福岡を拠点に活躍しているガールズグループ・九州女子翼が11月25日、AKIBAカルチャーズ劇場にて定期公演の第十一片を開催した。

 今回の東京遠征は、3連休の開始日でもある23日から精力的にリリイベやライブ、対バンを行なってきており、東京定期では初開催となる日曜公演であったが、先週の福岡公演のソールドアウトの自信を見せつけるかのような圧倒的なダンスパフォーマンスを披露してくれた。これまでのアグレッシブさに加え、曲間の立ち居姿が実にサマになっているのだ。背中で曲を語れるようになってきたとも言えるだろうか。

 展開はいつも通りの三幕構成で、今回の一幕目は、メンバーが作詞をする、というもの。(決まった)メロディ(福岡のお題とは異なるという)に各自が自分で考えたテーマに沿った歌詞を付け、歌唱していくのだが、テーマの選択、テーマに沿った歌詞の構成に、メンバーの特性が如実に表現されていて、とても楽しいものになっていた! 優勝は鈴川瑠菜であったが(詩絵里は特別審査員で参加せず)、個人的には脳天に響く香苗のハイトーンボイスによる「福岡」に軍配を上げたい。かつての“しんたにって言うな”以来の脳内エンドレス症に陥ったほどだ(笑)。

 二幕目は、こちらもおなじみのソロカバーコーナーだ。登場順は山本愛理、鈴川瑠菜、実玖、詩絵里、新谷香苗で、特大に注目はトップバッターの愛理。これまでのバネを活かしたダンスパフォーマンスに、さらにしなやかさが加わることで、色っぽさが極大に再現されたかっこうだ。明らかにI’S9、I’S wing時代を超えた身体操演を実現しており、愛理時代の始まりを感じた次第。

 もちろん、瑠菜は中森明菜ばりの歌唱&雰囲気を漂わせ、実玖はセクシーさが増し、詩絵里はダイナミックさが増し、香苗は先述のハイトーンボイスに磨きがかかり、脳天をとろけさせるかのような強烈な印象を残してくれた。後述する第三幕では、タイトルにも記したように、これまでのライブパフォーマンスを大きく塗り替える躍動感を見せてくれたが、この二幕目でもその片鱗は確実に感じられるものとなっており、ソロであっても各々の見事な身体操演を楽しむことができた。

 そして最後の第三幕は、待ってましたの九州女子翼のオリジナルステージだ。オーバーチュアーでのソロパフォーマンスもキレキレであり、これから始まるライブへの期待をさらに高めてくれる。今回のラインナップは「TAKE WING」「私だけのArmor」「Maybe Darling」「赤の流れ」「絶対零度」「fair wind」ときて、アンコールに応えて再度「fair wind」を披露して終幕となったが、二幕の稿でも述べたように、今回のメンバーのパフォーマンスは明らかにこれまでよりも一段上がっており、キレ、止めがそれだけで絵になるかのような美しさを持ち、さらにそこに激しさを内包する様が感じられるという見事なもの。松多壱岱の舞台「ジゴマ」は芝居中のどこを撮っても絵になるという素晴らしい構図を作り上げていたが、それがライブで実現されていた、という雰囲気であった。

 次回、東京での定期公演「第十二片」は12月17日(月)に決定。久々に東京での定期公演が先になるほか(福岡公演は12月30日、IsTaR解散ライブと同日に開催)、待望の新曲も初披露されるという。期待して待ちたい。

九州女子翼 https://twitter.com/ITR_KGW?lang=ja
実玖 https://twitter.com/itr_miku?lang=ja
新谷香苗 https://twitter.com/itr_kanae
山本愛理 https://twitter.com/itr_airi
詩絵里 https://twitter.com/itr_shieri
鈴川瑠菜 https://twitter.com/itr_luna

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