アユートは5月27日、都内でAstell&Kernの新製品試聴会を開き、先に発表されて話題を集めているDAP(デジタルオーディオプレーヤー)「A&futura SE300」(以下SE300)、およびVision Earsとのコラボレーション・プレミアムIEM「AURA」(アウラ)を展示。多くのポータブルオーディオファンを集めていた。

 SE300は、Astell&Kernのオーディオプレーヤーのプレミアムライン(A&futura)の新世代モデル(4番目の製品)となり、国内では6月発売、価格は¥319,980前後が予定されている。「アナログの音をより高度に再現する」ことを目標に開発が進められたそうで、R-2R DAC、A級アンプの搭載が大きな特徴になる。

画像1: Astell&KernのハイエンドDAP「A&futura SE300」とVision EarsのハイエンドIEM「AURA」の試聴会が実施された。厚みのあるパラフルなサウンドが特徴

 Astell&Kernでは、昨年末にブランド初のA級アンプ搭載のポータブルアンプ「AK PA10」を発売しているが、SE300の開発はそれと並行して行なわれていたそうで、PA10の人気がSE300の開発にも拍車をかけたようだ。

 また、内部の信号処理を司るプログラムの司令塔部分には、こちらもブランド初となるFPGAを自社開発したそうで、これによりハード・ソフトが緊密に連携した最適な処理が行なえる、としている。ちなみに、アンプ動作には「クラスA」と「クラスAB」が用意され、前者は厚みのある音が、後者はこれまで同様にすっきりとした音が楽しめ、アユートの担当者の弁によれば「A級」がおススメとのこと。

 一方のAURAは、上に記したようにドイツのハイエンドIEMブランド「Vision Ears」(VE)とAstell&Kernがコラボして作り上げた弩級のイヤホン。世界限定650台の生産で(国内導入数は未詳)、価格は¥699,980前後、発売は7月を予定している。50万円を超えるようなハイエンドポータブル機器は、主に日本やアジア圏(中国・韓国など)での販売が好調だといい、そうしたエリアへ向けた製品になるようだ。

画像2: Astell&KernのハイエンドDAP「A&futura SE300」とVision EarsのハイエンドIEM「AURA」の試聴会が実施された。厚みのあるパラフルなサウンドが特徴

 製品の設計に関する面ではVEが、Astell&Kernはデザイン面、筐体の材質(アルミ)部分に意見を出したそうで、VEとしても初のメタル筐体の仕様になっているそうだ。5月12日にリリースベースで発表されたもので、報道陣・一般ユーザー(ファン)ともに、初めて製品を見たり、試聴したりできる貴重な会となっていた。

▼関連記事

 さて、最後にSE300とAURAを組み合わせての試聴の印象を簡潔に紹介したい。音調はどちらかと言えばプレーヤー側(SE300)の性格が色濃く反映されていて、低域部分に量感と勢いを強く感じるサウンド。これは担当者おススメのクラスA級設定のもの。クラスAB級にすると、全体的に穏やかな音調となり、すっきりした印象となる。一応、AURAを記者私物のプレーヤー(4.4mmバランス接続)で馴染のコンテンツでも試聴してみたが、この場合はより繊細さが出てきて、音場も広がるようになった。メーカーでは、(当たり前だが)Astell&Kernの「A&futura SP3000」との組み合わせを推奨していて、SP3000とAURAを接続した状態でSP3000をネットに接続すると(初回のみ接続が必要)、専用のEQがダウンロードされ、メーカー推奨のベストなサウンドが楽しめるようになるということだ。

This article is a sponsored article by
''.