クリプトンから、14機種目となる電源ボックス「PB-150」(¥35,000、税別、6月下旬発売)が発表された。普及価格帯の製品ながら、これまで上級機で培ってきたノウハウを盛り込んだ注目モデルとなっている。
本体シャーシはW240×H67×D120mmと比較的コンパクトだが、重さは約2.2kgとかなりずっしりしている。これはシャーシに使われている鉄板を厚くして強度を上げた結果であり、同時に本機につないだ機器のS/Nが改善されるという成果ももたらしたという。
また4口の電源コンセントには、新たにアメリカン電機製が搭載された。これは開発者の渡邊さんが試聴を繰り返して選んだパーツとかで、従来よりも滑らかなサウンドが実現出来る点がポイントになったそうだ。
さらに、同社のトップモデルである「PB-2000」と同様の2回路電源フィルター回路構成も搭載している。コンセントはPCやパワーアンプなどの大電流用2口と、ノイズの影響を受けやすいDACやプリアンプなどの小電流用2口に分けられており、オーディオ機器の特性に応じてそれぞれのコンセントにつなぐことで、機器間のノイズ干渉を最小限に抑えられるという。
新製品発表会で、同等価格帯の「PB-111」(2012年発売)からの進化を確認した。ユニバーサルプレーヤーとプリアンプ、パワーアンプをPB-111とPB-150に順番につなぎ変え、CDの音がどう変化するかをチェックするというものだ。
PB-111でものびやかな男性ヴォーカルが楽しめたが、PB-150に変えると演奏の力強さが格段に向上し、バックの演奏も分解能が上がって楽器のひとつひとつまで識別できるように感じる。S/Nもよくなり、ヴォーカルの伸びやかさもアップした。電源ボックスの重要性を改めて確認できる効果だった。
電源ボックスによる音の変化はシステム全体のクォリティアップに直結するわけで、機器を買い換える以上の恩恵をもたらしてくれる可能性もある。クリプトンの渡邊さんも、「自宅の音で気になる事がある場合は、まず電源を見直すことを提案したいですね」と話していた。