沖縄発の人気グループ・MONGOL800の名曲「小さな恋のうた」をモチーフにした映画「小さな恋のうた」の完成報告記者会見が3月13日、新宿バルト9で行なわれ、昨年の製作アナウンス以後、スタッフ、キャスト、ストーリーまでも秘されてきた同作のメインキャストらが登壇した。主演は、若手実力派俳優としてさまざまな作品に出演してきた佐野勇斗を据え、共演には森永悠希、山田杏奈、眞栄田郷敦、鈴木仁、トミコクレアといった錚々たる顔ぶれを迎えている。さらに、ロックミュージシャンとして第一線で活躍し続けている世良公則も、重要な役回りで出演している。そんな多彩なキャストを束ねたのは、近年「羊と鋼の森」「雪の華」といった話題作を次々に送り出している橋本光二郎監督だ。
本作は、沖縄本島に暮らす高校生たちを主役に、彼ら・彼女らがバンド活動を通じて培った絆を、MONGOL800の名曲の数々に乗せて描いたヒューマンテイストの音楽作。劇中でバンドを組むキャストらは、クランクイン前から楽器練習に取り組んだそうで、主役の佐野は「半年も前から練習を始める作品もなかなかないことだし、本編では実際に弾いて歌うという、挑戦とも言える撮影を行ないました。練習期間があったからこそ5人の絆が深まって、映画の中に“バンド感”を出せたのかなと思います」と、初挑戦のバンド演奏の結果に満足した様子。
一方、バンドでは紅一点となる舞(楽器はギター)を演じた山田は「私も楽器はほぼほぼ初めてで、まずは触るところから始めて、みんなで集まって練習する中で切磋琢磨していった結果、撮影(演奏)の際にメンバーと目が合うと、楽しいって思えるまでになったことが思い出です」とにこやかにコメントしていた。
それを聞いた世良は、「目が合っただけで楽しいって思える音楽がそこにあるのは、素晴らしい。彼らの中で曲が生まれて、彼らの中で曲が育って、そして、それが人に伝わって、聞くものを感動させてくれる。彼らの中で育った音楽が、映画をも育てているという実感が得られました。いいバンドでした」と彼らの演技・演奏を大絶賛していた。
橋本監督も、「このメンバーの力を借りて、人はなぜ歌うのかというテーマに沿って本作を作りましたが、想像以上のものになった」と、キャストの頑張りを称賛。劇中で監督が一番強い印象を抱いたという「友達どころじゃねえんだよ、俺たちバンドなんだ」というセリフも、先述の練習期間に培ったメンバーのリアルな関係性がそのまま役作りにもつながっていったのを感じられて「嬉しかった」と、チラリと本音ものぞかせていた。
なお、本作の撮影は昨秋、沖縄で行なったそうで、ほぼ同年齢のキャストが揃ったこと、事前の楽器練習の期間があったことで、和気あいあいとした雰囲気の中で進んだそうで、「空き時間に近所の公園に行って、そこにあった遊具(山田曰く、おじいちゃんの健康器具みたい)で遊んで楽しかった」そう。
映画「小さな恋のうた」
5月24日全国ロードショー
<キャスト>
佐野勇斗、森永悠希、山田杏奈、眞栄田郷敦、鈴木仁、トミコクレア/世良公則 ほか
<スタッフ>
監督:橋本光二郎
配給:東映
(C)2019「小さな恋のうた」製作委員会