何をしても楽しかった青春時代。そんな同じ時間を過ごした7人の登場人物たちの“その後”をリアルに描いた『青の帰り道』が、12月7日(金)よりロードショーとなる。メガホンを執ったのは、伊坂幸太郎原作の映画『オー!ファーザー』で注目を集め、本作が長編5作目となる藤井道人。今からちょうど10年前の2008年を起点に、高校を卒業し、夢に向かって生きているはず……のキャラクターたちの苦悩や挫折を繊細に織り込んだ注目の作品だ。中でも、主人公カナ(真野恵里菜)を助けつつも、自らの中にひと際大きなコンプレックスを抱えたキリを好演した清水くるみにインタビューした。

画像1: 清水くるみ/映画『青の帰り道』で、コンプレックスに悩み、生き急ぐキリ役を熱演!

――出演おめでとうございます。清水さんが演じられたキリ役はいかがでしたか?
 ありがとうございます。監督からオファーをいただいて、台本を読んですぐに「やりたい」って強く思った作品&キャラクターでしたので、演じることができてうれしかったです。

――作品&キリの魅力とは?
 まず、ストーリーがすごく胸に刺さってきたんです。メッセージ性を強く感じたので、これは絶対に観た方の心に残る作品になるなと思いましたし、ぜったいにそうしたいと思ったので、キリを演じきってみせるという思いを抱いて現場に臨みました。

――清水さんにそこまで思わせるキリとは?
 一人の人間の中には、表と裏というか、陰と陽というか、必ず二面性があると思うんです。私はどちらかといえば、陰のほうが強い性格だと思っているので、私ならキリの陰の部分を表現できると感じたし、さらに、彼女の持っている感情には共感できる部分もたくさんあったからです。逆に、真野さんの演じたカナは陽な性格だなって感じたので、陽属性の彼女がぴったりだなって思いましたね。

――さて、キリの役作りについて教えてください。
 性格を詰めていく前に、まず時系列を把握するために、自分の出演シーンだけをピックアップして時間順に並べて、何年には何があってということを理解してから、キャラを起こしていきました。キリのこの感情は、何年前の自分が経験したことと似ているなっていうことを考えながら、その時の自分の感情を掘り起こして、役を作りこんでいきました。

――ご自身の経験は重要ですか?
 はい、とても重要です。私は自分の経験を元に役を起こすことが多いので、経験のないことを演じるのは難しいです。だから、経験のない役のオファーをいただいたら、まずはそれを経験してみようって思うんです。ただ、殺人犯のような役は経験できませんから、関連した作品を見ながら、役を起こしていきますけど。

――そうすると、キリと清水さんの間には強くリンクするものがある、と。
 そうですね。私にもいろんなコンプレックスがあるので、その中のこれがあの感情とリンクするなって思いながら演じていました。

画像2: 清水くるみ/映画『青の帰り道』で、コンプレックスに悩み、生き急ぐキリ役を熱演!

――今回、カナ役の真野さんとの共演はいかがでしたか?
 前に一度ご一緒したことがあって、その時から明るい方だなっていう印象を持っていたので、カナはそんな真野さんにピッタリだなと思いましたし、とても気さくで話しやすい方なので、一緒に話し合いながら役を作っていくことができました。ただ、お互いに役にピッタリだなって思っていたので、自然とカナ像、キリ像は出来上がっていったのかなと感じています。

――覚えているシーンは。
 二人が喧嘩するシーンです。感情を大きく出すことで、私の中にあった葛藤も揺さぶられたし、何回もテイクを重ねたので、終わった時には真野さんとハグしました(笑)。

――さて、キリは東京に来てからたいへんな目に合います。
 いままで経験したことのない優しさに触れたことで、気を許し……という感じでしょうね。これ以上はネタバレですね(笑)。

――それ以外にも、自分の気乗りしない仕事を任されて……。
 仕事は仕事としてこなしながらも、実は心の中は虚しさでいっぱいで……。キリが一人でいるシーンはあまりありませんでしたけど、そういう時は空っぽになっているんだろうなって想像していました。

――でも、後半、地元に帰ってきてマリコ(秋月三佳)に見せる表情は落ち着いていました。
 友達グループの中で、マリコ&コウタ(戸塚純貴)夫婦が一番大人じゃないですか。だから、二人に母性とか父性を感じて、包み込まれる雰囲気が心地よかったのだと思います。

画像3: 清水くるみ/映画『青の帰り道』で、コンプレックスに悩み、生き急ぐキリ役を熱演!

――話は変わりますが、お母さん役の工藤夕貴さんとの共演はいかがしたか?
 とてもいい経験をさせていただきました。実際にお会いしたら、今まで拝見した作品から感じていた印象や想像をはるかに超える存在で! 工藤さんとの共演は、私の女優人生の中で、一番楽しいものになりました。

――想像を超えるとは?
 お母さんの中にも抱えている悩みは大きなものがあると思うんですけど、そんなものどうにでもなるさっていう超陽気な雰囲気を感じさせてくれるお芝居だったんです。その陽というのは、カナ以上に強くて、観ているだけで楽しくなってくるほどなんです。しかも、お芝居面では、同じことは一回もなくて、テイクごとに芝居が変わってくるし、私の芝居に即応して、想像をはるかに超えたものを還してくださるんです。その適応能力が素晴らしすぎて! 現場では工藤さんのお芝居に感動しきりでした。

――工藤さんとの共演でご自身の芝居に成長は?
 成長できたかは分かりませんが、とっても勉強になりました。そんなにたくさん芝居のニュアンスを変えられるのって、やっぱり役者の醍醐味だと思うし、自分もそういう風になりたいと強く憧れます。

――映画では、いつか通った青春の場所が描かれていますが、清水さんが戻りたいと思う時代はありますか?
 めちゃくちゃ戻りたいし、やり直したいって思うことはたくさんありますけど、戻っちゃいけないって考えているので、答えは「ありません」で(笑)!

――最後に読者にメッセージをお願いします。
 本作をご覧になった方々は、おそらくこの7人組の誰かに当てはまる感情を経験したことがあると思うんです。そうした体験を楽しんでほしいなと思います。

映画『青の帰り道』
2018年12月7日(金)全国ロードショー
<キャスト>
真野恵里菜、清水くるみ、横浜流星、森永悠希、戸塚純貴、秋月三佳、冨田佳輔、工藤夕貴、平田満 ほか
<スタッフ>
●監督:藤井道人
●原案:おかもとまり
●脚本:藤井道人/アベラヒデノブ
●配給:NexTone
●配給協力:ティ・ジョイ
●宣伝協力:MUSA
(C)映画「青の帰り道」製作委員会

公式サイト https://aono-kaerimichi.com/
清水くるみ http://artist.amuse.co.jp/artist/shimizu_kurumi/

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