ANGEL HEART - 4K UHD BLU-RAY(UK, DE and FR/STEELBOOK)

This sounds like a million other private eye movies, and, in a way, it is.
A few things make it different: a sly sense of humor, good acting and directing, and a sudden descent into the supernatural as Harry Angel discovers the horrifying true nature of his investigation.

Release Dates (Theater):March 6, 1987
Domestic Total Gross:$17,185,632
(International: N/A)

画像: ANGEL HEART - 4K UHD BLU-RAY(UK, DE and FR/STEELBOOK)
画像: ANGEL HEART - Official Trailer - 4K Restoration starring Mickey Rourke and Robert De Niro www.youtube.com

ANGEL HEART - Official Trailer - 4K Restoration starring Mickey Rourke and Robert De Niro

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FILM

人間には、知ってはならないことがある。
1955年。ニューヨーク。私立探偵ハリー・エンジェルは、弁護士を介してルイ・サイファーと名のる男から仕事の依頼を受けた。戦前の人気歌手ジョニー・フェイヴァリットの行方を突き止めてくれというのだ。軍の慰問に派遣されたジョニーは爆撃で顔と頭に重傷を負い、精神を病んで精神病院に収容されているはずで、ジョニーと契約をしたサイファーは彼の生死を確認したいという。さほど難しい調査ではないと踏んで快諾したエンジェルは、まずは病院を訪ねてみることに。ジョニーは1943年に転院したことになっていたが、カルテは当時アメリカで流通していなかったボールペンで書かれていた。何者かが新しく記録を書き加えた。そう考えたハリーは、ジョニーの主治医であった医師ファウラーのもとを訪ねる。一級品の探偵ミステリ調で幕を開ける本作だが、やがてハリーの行く先々で凄惨な殺人が続発、事件の全貌に迫る彼を思いも寄らない真実が待ち受ける。

原作はショッキング・ノベルの傑作と言われる『墜ちる天使』。著者はウィリアム・ヒョーツバーグで、著作の映画化作品ではリドリー・スコット監督作『レジェンド/光と闇の伝説』が有名だ(脚本も担当)。アラン・パーカーの脚本(脚色/ヒョーツバーグの承認を得て大幅に改訂)・演出は格調高く、ミッキー・ローク、ロバート・デ・ニーロ、シャーロット・ランプリングほか出演俳優いずれもよろしく、ことにロークの演技は忘れ難いものとなっている。映画化の権利はさまざまな映画関係者の手に渡り(ロバート・レッドフォードもそのひとり)、ジョン・フランケンハイマー監督/ダスティン・ホフマン主演で実現しかけたものの暗礁に乗り上げ、最終的に『荒鷲の要塞』『ロング・グッドバイ』のエリオット・カストナーが権利を取得した。『ミッドナイト・エクスプレス』『氷の微笑』などの製作者でもあるアラン・マーシャル(共同製作)は、ハリー役をデ・ニーロ、ジャック・ニコルソン、アル・パチーノ、ミッキー・ロークに打診したが、もっとも出演に積極的だったのがロークだったという。「どうしてもビッグネームが欲しかった」というマーシャルは、パーカーと共に(最初の出演交渉でサイファー役を好んだ)デ・ニーロの出演を粘り強く交渉。サイファー役に決まったデ・ニーロは、堕天使を演じるにあたって「マーティン(スコセッシ)の口調や仕草を参考にした」という。

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VIDEO

撮影は『ダウンタウン物語』から本作までパーカーとコンビを組み、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』などで知られるマイケル・セレシン。パナビジョン・パナフレックス+アリフレックス/35mm撮影。パーカーの最終承認を得た、35mmオリジナルネガからの4Kデジタルレストア版。修復作業はイギリスの現像所シルバーソルトが担当。HDRグレーディングまでの全工程を、『第三の男』『ソドムの市』『ビートルズ1』等のレストレーション・カラリストとして知られるスティーヴ・ベアマンが監修している。HDRはHDR10と、オプションとなるドルビービジョンHDRを採用したハイブリット仕様(peak luminance: 1000 nits)。映像平均転送レートは83.2Mbps(HDR10/北米BLU-RAY版は19Mbps)+82 kbps(ドルビービジョン=DV)。収録アスペクトは1.85:1ビスタサイズ。

