確認できる貴重な機会だったわけだ。
それぞれの製品特長を紹介した後、麻倉さんのお薦めディスク視聴がスタートした。まず弟機のDLA-V800RではビコムのUHDブルーレイ『宮古島〜癒しのビーチ』を再生、東平安名崎灯台を写したシーンのチェックポイント(草木がどれくらい自然に再現されるかや、灯台の描写、海のブルーの階調感など)についても詳しく紹介してくれた。
映画作品ではNBCユニバーサルのUHDブルーレイ『マリアンヌ』やパラマウント『ミッション:インポッシブル/デッドレコニングPART ONE』を上映、フォーカスの合っている部分と背景のぼけている部分の描写の見事さ、映像のクリアーさについて、DLA-V800Rの進化点もわかりやすく解説された。
そしていよいよDLA-V900Rでの上映がスタート、「この会場では漏れ光や反射光対策に限界があるので、DLA-V900Rの実力が発揮できているとはいえませんが、それでも魅力の一端は感じてもらえると思います」(麻倉さん)という注釈の後に、『8K 空撮夜景 SKY WALK』が再生された。
このディスクは東京の夜景を撮影したもので、薄暗い中に多くの光のポイントが散りばめられたひじょうに厳しい映像として有名だ。DLA-V900Rではそれらの細かい輝度が滲むことなく再現され、同時に黒はしっかり沈んで、ハイコントラストな映像として再現されている。麻倉さんもこの絵を確認しながら、「車のヘッドライトやテールランプ、高層ビルの窓の明かりが緻密に再現されています。新たに搭載された超解像回路の効果がよくわかる、素晴らしい映像ですね」と感心している様子だ。
映画UHDブルーレイでは『レオン』で35mmフィルム撮影らしいグレイン感やレンズを使った演出を、『トップガン マーヴェリック』では最新デジタル撮影ならではの精細感が堪能できた。「情報量が増えていくと、それは情緒に変化するんです。DLA-V900Rの映像はそのことを実感させてくれます」と麻倉さんはビクタープロジェクターで映像を楽しむ際の大きな魅力を指摘してくれた。
近年のOTOTENでは製品数の問題もあってか、大画面&サラウンドを体験できる視聴会は減少傾向にあった。しかし今回はビクター、エミライ、ヤマハ、ソニーなどのブースで同様のデモが行われており、ホームシアターファンも楽しめる内容となっていた。今回の麻倉さんのデモも大人気だったので、今後もこういった機会が増えていくことを期待したい。
410 WAPAN(鹿港音響)
台湾のオーディオブランド、鹿港音響(ルーカンオーディオ)は、ガラス棟410号室に同社スピーカーを一挙展示、それぞれの音を楽しめるようになっていた。ルーカンオーディオは、2003年に台北で設立、スピーカーの設計、製造を行なっているブランドだ。他にもスピーカーケーブルや電源ケーブル、インシュレーター等も開発している。
今回は同社のフラッグシップスピーカー「Spoey 230FS」や「Spoey 230」「Spoey 200」「Spoey 155」という全ラインナップを日本初披露、音の魅力をアピールしていた。
ブースには同じく台湾のブランドであるKECESのストリーミングトランスポート「Ebravo」やプリアンプ「S4」、パワーアンプ「S300」、パワーサプライ「IQRP-3600」などが並び、それらがMYST Jブランドのオーディオラックに並べられていた。これらの製品についてもWAPANが順次発売していく予定だという。