finalから発売中の、完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデル「ZE8000」。11月の発表会以後、折に触れて製品のテストを行なってきたが、その中で一つ、気になった点があったので今回、記事にしてみたい。

画像: ▲パンダ状態のZE8000

▲パンダ状態のZE8000

 何が気になったのかと言うと、タイトルにも記したように、イヤーチップの色で音は変わるのか? ということ。というのも、製品発売の12月16日に合わせて本体のファームウェアがアップデートさて、それによって音質が大きく変わっており、それに付随して、ユーザーコメントの中で散見された、“音が遠い”“音がこもる”という経験を、記者がしたことが、その理由として挙げられる。

 一方で、アップデートによる音質の変化は感じたものの、本機の売りの一つでもあるノイズキャンセル機能の効き具合が、どうしても体感できなかったため、たまたま知り合いが所有していたZE8000(こちらはブラックモデル)を借りてみたところ、記者がテストしていたホワイトモデルとは、音色だけでなく、ノイキャンの効き具合も異なっていたから。

 そこでまずは、装着の仕方を研究してみた。一般的な完全ワイヤレスイヤホンであれば、お団子タイプでも、スティックタイプ(インナーイヤー型)でも、イヤホン本体がある程度は耳の窪みの部分にはまって固定できるようになっている。しかし、ZE8000ではボディ部分を小型化していることもあって、その押さえが弱い。そのため、装着具合(密着度合い)が弱いと、音が遠くなったり、こもったりすることが分かった。

 いろいろ試してみたところ、バーの部分も持って耳に装着し、2、3回本体をグリグリと回しながら圧着(密着)させると、いい感じになった。次に、向きについて、バーの上下を持って、前に倒したり、後ろに引いてみたりといろいろテストしてみると、意外と垂直にするのが一番いいという結果となった。続いて、キャンバーについては、鬼キャン、ポジキャンにするよりも、こちらも垂直が一番という結果であった。後ろに倒すとボーカルが出てくるようになるが、反面、伴奏(曲)が大人しくなってくるので、それを加味すると、上述したように、垂直にしておく(好みで少し後ろ倒しか)のが一番いいようだ。

画像: ▲形状が似ているSTATUSの「BETWEEN PRO」と並べてみると、ノズルが上向きに出ているのが分かる

▲形状が似ているSTATUSの「BETWEEN PRO」と並べてみると、ノズルが上向きに出ているのが分かる

 その状態でテストしてみると、弱いながらもノイキャンの動作が確認できた。効き方はマイルドで、耳障りな高周波域のノイズを若干抑制するように働いているのが確認できた。音色の変化はあまり感じないが、念のため「ウインドカット」モードにしてみると――メーカーの広報担当者によれば、ノイキャン・オフに近いとか――高域部分がふわっと広がり、自分の上方空間が少し拡大するように感じるので、周囲の騒音がそれほど大きくない場合は、ウインドカットモードがおススメできる。同氏によれば、ウインドカットモードに固定するファームの変更も検討しているそうだ。

▲「ウインドカット」モードに入るには、左側のタッチ部分を長押しする

 さて、いよいよ本題だ。今回はfinal広報の協力も得て、ブラックのイヤーチップを用意してもらった。さっそくZE8000に装着して、イヤーチップの色で音質に差があるのかについて白黒つけるべく、テストしてみた。

画像: イヤーチップの色で音は変わる? final「ZE8000」を使ってテストしてみた

 その結果は、あるということになった。ホワイトでは、ZE8000の売りである繊細なサウンドが楽しめ、ブラックでは「8K SOUND+」の効果をより感じられる力強いサウンドが楽しめるものとなっていた。加えて、ブラックでは重心が若干下がり、音場や音数が少し狭く、少なくなる。何度か交換してみたが、同じ傾向を感じるので、そういう音色になっているようだ。実際、それぞれのイヤーチップを並べて触ってみると、若干ブラックの方が柔らかいので、それが音色に関係しているのかもしれない(残念ながら今回は、本体色の違いについてはテストしていない)。

画像: ▲素材は同じとのことだが、若干黒の方が柔らかく感じた

▲素材は同じとのことだが、若干黒の方が柔らかく感じた

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