近年のスタジオカナルといえば旧作のUHD BLU-RAY化に熱心であり、2018年『ディア・ハンター』に始まり、『クリフハンガー』『地獄の黙示録』『赤い影』、さらにはジョン・カーペンター作品や『ランボー』トリロジーなど、4Kデジタルレストアを経た素晴らしいネイティブ4Kリマスター版リリースで注目されてきた。愛情いっぱいにレストアされた映画クラシックが、どれほど見栄えよく蘇生するかを示してきたのである。これは『エンゼル・ハート』も然り。まずはパーカーが「(撮影の)マイケルに難題を課した」という、可能な限り彩度を出し惜しんだスタイリッシュな映像、ときに残銀処理をも思わせる「カラーでモノクローム撮影したような」画調の再現に目を奪われよう。舞台となるニューヨーク(ローワーイーストサイド、ハーレム、コニーアイランド、スタテンアイランド、アルバニーの北部など)やルイジアナ州南部(ニューオーリンズや湿地帯)でロケーションハンティングされた、30年代や50年代から手つかずの街並みや建造物。原色などの派手な色彩を排除、モノトーンにドレスアップされたプロダクションデザイン(『エビータ』でオスカー候補となったブライアン・モリス)や、エレガントなスーツから洗いざらした下着までを揃えた衣装(『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』のオード・ブロンソン=ハワード)。さらに黒の質感を強化するために、ハードライト、キーライト、フィルライト、バックライト、キッカーライトを使いこなした照明(モノクローム作品を撮影するような照明テクニック)。いまではデジタルカラーグレーディングで容易となったが、ここで披露される陰鬱な湿り気をくれるネオノワール美術画は、その質感質量がまったく異なる。いくつかの室内ショットではキアロスクーロ(明暗法)絵画を思わせるライティングを行ない、ニューオリンズでの数シーン(レッドルースタークラブや雨中場面)はポジフィルムをネガ現像した(オレンジベースではない透明ネガ/一風変わった色調で硬めのプリントができる)というが、緊張感で染め抜いたムード醸成が目覚ましい。チーフ・カメラオペレートは『アンジェラの灰』までのパーカー作品や『キリング・フィールド』『ミッション』『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』のマイク・ロバーツが務めており、彼の器用さと鋭敏な感性によって振り付けられたカメラワークも必見。とりわけファウラー医師の住む(実在する)屋敷では、古い家の間取りという厳しい環境の中で絶品のカメラオペーレートを魅せつけている。

BLU-RAY版からの大幅なアップグレード、画像クリーンアップを披露する一方で、ありがたいことに親密な粒子感を保持。ディテイル描画の改善は人物画に明快。疲弊した大顔絵やミドルショット、ぬるぬるした皮膚、皮下の静脈や加齢によるシミ、汗の流動を明らかにする。オリジナルネガからの4Kスキャンが提供する、多くの被写体レイヤーが彩る深度操演の妙も味わい深い。明るいピークの白から、印象的な陰影ディテイルを保持する最暗部まで、HDRは広範にわたるトーンで補いながら邪悪なムードを強化。色相やトーンの微差を描画しつつ、陰影の無限性、光と色の潜在能力を引き出している。年代物の建造物や実景、美術装飾や衣装のカラースキームと陰影に命を吹き込み、水滴ひと粒の光彩まで逃さない。低照度ショットの陰影描画が幾分曖昧となるショットもあるにはあるが、おおむね良好。街灯、車のヘッドライト、ダイナーのネオンの光彩色彩は深みを宿し、日没間際のマジックアワーに撮影されたビーチ・ショットも印象に残る。DVはいくぶんノイズを目立たせる傾向になるが、赤と青のサッシ、青い花瓶、オレンジ色のランプシェード、教会の無数のキャンドル、ゴージャスな青空や緑豊かな植生の描画を強化している。

