PULP FICTION 1994年

監督 クエンティン・タランティーノ
製作 ローレンス・ベンダー
製作総指揮ダニー・デヴィート マイケル・シャンバーグ ステイシー・シェア
脚本 クエンティン・タランティーノ
撮影 アンジェイ・セクラ
音楽監督 カリン・ラクトマン キャシー・ネルソン
出演 ジョン・トラヴォルタ サミュエル・L・ジャクソン ブルース・ウィリス ユマ・サーマン 
   ハーヴェイ・カイテル ティム・ロス アマンダ・プラマー マリア・デ・メディロス 
   ヴィング・レイムス エリック・ストルツ ロザンナ・アークエット クリストファー・ウォーケン 
   スティーヴ・ブシェミ クエンティン・タランティーノ 

画像1: 4K SCREEN CAPTURE

4K SCREEN CAPTURE

第47回カンヌ国際映画祭授賞式で、拍手とブーイングが巻き起こるなか、グランプリにあたるパルム・ドールが『パルプ・フィクション』に贈られた。壇上に上がったタランティーノ、31歳。『レザボア・ドッグス』に続く監督2作目にしての快挙に大喜び。『レザボア~』 ですでに熱を帯びていたタランティーノであったが、あらためて映画業界が認めた瞬間であった。

マリオ・バーヴァの『BLACK SABBATH(邦題:ブラック・サバス/恐怖!三つの顔)』を観たことがあるかい?三話からなるホラー・アンソロジーなんだけど、最初はバーヴァがやったことを犯罪映画でやろうとしていたんだ。あの映画のバーヴァは最高さ。でもそのうちに、J・D・サリンジャーが連作物語にグラース家を登場させたように、3人の主人公が登場しては消えるというアイデアを思いついたんだ。(クエンティン・タランティーノ)

「30年代に流行った三文犯罪小説が扱った低俗な話を採り入れながら、突飛な犯罪映画に仕立てようと思った」と早口でまくし立てていた通り、『レザボア~』にも増してノンリニアな物語構造、小説で使われていきたクロスカッティング技法、豊かで折衷的な対話、ユーモアの皮肉な使い方、吹き込まれるポップ・カルチャー、超クールな音楽サウンドトラックがエッジの効いたネオノワールと組み合わさって、新しい映画スタイルの到来を告げたのである。

ダンスシーンのアイデアはゴダールの犯罪ドラマ『はなればなれに(1964)』から生まれたんだ。ブルース・ウィリスに関して言えば、ジャック・ターナーが監督した『夕暮れのとき(1957)』のアルド・レイそのものさ。私にとって彼は 、アルド・レイ、ラルフ・ミーカー、キャメロン・ミッチェル、ブライアン・キース、そしていくつかの映画のロバート・ミッチャムといったあの時代のタフな男たちを思い起こさせる、唯一の今日のスタアなんだ。(クエンティン・タランティーノ)

写真はスチールブック・Ed.。スタンダード・Ed.と共に日本語字幕吹替音声収録。

画像2: 4K SCREEN CAPTURE

4K SCREEN CAPTURE

撮影は『レザボア~』に続いてアンジェイ・セクラが務め、コダック5245/50Dストック(ASA50感度/デイライト用フィルム/エクタクロームXR)で全編撮影。ノンアナモ撮影であった『レザボア~』に対し、アリフレックス35-IIIおよびパナビジョン・パナフレックス/アナモフィック撮影。

パラマウント・アーカイブ部門主導による、35mmオリジナルカメラネガを4Kデジタルレストア/HDRグレード(タランティーノ承認の有無はアナウンスされていない)。HDRはHDR10とドルビービジョンをサポート。仕上がりはノーブル、堂々たる一級品。これまでのライオンズゲート版BLU-RAYとの比較では、明快なアップグレードを視認できる。過度なDNRの弊害を払拭、明瞭度と深度描画力の改善が著しく、ほぼすべてのフレームに確然たるテクスチャリングが施されている。5245/50Dストックの特徴である微粒子感の再現も優秀。

HDRは自然光と人工光のいずれも豊かにする鮮明な視覚要素を追加。ハイライトは一貫性を保ち、深く豊かな黒レベルも揺るぎない。WCG(広色域)の恩恵は一目瞭然。色域が抑制されていたBLU-RAY版に対し、5245/50Dストックならではの鮮やかな色再現が蘇生している。ジャック・ラビット・スリムスのカラースキームは観どころのひとつ。

画像: 2011 LIONSGATE BLU-RAY

2011 LIONSGATE BLU-RAY

画像: 2022 PARAMOUNT UHD BLU-RAY

2022 PARAMOUNT UHD BLU-RAY

サウンドデザイン/音響編集監修は『ロボコップ』『スピード』でオスカーに輝くスティーヴン・ハンター・フリック。『レザボア~』に続いての登板である。ドルビーSRマスターからの5.1chリミックス。BLU-RAY版と同マスターと思われるが、整音精度はわずかに高まっている。ミックスはバランスが取れており、発声は終始明晰、サウンドステージのサイズも過不足がない。サラウンドは優れた指向性、スムーズなパンニングを提供。控えめながらも十分なローエンドは随所で活躍する。

なぜサーフ・ロックを選んだかって?スパゲッティ・ウエスタン(マカロニ・ウエスタン)の音楽のように聞こえるからさ。それだけの理由だよ。そもそもサーフ・ロックが、サーフィンやサーフ・カルチャーとどのように関係があるかなんて理解していない。(クエンティン・タランティーノ)

UHD PICTURE - 4.5/5  SOUND - 4.5/5

画像: 4K SCREEN CAPTURE 映像平均転送レート 63263 kbps(HDR10)| 3847 kbps(DOLBY VISION 6.08%) 音声平均転送レート 3881 kbps(DTS-HD Master Audio 5.1 | 48kHz | 24bit)

4K SCREEN CAPTURE
映像平均転送レート 63263 kbps(HDR10)| 3847 kbps(DOLBY VISION 6.08%)
音声平均転送レート 3881 kbps(DTS-HD Master Audio 5.1 | 48kHz | 24bit)

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