アマゾンから「Echo Show 8」(¥14,980、税込)が発売されて2ヵ月ほど経過した。Echo Show 8は8インチのディスプレイを搭載したスマートスピーカーで、もちろんアレクサ機能も内蔵、さらにPrime Videoも本体だけで楽しめる。この2週間ほど、Echo Show 8を自宅で使ってみたので、今回はそのインプレッションご紹介したい。
先述した通りEcho Show 8は8インチのディスプレイを搭載しており、位置づけとしては既発売のEcho Shoe 5の兄貴分といったところだろう。両モデルのスペックは以下の通り。
Echo Show 8 ¥14,980(税込)
●画面サイズ:8.0インチ(水平1280×垂直800画素)
●スピーカーサイズ:2.0インチ10Wスピーカー×2、パッシブラジエーター
●無線LAN:デュアルバンド、802.11a/b/g/n/ac
●カメラ:1MP
●寸法/質量:W200×H136mm×D99mm/1,037g
Echo Show 5 ¥9,980(税込)
●画面サイズ:5.5インチ(水平960×垂直480画素)
●スピーカーサイズ:1.65インチ4Wスピーカー
●無線LAN:デュアルバンド、802.11a/b/g/n/ac
●カメラ:1MP
●寸法/質量:W148×H86×D73mm/410g
主な違いは、画面サイズと画素数(アスペクト比)、さらに内蔵スピーカーがEcho Show 5がモノーラルなのに対し、Echo Show 8はステレオスピーカー+パッシブラジエーターになっている点にありそうだ。
もともとEcho Show 5もEcho Dotよりいい音を目指していたのだけど、本体が小さいこともあってステレオスピーカー内蔵というわけにはいかなかったのだろう。その点Echo Show 8は本体が大きいぶん、余裕ができたと思われる。さらにドライバーはネオジウムマグネットを使っているとかで、なかなかにマニアックだ。
さてわが家では以前から寝室でEcho Show 5を愛用している。そこで今回はEcho Show 8とEcho Show 5を並べて音や絵の違いを確認してみることにした。なおEcho Show 8の設定は、ネットワークの選択やパスワードの入力などをタッチパネルの操作でできるので、とても簡単。ここはEcho Show 5と同様だ。
まずはiPhoneのAmazon Music HDアプリから、出力先を切り替えながら再生してみる。すると両機の音にはっきりした違いがあった。
先述の通りEcho Show 8はステレオでEcho Show 5はモノーラルという決定的な違いがあるので、そもそも比較できるものではない。でもそれだけではなく、声の質感や楽器の実体感といった要素も違っている。
トニー・ベネット/レディー・ガガ「スウィングしなけりゃ意味がない」や、ビリー・アイリッシュ「バッド・ガイ」、クイーン「ボヘミアン・ラプソディ」などを選んでみたが、Echo Show 5ではどれもラジカセで聴いているかのような印象で、音数が少なく感じられる。対してEcho Show 8はちょっとしたミニコンポ風の鳴り方だ。
どちらも低域を強めに出す傾向で、置き場所を注意しないとテーブルの天板がビリ付く可能性もある。また「バッド・ガイ」や「ボヘミアン・ラプソディ」ではEcho Show 5で低域感を出そうとしてボリュウムをあげると、高〜中域とのバランスが崩れることもあった。Echo Show 8ではさすがにそこも踏ん張る。このあたりはパッシブラジエーターの効果もあるのだろうが、8〜10畳のスペースで音楽を心地よく聴きたいならEcho Show 8がお薦めだ。
続いて8インチディスプレイを活かして動画コンテンツを再生してみる。番組の呼び出しはアレクサからもできるし、タッチパネルで選んでもいい。
Echo Showでは情報収集も重要な役割だと思われるので、まずはニュースを再生。“アレクサ、ニュースをかけて”というと自動的にNHKニュースが呼び出された。視聴距離は1.5mほどなので画面の細かい識別は厳しいが、内容は理解できる。ニュースのためにわざわざテレビをつける必要がないのはとても便利。
続いて配信されているTV番組から、追悼の意味を込めて『8時だョ! 全員集合』を呼び出してみた。古いコンテンツだが、きちんとレストアしているのかノイズなどはなく、くっきり、すっきりした映像で楽しめる。声もクリアーだし、会場の子供たちの声援も聞き取りやすい。懐かしいテレビ番組をこんなに簡単に楽しめるのだから、これは気分転換にもぴったり。
最後に映画コンテンツから『トップ・ガン』を再生したが、個人的には厳しいなぁ……。8インチの16:10画面にシネスコを映しているから映像が小さすぎるし、F14トムキャットのエンジン音もこれではちょっと。『ドラえもん』あたりなさいい感じなので、コンテンツを選んで活用しましょう。
実はEcho Show 5でも映像視聴を試したことはあったんだけど、こちらはTVコンテンツでも厳しく、天気予報くらいしか使っていなかったりする。その意味では8インチにサイズアップした恩恵は充分あるわけで、Echo Show 8は音、映像の両面で情報収集に最適なデバイスに進化したのは間違いない。棚などにも置きやすいサイズだし、活躍の場所はかなり広がりそうだ。
(取材・文:泉 哲也)