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AUDIO

サウンドデザイン/リレーコーディングミキサーは『ミシシッピー・バーニング(パーカー監督作)』『ショーシャンクの空』『グリーン・マイル』でオスカー候補となったエリオット・タイソン、ロバート・リットのコンビ(タイソンは『グローリー』でオスカー録音賞受賞)。音響編集監修は『バットマン』『ハリー・ポッターと賢者の石』『007 カジノ・ロワイヤル』のエディ・ジョセフ。リミックスDTS-HDマスターオーディオ5.1、オリジナルDTS-HDマスターオーディオ2.0音声収録。音声平均転送レートはそれぞれ2,461 kbps/1,001 kbps(48kHz/24bit)となる。ちなみに劇場上映ではブローアップ70mm(限定)上映も行なわれており、6トラック・マスターも制作されているが、ここではドルビーステレオSRトラックからの5.1ch化となる。

DTS-HDマスターオーディオ5.1トラックは、フロントヘビーであったこれまでの5.1chマスターの流用であるが、あらたな整音精度は良好、S/Nの改善、わずかではあるがDレンジとローエンドの拡張を聴取できる。緊張感を響かせる湿り気を帯びた口跡。丁寧に配置される効果音や環境ノイズ。LFEの頻度は限られるが、効果的に扱われ、サウンドトラックのサポートと深みを提供。サラウンドチャンネルは抑制されるものの、適材適所で恐怖が泡立つような効果を与えている。ハイライトはなんといってもトレヴァー・ジョーンズのスコア。コートニー・パインのサックスをフィーチャーしつつ、シンセサイザーを多用した楽曲は深い浸透力を持つ。レッドルースタークラブでの演奏もムードたっぷり、生々しい響きを持つ(演奏曲はブラウニー・マギーの『レイニー・デイズ』)。この音楽シークエンスを始め、ミッキー・ロークの声枯れした(かすれた)発声が登場するが、パーカーは「リテイクは考えなかった。彼の緊張した声は、動物の声の質感を持っていたからだ」と語っており、聴きどころのひとつでもある。ちなみに人気歌手ジョニーのヒット曲として選曲されたのは、‎グレン・グレイ&ザ・カサ・ロマ・オーケストラによる『ガール・オブ・マイ・ドリームス』(37年/パーカーは100曲以上の楽曲の中から選曲/のちにペリー・コモが歌いヒット)。本盤にはDTS-HDマスターオーディオ2.0(劇場上映はドルビーステレオSR)も収録されるが、こちらはアップグレードされており、オリジナル派にとって朗報となろう。いずれのサウンドトラックもアップミックス再生との相性は良好。

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FINAL THOUGHTS

オリジナルネガを4Kスキャン、贅沢なトリートメント、ネイティブ4Kマスターの使用を経た本作は、前述のスタジオカナルUHD BLU-RAYラインナップ同様に、シネフィル必携のUHD BLU-RAYとなろう(UHD BLU-RAYは3層100GB/BLU-RAYとの2枚組)。充実の特典映像も魅力だが、同梱BLU-RAYはR-B仕様なのでご注意を。本作の通常版は昨年9月(独)、10月(UK)でリリースされているが、この4月、UKとドイツでスチールブック版が登場した。フランスでは2月にリリース済みで、いずれも同仕様となる。残念ながら(執筆時点で)通常版、スチールブック版共に北米および日本国内リリースは予定されていない(NHK BS4Kでの4K放送の可能性あり)。

