GODZILLA: KING OF THE MONSTERS - 4K UHD BLU-RAY
with DOLBY VISION, HDR10+ and DOLBY ATMOS
Say what you will of KAIJU films, the best of them thrill and excite.
They combine large-scale, city-devastating set pieces with the ground-level desperation of
humanity to prevail in the face of armageddon.
Release Dates (Theater):May 31, 2019 (USA)
Domestic Total Gross:$110,500,138
(Foreign: $275,400,000)
FILM
ゴジラ生誕60周年を記念して公開された『GODZILLA ゴジラ』(2014)の続編であり、シェアード・ユニバースとして製作された『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)に続くモンスター・バース・シリーズ第3弾。舞台は前作『GODZILLA ゴジラ』でゴジラとムートーが死闘を繰り広げ、サンフランシスコに甚大なる被害をもたらした日から5年後。本作では伝説の怪獣たちが蘇生、壮絶なバトルを繰り広げるハリウッドならではの大見世物となっている。なにしろゴジラに加え、キングギドラ、モスラ、ラドンまでもが登場するのだから、怪獣ジャンキーは卒倒するに違いない。人間ドラマにも目を配り高い完成度を誇った『GODZILLA ゴジラ』に対し、怪獣バトルに重きを置いた潔さも大変ヨロシ(『ダーティーハリー』と『ダーティーハリー2』の差異を思わせるが如く)。前作で息子を失った科学者夫婦とその娘の家族模様や救出劇がサブプロットとして加筆されているが、この点は賛否の分かれるところかもしれない。
前作からより磨きをかけたCGゴジラは圧倒的なクオリティ。オリジナル『ゴジラ』(54)との整合性に拘ったという背びれデザインも気が利いている。そのゴジラ、前作同様に俳優が演じ、モーションキャプチャー・データをCGモデルにリターゲット。観どころのひとつであるキングギドラは、3人の俳優が3つの頭部を演じ、ボディはまた別の俳優が演ずるという拘りよう。モスラ誕生場面もワン・オブ・『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』ベストとしたい。
出演はカイル・チャンドラー、ヴェラ・ファーミガ、ミリー・ボビー・ブラウン、渡辺謙、チャン・ツィイー、サリー・ホーキンス。監督は『X-MEN 2(脚本)』『スーパーマン リターンズ(脚本)』『クランプス 魔物の儀式(監督・脚本)』のマイケル・ドハティ。ちなみにモンスター・バース・シリーズ第4弾『GODZILLA VS. KONG』は 2020年3月29日北米公開予定。
VIDEO
撮影は『ハング・オーバー!』シリーズや『宇宙人ポール』の監督ローレンス・シャー。本作が初のビッグバジェット作品となる。アリ・アレクサ65(6.5K)/mini(3.4Kオープンゲート)アナモフィック撮影。DIファイルは2K。HDRはHDR10/HDR10+/ドルビービジョンを採用。映像平均転送レートは56.4Mbps(HDR10+)+2.1Mbps(ドルビービジョン)。収録アスペクトは2.40:1。
可能な限りの大画面で愉しんでもらいたい怪獣美術画。表現主義的な様式美を押し出したローライトレベル・ショットが連続するものの(豪雨や煙による暈し絵表現もある)、BLU-RAY/SDR版に対してコントラストと明暗バランスが大幅に改善されている。ボリューメトリックな大気エフェクトや環境エクステンションの描画力も揺るぎない。総じて鮮明に伸長する白が得られ、発光の中心、巨大な爆発等々、より強い光度を楽しむことができる。強靭なスペキュラハイライトは観応えがあり、光彩スポットはより細密詳細に表示されている。ゴジラが天に向かい青い放射熱線を吐くロングショットはその好例、個々の背がびれの発光が鮮明に確認できよう(Screen Captures参照)。ローライトレベル・シークエンスではHDR10+がその実力を発揮するが、総合的にドルビービジョンに軍配が上がる。ドルビービジョンとWCG(広色域)の恩恵は、開幕にみるオレンジとティール(コガモ色)の拡張に明快。カラーパレットは終幕まで豊かで充実しており、深いネイビーブルー(軍服)、コンピューターモニターのコバルト、青きオーラに包まれたローライトレベル・ショット、(前述した)青き氷の発光で魅せるゴジラの背びれ、モスラを染め抜くティールの光彩、ギドラのアクションを際立てる黄蘗色やゴールデンアンバー等々、瞬く暇を与えない。緑と赤(原色)には活力があり、二次色との魅惑的な混合でみせる光景も映えまくる。黒レベルは堅固。さまざまな色使いを支えつつ、強く濃くインキー。最暗部にかけての陰影描画においても優れた視認性を可能にしている。
AUDIO
サウンドデザインは『アルゴ』『GODZILLA ゴジラ』『トランスフォーマー』シリーズのエリック・エーダール(兼音響編集監修)、『ロスト・バケーション』『パシフィック・リム:アップライジング』のブランドン・ジョーンズ。音声平均転送レートは4.245kbps(24ビット/48kHz)。UHD BLU-RAY、BLU-RAYのいずれもドルビーアトモス・サウンドトラック採用となる。
家庭劇場を破壊するが如き音彩パフォーマンスで染め抜かれたシネソニック。分解能と明瞭度に長け、鮮明なイメージングを披露。開幕から暫くは抑制も効いているが、南極でのギドラ登場からはセンセーショナルな聴覚スペクタクルが連続する。強靭なミッドレンジに加え、ローエンドは信じがたい指揮力と驚異的な触知力を持つ。常時20Hzに迫る低音域をキープ、いくつかのシークエンスでは17Hzの最低音域をミックス、家庭劇場の壁面を叩く衝撃波を提供する。サラウンドもクレイジーなミックス。家庭劇場で常になんらかの音彩が稼働しており、バックグラウンドアクティビティはフロントL/C/R/トップ・チャネルの間を流動的に移動し、とりわけバトル・シークエンスではスピーカーからスピーカーへの途方もないローリング効果を聴取できよう。オブジェクト・ミックスの効果が著しく、広大なハーフドームサウンドステージを生成、数々の大気エフェクトやアンビエントが映像に迫真性を与えている。怪獣の高さとリンクした高低感の強調、降り注ぐ雨粒、リスニングエリア上空の精巧なパンニングと定位は聴きどころのひとつ。メキシコ・シークエンスとクライマックス・バトルは最高最大のサラウンド・レファレンスだ。会話シークエンスにおいても効果的で満足のいく半球音場を維持している。その発声は終始明快、大音量シークエンスでも優れた明瞭度を示している。
