ベルキンから、アクティブノイズキャンセル機能搭載の完全ワイヤレスヤホン「Belkin SOUNDFORM Flow」が発売中だ(10月25日発売/¥6,990税込)。
これは、スティックタイプのワイヤレスイヤホンで、大口径12mmのダイナミックドライバー、アクティブノイズキャンセル、軽量で快適な装着感、といったフィーチャーを備えた製品。各種の賞を受けた「SoundForm immerse」をベースに、音質、ノイキャン性能に磨きをかけたという。ここでは、そのBelkin SOUNDFORM Flowのインプレッションについて簡潔に紹介したい。
まずは装着感から。Flowという単語には、流れ出るとか風にたなびくといった意味があるが、収納ケースを含めて、その根底にある軽やかさを感じる仕上がりにまとめられている。スティックタイプとしては標準サイズに感じるが、本体はかなり軽量にまとめられており、柔らかく仕立てられたイヤーチップと合わせ、装着感は良好。イヤーチップも柔らかくなっていて装着時の圧迫感は少ないので、カナル型が苦手なユーザーでも安心して使えるだろう。重量バランスもいい。
その一方で、柔らかいイヤーチップの遮音性は今一歩で、周囲の様子(騒音)はけっこう聞こえてくるので、通勤電車の中(地下鉄)といった比較的騒音の大きい場所では、影響は大きい。そんな時に役に立つのがアクティブノイズキャンセル(ANC)であるが、本Belkin SOUNDFORM Flowのそれは、かなりマイルドな設定。ノイズを消す(=キャンセルする)というよりかは、リデュース=騒音を減らす=音量を下げる、という感覚。ANCをオンにすると、周囲からの騒音が20~30%減る=音量が下がる感じで、騒音自体は残っている。とはいえ、音楽が聞きやすくなる程度までノイズは抑制されるので、効果は、あると言えばある。ANCオフで音楽が聞きとりにくい場合に、ANCをオンにするといいだろう。ノイズは残っているものの、音楽自体は聞きやすくなる。もしくは、常時オンにしておいてもいい。
ANCの音質への影響は比較的小さく、強いて言えば音数が減る、音場が狭くなる、薄くなる、響きが減るといった副作用もあるが、常時オンにしていてもいいだろう。
音質については、対応コーデックがSBCということもあって全体的に薄味ながら、SBCでありがちなドンシャリ(シャリはないが)傾向は抑えられていて(特定の帯域が出しゃばって来ない)、全体的にフラットなもの。高域については伸びてはいないが、詰まっている感覚はない。あまり高域成分がないためか、定位は目の後ろあたりで収まっている。ハイレゾコンテンツを再生すると、響きの余韻が多くなり、音場感も少し広がる印象で、きちんとコンテンツのスペックに応えてくれるようになっている。
7000円を切る価格で、ノイキャンを搭載し、装着感のよさ、聞きやすい音質といった特徴を持つ本機は、完全ワイヤレスイヤホン初心者には、好適な製品と言えるだろう。
Belkin SOUNDFORM Flowの主な仕様
Bluetooth:v5.2
対応プロファイル:A2DP、HFP、HSP
ドライバー:12mmネオジム磁石ダイナミックドライバー
感度:97db @ 1kHz
インピーダンス:16Ω
再生時間:6時間(ANCオン)、収納ケース併用時31時間(NCオフ)
充電時間:ケース+バッドのフル充電で90分
充電ケーブル長さ:18cm
防水規格:IPX5
カラー:ブラック、ホワイト
質量:片耳4.7g