SPECIAL FEATURES

  • Introduction
    • director Alan Parker recorded this archival introduction for the old DVD release ofAngel Heart. In English, not subtitled. (2 min).
  • Commentary
    • Alan Parker recorded this commentary a few decades ago. However, I hadthis
      DVD release from Artisan and it was not included on it. The director shares a great deal of factual information about the shooting locations of various sequences someone apparently told him that it would be very difficult to do anything in Harlem and the specific changes that he made to the original story from William Hjortsberg's novel to give it the period look he desired. Also, there are very interesting observations about Mickey Rourke and Robert De Niro's improvisations, and egos, and how challenging was at times to have the two work together before the camera.
  • Alan Parker Interview
    • presented here is an excerpt from an recent interview with Alan Parker that was conducted forLe franc-toreir. Cineastes des annees 80. The director discusses the great influence that American cinema had on him and consequently his work, the evolution of his career and what he learned along the way, the conception ofAngel Heartand the casting choices that were made, etc. In English, not subtitled. (27 min).
  • News Features
    • presented here are a couple of archival EPKs that feature clips from cast and crew interviews as well as raw footage from the shooting ofAngel Park. In English, not subtitled. (7 min).
  • Personality Profiles
    • three actor profiles that were created for studio EPKs. In English, not subtitled.
      1.Mickey Rourke. (4 min).
      2.Lisa Bonet. (4 min).
      3.Alan Parker. (4 min).
  • Additional Interviews
    • presented here are two archival interviews. In English, not subtitled.
      1.Alan Parker- the director talks about the changes he introduced to the original story, researching Harlem and working in New Orleans, as well as the type of noirish appearance he envisioned and gave his film. (9 min).
      2.Lisa Bonet- the actress discusses the audio process and her part. (2 min).
  • Behind the Scenes Footage
    • Alan Parker and his crew are seen shooting various sequences fromAngel Heart. In English, not subtitled. (2 min).
  • Teaser Trailer
    • a vintage U.S. teaser trailer forAngel Heart. In English, not subtitled. (3 min).
  • A Background in Voodoo
    • six vintage featurettes that focus on various popular myths about voodoo and the people that practice it as well as those that have exploited it. In English, not subtitled.
      1.Voodoo... the Truth. (2 min).
      2.New Orleans Voodoo Connection - History of Voodoo. (21 min).
      3.Dance as Worship: Meaning of Dance & Music. (7 min).
      4.Ashe. (10 min).
      5.Voodoo Macumba Dance Ensemble. (9 min).
  • Gallery
    • a collection of behind the scenes stills.
  • Booklet
    • 48-page illustrated booklet featuring Alan Parker's "The Making of the Film, Beat by Beat" as well as technical credits.

SCREEN CAPTURES

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DISC SPECS

TitleANGEL HEART(STEELBOOK)
ReleasedFeb 05(FR), Apr 06(UK)2020, (from Studio Canal)
SRP€59.99, £45.29
Run Time1:53:11.750 (h:m:s.ms)
CodecHEVC / H.265 (Resolution: 4K / DOLBY VISION / HDR10 compatible)
Aspect Ratio1.85:1
Audio FormatsEnglish DTS-HD Master Audio 5.1 (48kHz, 24-bit)
English DTS-HD Master Audio 2.0 (48kHz, 24-bit)
French DTS-HD Master Audio 2.0 (48kHz, 24-bit)
German DTS-HD Master Audio 2.0 (48kHz, 24-bit)
SubtitlesEnglish SDH

FILM SPECS

タイトルエンゼル・ハート
1987
監督アラン・パーカー
製作アラン・マーシャル, エリオット・カストナー
製作総指揮マリオ・カサール, アンドリュー・ヴァイナ
脚本アラン・パーカー, 《原作》 ウィリアム・ヒョーツバーグ
撮影マイケル・セレシン
音楽トレヴァー・ジョーンズ
出演ミッキー・ローク, ロバート・デ・ニーロ, リサ・ボネ, シャーロット・ランプリング, ストッカー・ファウンテリエ, ブラウニー・マッギー, マイケル・ヒギンズ, ダン・フロレク

4K画質評価

解像感★★★★★★★★  8
S/N感★★★★★★★★  8
HDR効果★★★★★★★★  8
色調★★★★★★★★★ 9
階調★★★★★★★★  8

音質評価

解像感★★★★★★★★ 8
S/N感★★★★★★★★ 8
サラウンド効果★★★★★★★  7
低音の迫力★★★★★★★  7

SCORE

Film★★★★★★★★★ 9
Image★★★★★★★★  8
Sound★★★★★★★★  8
Overall★★★★★★★★  8

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