映画『ジャパニーズスタイル／Japanese Style』の公開を記念した初日舞台挨拶が12月23日（金）、渋谷のユーロスペースで行なわれ、W主演で今回制作にも参加（企画）している吉村界人、武田梨奈、そして共演の日高七海、田中佐季、フェルナンデス直行、アベラヒデノブ監督らが登壇した。
本作は、大晦日に偶然に出会った男女が、お互いが抱えている悩みやコンプレックスに向き合い、それを解決するために行動を共にする、という作品。3年越しでの上映を迎えたことに対して「とにかくうれしいです。早く感想が欲しいです」（吉村）、「初めて制作の段階から関わらせていただいた作品の舞台挨拶に立たせていただいて、いつもとは違って感慨深いです」（武田）と満面の笑みで話していた。
撮影は3年前のちょうど大晦日（2019年12月31日）から翌1月4日にかけて行なわれたそうで、監督は「クランクインしたのは大晦日。年末の空気、年の瀬に近づいてきたこの空気の中で公開できることになりました。それがすごくいいんじゃないかなって感じています。（僕たちが作品に込めた）気持ちが届くといいなって思います。楽しんでください」と喜びのコメント。
先の武田のコメントにもあったように、今回、主演の二人（吉村・武田）は、制作にも入っており、その感想を問われると、吉村は「何かやろうよ、っていう言葉から始まった作品が、こうして完成して映画になったっていう感じですね」とおどけたコメント。一方武田は、「ひょんな一言からアイデアが膨らんでいった作品なので、それはとても面白いなって思います。昨日の配信でも（吉村と）喧嘩していましたけど、作品への思いが強すぎてぶつかることも多かったのですが、作中にもあるように、ぶつかり合いながら成長していく。そして他人のぶつかり合いを見ながら、私たち（吉村・武田）の心境も変わっていく。そういう面白さがありました」とこれまでを振り返っていた。
日高はクランクインからの加入となったそうで、「もう（現場が）出来上がっている状態で入ったので、ここに入っていいのかな？」という感想を持ったそう。また、アベラ監督からの演出はかなり独特だったそうで、「宇宙人なんで」みたいな説明をされて戸惑ったそうだが、完成した本編を見て「面白くてびっくりした」そうだ。
田中は、急にオファーが来たといい、「実家（大阪）に帰ろうと思っていたんですけど、帰れなくなりました（笑）」とか。現場では、「いまこの芝居をここでやるんだっていう不思議な気持ち」を持ったそうだが、役に入ったら「楽しくできました」とのことだ。
劇中の重要なアイテムでもあるトゥクトゥク（タクシー）の運転手役を務めたフェルナンデス直行は、印象的なセリフがあったそうで、「今となっては日本人」というのがそれ。多様な背景を持つ彼の気持ちに刺さったそうで、「思い入れのあるシーンになった」と話していた。また、コロナが広まる直前の日常の映像を収めていることもあり、「視覚的なものも楽しめると思います。観た方それぞれが、登場人物たちの想いを持って帰ってもらえたら」とコメントしていた。
また、本作の見どころを聞かれて田中は「（監督は）いろいろあるけど（笑）、憎めない方だなって思いました。可愛くて、愛おしくて、憎めない。登場人物たちにはそうしたアベラさんの要素が本当に詰まっています。最後まで観てほしい」。日高も「アベラさんの映画だなぁーて思いました。しかも、吉村さんと武田さんがアベラさんに見えて。愛しくて、ちょっぴりアホで、憎めない映画になっています、ぜひ」と愛を込めたコメントをしていた。
武田は、「悲劇と喜劇は紙一重と言いますが、この作品も同じで、登場人物たちはいろいろなものを抱えていますけど、客観的に見たら、えっそんなことで悩むのっていうことも多くあります。そういう人間の可愛らしいところがたくさんあるので、観ていただいた方には、ちょっと気楽になってほしいと思います。劇中のセリフで“考えすぎ”っていう言葉があって、自分も何でもかんでも考えすぎていたんだって気づかされるところがあったので、この映画を観て、すっきりして、楽しい年末を過ごしてほしいです」。
吉村は「この映画を観たら、アベラさんのことがよく分かります。素晴らしい監督です」。
最後に監督から、「僕の中にあるコンプレックス、思いをすべてぶち込みました。日本には、ちゃぶ台返しという伝統があるように、暴れる時は暴れられるんだよ！ と。コンプレックスがあるからこそ、もっと日本を誇れる国にしたい！」と、某有名プロデューサーの言葉を借りて（笑）、締めの言葉としていた。
映画『ジャパニーズスタイル／Japanese Style』
12月23日（金）ユーロスペース シネマ・ロサより全国順次ロードショー！！
＜キャスト＞
吉村界人 武田梨奈 ／ 三浦貴大 日高七海 佐藤玲 フェルナンデス直行 田中佐季 長村航希 布施勇弥 みやび ／ 山崎潤
＜スタッフ＞
監督・脚本・編集・企画：アベラヒデノブ プロデューサー：雨無麻友子 企画：吉村界人 武田梨奈 共同脚本：敦賀零 音楽：茂野雅道 撮影：栗田東治郎 録音：寒川聖美 ヘアメイク：堀奈津子 衣裳：小宮山芽以 絵画制作：中村佑 助監督：渡邉裕也 制作担当：石川恭彰 スチール：小野寺亮 市川唯人 宣伝協力：岩館佐知子 主題歌：貉幼稚園「あてのない旅」（最新アルバム『弾いて叩いて吹いて歌って』） 製作：スタジオねこ 配給・宣伝：キグー
（C）2020映画「ジャパニーズ スタイル」製作委員会
