オーディオメーカーfinalは、オリジナルブランドREBとの共同開発となる有線イヤホン「GRID01」を、先週の秋のヘッドフォン祭2023にて発表。11月21日より発売する。価格は¥5,980(税込)だ。
GRID01は、「高音質で末永く楽しめる」をキーワードに開発された有線モデル。finalの人気イヤホン「E3000」の利点を引き継ぎ、ノーマル(購入時のまま)でも、高音質を楽しめる製品として市場に投入されることになる。
もちろんREBブランドから発売されるため、ユーザー自身でのチューニング(パーツ交換)も可能で、用意される交換用フィルターによって、最大で10万通りもの組み合わせの中から、好みのチューニングが選べるようになっている。
リリースからの製品特徴を抜粋すると下記のようになる。
・一音一音の細部までが明瞭で、低域から高域まで見通しがよくクリアな高音質サウンド
・ネジやドライバーを使用せず簡単にフィルター交換(メンテナンス)可能
・別売フィルターを使用することで10万通り以上に音質を変化させることが可能
・独自開発ダイナミック型ドライバー「REB-Core Gen1」搭載
・交換することで音の響きを変化させられるネジ式音導管「MAKE Nozzle」採用
・ステンレス鏡面仕上げ筐体
・最新の切削技術により筐体金属を薄肉に仕上げたコンパクト設計
・最高の装着感を実現するfinal TYPE Eイヤーピース5サイズ付属(ケース入り)
・GRID01をもっと楽しむためのコミュニティサイト「MAKER'S」で情報交換可能
さて、ここでは発売に先駆けて製品を試聴する機会を得たので、そのインプレッションを簡潔に紹介したい(提供された製品でテストを行なっている)。
いつものように、Astell & KernのDAP「A&ultima SP1000」と組み合わせて試聴した(3.5mmステレオミニ接続)。一聴しての印象は、キーワードの通り、低域から高域までフラットな再現性で、ナチュラルな音調が特徴。若干、中域が弱く、全体的に軽めと感じるが、取り立てて弱点というほどではない。抜けもよく、細かい音もよく再現されていて、好印象だった。リケーブルには非対応のようだが(よく見ると、できそうな気もする)、このままでも音質的には充分だろう。finalブランドのDIYイヤホン「MAKE4 スターターキット」と比べても(価格は2.5倍以上の差があるが)、GRID01のほうが音質はよく感じる(初期状態で/MAKE4 スターターキットは抜けが悪い。ケーブルを「A5000」付属品と交換すると大分よくなったが)。
コンテンツをハイレゾにすると、細かい音(ディテイル)はよく出てくるようになるし、音の消え際の余韻、響きもより豊かに感じられるようになる。上方の空間が拡大するような音場の広がりも得られるようになった。定位感もよく、目の奥あたりに音像が浮かぶようになる。
一方、MP3のような比較的圧縮率が高く、情報量の少ないコンテンツにすると、いわゆるドンシャリのドンの部分が強くなるようで、音に厚みが出てくる。先に感じた音の軽さは軽減されるので、圧縮率の高いコンテンツへの対応力も高いようだ。面白かったのは、一応ハイレゾフォーマットのJ-POP・アニソンを聞いた時で、ハイレゾではあるものの、高域の伸びはあまり感じられず、籠ったような印象が強い楽曲が多いこともあり、こうした楽曲との親和性が、意外と高かったこと。初めての有線イヤホンとして、価格と音質がバランスした(ある意味コスパが高い)製品と言えるだろう。
GRID01(RE-MAKE05-01)の主な仕様
筐体:ステンレス / 鏡面仕上げ
ドライバー:ダイナミック型
感度:97dB
インピーダンス:17Ω
コード長:1.2m
質量:18g
付属品:イヤーピース「final TYPE E」5サイズ