エミライから、アメリカのオーディオブランドCleerの完全ワイヤレスイヤホン「ALLY PLUS II」(市場想定価格¥17,820前後、税込)が発売された。

 同ブランドは2012年に南カリフォルニアのサンディエゴで創業されたオーディオメーカーで、世界トップレベルの工場での物作り、クリアーな音質、シンプルなデザインといった特長を備えている。

 今回エミライではCleerの完全ワイヤレスイヤホンを2モデル販売する予定で、ALLY PLUS IIはその上位機に当たる。本機は特許取得済み10mmアイアンレスドライバーを搭載。磁性体をコアに使ったドライバーでは歪みが避けられないとして、20個に分割したレアメタルを振動板の後ろにリング状に最適配置したもので、中音域の歪みを6分の1にまで抑えているという。

画像1: Cleerの「ALLY PLUS II」は、いい音を持ち運びたい人に注目して欲しい完全ワイヤレスイヤホンだ。リモートワークを邪魔する猫の鳴き声も、見事にキャンセルしてくれた!?

 さらに、フィードフォワードとフィードバックを組み合わせたハイブリッド方式ANC(アクティブノイズキャンセリング)機能も搭載している。もちろん外部の音を取り込めるヒアスルー機能も備えており、タップ操作で簡単に切り替え可能だ。

 BluetoothコーデックはSBC、AAC(日本向けモデル独自の対応)に加え、aptX Adaptiveにも対応している(再生機側の対応も必要)。連続使用時間は本体で11時間、充電ケースとの組み合わせで22時間。充電はUSB Type-Cケーブルの他、ワイヤレス充電(Qi)にも対応している。本体はIPX4の防滴仕様を備える。

 さて今回、ALLY PLUS IIの取材機を借用できたので、1週間ほど色々なシーンで使ってみた。

 まずはスマホのiPhone12とつないで音楽を聴いてみる。ALLY PLUS IIを充電ケースから取り出すと、すんなりiPhone12とペアリングが完了。さっそくfoober2000から44.1kHz/16ビットや48kHz/24ビット音源を再生する。なおこの組み合わせでは、BluetoothコーデックはAACで伝送されていることになる。

 カーペンターズ「スーパースター」やメイヤ「HowCrazy Are You?」といった女性ヴォーカルは、明瞭かつ澄んだ声が印象的だ。楽器も高域までしなやかに伸びていて、クリアーな音を目指したということが納得できる。エリカ・バドゥ「Rimshot」の低音もそれなりに重く響き、高域・低域ともバランスよくまとめられている。

画像2: Cleerの「ALLY PLUS II」は、いい音を持ち運びたい人に注目して欲しい完全ワイヤレスイヤホンだ。リモートワークを邪魔する猫の鳴き声も、見事にキャンセルしてくれた!?

 ANCは本体からオン/オフが可能で、さらに専用アプリ「Cleer+」を組み合わせれば、周囲のノイズ量に合わせて自動的に効果を調整する「スマート」にも設定できる。またアプリからは外音取り込み時の透過量も調整可能だ。

 ANCを「スマート」にセットし、自宅内や通勤時のバスや電車の車内で使ってみた。自宅内ではエアコンなどの暗騒音をうまく抑えて、音に集中できる(おやつをねだりにきた猫の甘え声もキャンセルしたのには驚いた)。

 通勤環境ではバスのエンジン音、駅のガヤなどがしっかりキャンセルされる。暗騒音が大きい環境ではわずかに音が整理されているようにも感じるが、それほど気にせずANCのメリットを活かした方がいいだろう。

 ALLY PLUS IIはaptX Adaptiveのコーデックにも対応しているので、アステル&ケルン「SP1000」を組み合わせてみる。両機をペアリングすると「aptX HDを使用しています」との表記が出て、48kHz/24ビットで通信できることが確認された。

 ノラ・ジョーンズの「ナイチンゲール」(192kHz/24ビット/FLAC)は、ノラのヴォーカルに艶が出る。音場もクリアーでS/Nが高く、ギター、ピアノ、ドラムと楽器が増えるたびに空間がしっかり埋まっていく様子が伝わってくる。

画像3: Cleerの「ALLY PLUS II」は、いい音を持ち運びたい人に注目して欲しい完全ワイヤレスイヤホンだ。リモートワークを邪魔する猫の鳴き声も、見事にキャンセルしてくれた!?

 DSD 2.8MHzの「ファリャ:バレエ音楽『三角帽子』序曲」はトランペットなどの管楽器の再現がリアルで、拍手も上品な響きに感じる。女性ソプラノは伸びが控えめながら心地いい。マイケル・ジャクソン「今夜はビート・イット」(176.4kHz/24ビット/FLAC)は電子楽器のキレがよく、ドラムが弾む印象。エコーが心地よく響いて80年代の空気が甦る。

 2万円を切る価格帯でANCとaptX Adaptiveに対応し、どのソースでもバランスのいいサウンドを聴かせてくれるALLY PLUS IIは、常にいい音を楽しみたい音楽ファンには注目のモデルになるだろう。なお、銀座や横浜といったターミナル駅ではBluetooth通信が途切れることがあったので、人混みで使うことが多い方は注意した方がいいかも。(取材・文:泉 哲也)

「ALLY PLUS II」の主なスペック

●使用ドライバ−:10mmダイナミック型
●Bluetoothコーデック:SBC、AAC、aptX Adaptive
●再生周波数帯域(Bluetooth):20Hz〜20kHz
●搭載マイク:QualcommcVc 8th gen
●バッテリー時速時間:最大11時間(本体)、最大22時間(充電ケース込み)※5分の充足充電で最大2時間の使用が可能
●重さ:6.8g(本体)、58g(充電ケース)

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