「春のヘッドフォン祭2022mini」の会場となった中野サンプラザ15Fでは、各輸入代理店が自社の取り扱い製品をずらっと並べてデモを実施していた。まずはエミライブースの様子を紹介したい。
Noble Audio
ノーブルオーディオでは、先日発表されたばかりの「FALCON ANC」(市場想定価格¥19,800前後、5月13日発売)を中心に歴代モデルをずらりと並べた試聴コーナーを設けていた。ジョン・モートン氏による音質チューニングを施された初のアクティブノイズキャンセリング搭載モデルで、コーデックのaptX Adaptiveにも対応済みだ。
なお担当者によると、「FoKus PRO」(市場予想価格¥53,900前後)を目当てにした来場者も多かったそうだ。FoKus PROは同ブランドとして音質を最優先したモデルで、ワイヤレスイヤホンでも音にこだわりたいというユーザーの注目が高い証拠だろう。
FiiO
FiiOからは、Bluetoothアンプの新フラッグシップモデル「BTR7」(3万円前後、2022年上半期発売)が世界初公開された。同ブランドとして初めてTHX AAAアンプを搭載し、さらに4.4mmバランス注力端子も備えた完全バランス設計を採用した点もポイントだ。
DACチップはESSテクノロジーの「ES9219」を2基、左右独立構成で搭載した。Bluetoothチップはクアルコム「QCC5124」でLDAC、aptX HD、aptX Adaptiveのコーデックにも対応済みという。
同じくFiiOから参考出品されていたのが、USB DAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプ「KA1」(8,000円前後、今春発売)だ。DACチップはESSテクノロジー製「ES9281AC PRO」で、最大384kHz/32ビットのリニアPCMとDSD256(DoP時はDSD128まで)信号に対応している。出力は3.5mmヘッドホンで、入力端子はUSB Type-C、またはLightningが準備される。
Ferrum Audio
Ferrum Audio(フェルム・オーディオ)は、エミライが昨年9月に取り扱いを発表したポーランドのブランドで、今回は同ブランドの製品が3モデル参考展示という形で並んでいた。
今回はDCパワーサプライ「HYPSOS」(10万円台後半、2022年上半期発売)とD/Aコンバーター「ERCO」(30万円台半ば、同)、「ORR」(30万円台前半、同)などがデモされていたが、こちらもその音を体験したいという来場者が常に並んでいた。
ERCOはESSテクノロジー「ES9028PRO」を内蔵し、最大384kHz/32ビットのリニアPCMとDSD256に対応。HYPSOS専用の電源4ピンコネクターも搭載している。アナログ音声出力は4.4mmバランスと6.35mmヘッドホンジャック、バランスXLRとRCA端子も搭載済みだ。
Mytek
人気のMytekからは、初の据置き型ヘッドホンアンプ「Liberty HPA」(市場想定価格¥195,000前後、税別、12月発売)と、USB DAC「LibertyDAC II」(市場想定価格¥195,000前後、税別、3月発売)が展示された。
Liberty HPAはTHX AAAアンプテクノロジーを採用した完全アナログアンプで、入力はRCA×3とXLAバランス×1、出力は4.4mmバランス、3.5mmアンバランス、6.3mmヘッドホンジャック、RCA×1を備えている。
Liberty DAC IIはDACチップにESSテクノロジー製「ES9038Q2M」を搭載、最大384kHz/32ビットのリニアPCMとDSD256に対応する。
Vortex Cables
エミライでは、2018年に香港で創業したオーディオケーブルVortex Cablesの製品について今後の取り扱いを検討しているとかで、会場には同ブランドのイヤホン用リケーブルが展示されていた。
「Tiana」(15万円前後、2002年上半期発売予定)は同ブランドのフラッグシップケーブルで、今回が世界初公開となる。導体には4N純銀線+5N LCOFC(無酸素銅)を採用しているという。同様に展示されていたのが「Alida」(9万円前後、同)、「Nira」(7万円前後、同)で、Alidaは導体素材が金メッキ4N純銀線+5N LCOFC、Niraは銀メッキ5N LCOFCを採用している。
3モデルともイヤホン端子側にはEffect Audio製「Con X」を採用し、2pin/MMCX/A2DC/Ear/IPXから選択可能。プレーヤー側はOE Audio製「Ultra Premium Multi-Plug Gen II」で、3.5mm/2.5mmバランス/4.4mmバランスが換装できるという。