ベアー・マクレアリー(『10 クローバーフィールド・レーン 』『シンクロナイズドモンスター』)のスコアも忘れ難い。4大怪獣にはそれぞれテーマ曲が与えられ、ゴジラはお馴染み伊福部昭メロディ、モスラには古関裕而の『モスラの歌』がアレンジされて組み込まれ、ギドラとラドンには新たな楽曲を提供。オーケストラから民族楽器、読経に(太鼓演者の)掛け声までが混成するスコアは、映画に豊かで深みのある色彩感をもたらしている(オブジェクト・ミックスも絶品だ)。アレクサンドル・デスプラが音楽を務めた『GODZILLA ゴジラ』では伊福部節は登場しておらず、2作品の楽想から映画が持つテーマ性の差異を探求していくのも一興であろう。
FINAL THOUGHTS
監督ドハティがここに見せる映画センスからは、怪獣映画への敬意がにじみ出ており、オリジナルの東宝フランチャイズまでも身近に感じさせる。加えて最新技術を総動員して魅せた、こだわりのビジュアルとシネソニックに支えられた壮大なバトルと壊滅的な光景。これがゴジラ&怪獣ジャンキーを歓喜させるに違いない。家庭劇場を激震させる ゴージャスなHDRプレゼンテーション、気魄のこもったドルビーアトモスサウンドトラックを体験せぬ手はなかろう。
SPECIAL FEATURES
- DOLBY VISION/HDR 10 PRESENTATION OF THE FILM
- DOLBY ATMOS TRACK
- Audio Commentary by Director
- Godzilla: Nature's Fearsome Guardian
- Mothra: Queen of the Monsters
- King Ghidorah: The Living Extinction Machine
- Rodan: Airborne God of Fire
- Godzilla 2.0
- Making Morthra
- Creating Ghidorah
- Reimagining Rodan
- The Yunnan Temple
- Castle Bravo
- The Antarctic Base
- The Isla de Mara Volcano
- The Undersea Lair
- Millie Bobby Brown: Force of Nature
- Monster Tech: Monarch Joins the Fight
- Monsters Are Real
- Welcome to the Monsterverse
- Deleted Scenes
SCREEN CAPTURES
DISC SPECS
Title | GODZILLA: KING OF THE MONSTERS |
---|---|
Released | Aug 27, 2019 (from Warner Bros.) |
SRP | $44.95 (amazon: $29.95) |
Run Time | 2:11:43.103 (h:m:s.ms) |
Codec | HEVC / H.265 (Resolution: 4K / DOLBY VISION / HDR10+ / HDR10) |
Aspect Ratio | 2.40:1 |
Audio Formats | English Dolby Atmos (48kHz / 24bit / Dolby TrueHD 7.1 compatible), English Dolby Digital 5.1, Spanish Dolby Digital 5.1, French Dolby Digital 5.1 |
Subtitles | English SDH, French, French SDH, Spanish, Arabic, Korean, Mandarin (Simplified), Mandarin (Traditional) |
FILM SPECS
タイトル | ゴジラ キング・オブ・モンスターズ |
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年 | 2019 |
監督 | マイケル・ドハティ |
製作 | メアリー・ペアレント, アレックス・ガルシア, トーマス・タル, ジョン・ジャシュニ, ブライアン・ロジャーズ |
製作総指揮 | ザック・シールズ, バリー・ウォルドマン, ヒロ・マツオカ, 大田圭二, ダン・リン, ロイ・リー, 坂野義光, 奥平謙二 |
脚本 | マイケル・ドハティ, ザック・シールズ |
撮影 | ローレンス・シャー |
音楽 | ベアー・マクレアリー |
出演 | カイル・チャンドラー, ヴェラ・ファーミガ, ミリー・ボビー・ブラウン, 渡辺謙, チャン・ツィイー, ブラッドリー・ウィットフォード, サリー・ホーキンス, チャールズ・ダンス, トーマス・ミドルディッチ, アイシャ・ハインズ, オシェア・ジャクソン・Jr, デヴィッド・ストラザーン, アンソニー・ラモス, エリザベス・ラドロウ, ジョナサン・ハワード, CCH・パウンダー, ジョー・モートン |
4K画質評価
解像感 | ★★★★★★★★★☆9 |
---|---|
S/N感 | ★★★★★★★★☆☆8 |
HDR効果 | ★★★★★★★★★☆9 |
色調 | ★★★★★★★★★☆9 |
階調 | ★★★★★★★★★☆9 |
音質評価
解像感 | ★★★★★★★★★★10 |
---|---|
S/N感 | ★★★★★★★★★☆9 |
サラウンド効果 | ★★★★★★★★★★10 |
低音の迫力 | ★★★★★★★★★★10 |
SCORE
Film | ★★★★★★★★☆☆8 |
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Image | ★★★★★★★★★☆9 |
Sound | ★★★★★★★★★★10 |
Overall | ★★★★★★★★★☆9 |